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芸術大学・彫刻科所有の大きな鋸が届けられた。
前挽き大鋸は「又、会えたなぁ」の想いで刃のチェックをしたが、
目を見張ったのは、初めて見た鋸。
刃渡りは、尺6寸から2尺まで。
縦挽き刃と、横挽き刃がある。
縦挽き鋸
横挽き刃
横挽き鋸は通常と感じる厚みだが、縦挽き鋸は厚い当然、重い !
私がホームページ開設後に知った、多くの方々の情報から
「縦挽きが欲しいが、大鋸では活用できない」との気持ちが感じられた。
そこで試作したのは、両刃鋸の縦挽き刃よりも強く機能する鋸でした。
「あぁ 先輩鋸鍛冶諸氏も同じだったんだなぁ」当然ですね。
人々の要望に応じて仕事を成すのが職人ですね。
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前挽き大鋸は前回の目立て施しで、良好な刃に成ったいたので良いのですが
新たに届いた鋸は全てが、他の職人さんの手が付けられています。
若い頃から、今では想像も出来ない程、多量の大工鋸を目立てしてきました。
鋸鍛冶屋所属の職人さん達の副業になっていました。
問題は、その技量で、当然ながら差がありました。
収益を高めるために ” ヤスリ消耗を少なくする ” は必然でもあったでしょう。
その結果として見られたのが、「次回の目立てが困難になっても構わない」磨り方でした。
今回手元に届いた鋸に、それが見えた事に驚きましたし、残念な気持ちになりました。
これらの鋸が次回は どなたが手掛けるか?
私(中屋伝左衛門)は明日が満77歳の喜寿。 次回は無理でしょう。
従って、今回も自分が納得出来る状態にして、納品します。
「おぅ、良くやってるな」と
認めてもらえる様に。
目立て職人が増える事を願っている私です。
目立てを愉しんでいらっしゃる皆さ~ん。もっともっと突っ込んで下さ~いませ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2021/1/29