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名邑十寸雄の手帖 Note of Namura Tokio

詩人・小説家、名邑十寸雄の推理小噺・怪談ジョーク・演繹推理論・映画評・文学論。「抱腹絶倒」と熱狂的な大反響。

♪ その嘘ホント 「自己紹介の手順」

2013年02月22日 | 日記
「君が、もう死んだ筈のお父さんに出会ったら、感動するかね」
「勿論です。驚きの余り、抱き付くでしょう」

「それでは、未だ生まれていない君の子供に出会ったらどうかね。未だ若者だが、君は自分の子だと知っている」
「そんな事があれば、感激するでしょうね。やはり抱き締めます」

「今、僕と君が話しているのは、それと同じ事なんだ」
「もう少し、進化論理宇宙科学に則って説明して頂けませんか」

「私は、死んだ筈の君の父親だ。今の今まで、まさか子供がいるとは思わなかった」
「という事は、詰まり」
「情報と実体は異なるという進化論理学は、宇宙的な観点に於いて正しいという事だろうね」
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♪ その嘘ホント 「赤ん坊の代弁者」

2013年02月22日 | 日記
「深夜だというのに、赤ん坊が泣き続けている」
「声の調子が変だわ。ママが、美しい子守唄をもう一度聴かせて上げましょう」
「泣き止まないどころか、近所中から苦情の声が聞こえる」
「何て云っているのかしら」

「耳障りな唄を止めろ」
「赤ん坊の好きな様に泣かせてやれ」

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♪ その嘘ホント 「相性の良い口げんか」

2013年02月22日 | 日記
「お宅様ほど、味覚の欠如した日本の伝統的料亭はございません」
「俺んとこは、場末のおでん屋だ。いやなら、けえんな」

「御主人様。貴方様は、この世で一番御無礼で、無愛想な方でございますわね」
「あんたは、この世で一番馬鹿っ丁寧なおばさんだ」

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♪ その嘘ホント 「おならと虚栄心」

2013年02月22日 | 日記
「今おならの音がしたが、混雑した満員電車で無礼極まりない」
「臭い。にんにくと葱の混ざったひどい悪臭だ。腐った様な酒も匂う」
「これほど臭い屁をこいた奴は、場末の飲み屋帰りのしみったれ野郎に違いねえな」

「いいえ、高級フランス料理ですわ」

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♪ その嘘ホント 「それでも地球は回る」

2013年02月22日 | 日記
「アルフレッドじゃないか。街頭に突っ立って、何をしているのだ」
「お巡りさん。地球は24時間で一周するので、我が家に着くのを待っているんです。今しがたお隣の御主人が千鳥足で通り過ぎたので、もう少しだと思います」
「と云う事は、詰まり。誰も彼もが、酔っ払っているんだな」
「地球の自転を、御存知ない様ですね。ほら、ぐるぐる回ってる」

「ひっく!」としゃっくりをする警官の手には、ジンの小瓶がぶら提げられていた。
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♪ その嘘ホント 「マイクの故障」

2013年02月22日 | 日記
 講演会場のマイクが壊れていたので、演壇の教授が大声で叫び出した。
「後ろの席の学生諸君。私の声が聴こえるかね」
「いいえ。聴こえません」

 前の座席の学生が、声を上げた。
「此処なら聴こえるぞ。席を換わってやろう」

「何か云ったかい。何も聴こえないんだ」

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♪ その嘘ホント 「優れた哲学者の定義」

2013年02月22日 | 日記
「哲学の授業を始める。『人生の意味』を答えなさい」
「先生は、如何思いますか」
「勇気をもって生きる事である」
「勇気とは何を指すのでしょうか」
「それは、君達自身が考えるべき命題だ」

「先生。勇気とは、そんな馬鹿な質問を堂々と無視する事です」
「それが答えかね。そういうのは『愚か』と云うのだ」
「いいえ、先生の意見に従う事こそ愚かです」

「それでは聞く。哲学の根本義とは何か」
「先生。そういう無益な想念を捨てた処にあるのが本当の哲学です」
「そういうのは、『無知』というのだ」
「無知は、ソクラテスの言葉です。何も知らないと悟った者が、優れた論理哲学者だという教えです」

 先生はすっかり考え込んでしまった。が、暫くして偉大な霊感に包まれ我知らず大声で叫んでいた。
「なる程、分かった。ソクラテスは正しい。わしは、優れた哲学者なのじゃ」

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♪ その嘘ホント 「女王陛下の反論」

2013年02月22日 | 日記
「女王陛下。あなたの母君にはお嬢様がいた。父親たる先代の王にも子供がいた。しかしながら、それはあなたの妹でも姉でもない。CIAの報告では兄でも弟でもない。そんな家柄に王位継承権を与えるのは、『論理的なパラドックス』ではないでしょうか」

「大統領閣下。何も不思議はありません。私は一人っ子なのです」
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♪ その嘘ホント 「最も多い夫婦喧嘩のパターン」

2013年02月22日 | 日記
「わしの顔をひっぱたいたな。もう一度やったら勘弁せんぞ」
 妻は、夫の頬をもう一度ひっぱたいた。

「やったな。これが最後の忠告だ。もう一度でも手を出したら、お前の夫がどんな男か思い知らせてやる」
 今度は、思い切りどつき倒した。

「こうなったら、最後の手段だ」
「どうするの。男ならはっきりしなさいよ。これが最後の忠告よ」と云いながら、妻は出刃包丁を構えていた。
「庭掃除を片付けてから、買い物にゆく」
「お料理と皿洗い、それに肩もみも忘れないでね」
「はい」

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♪ その嘘ホント 「誉れ高い将軍の武勇伝」

2013年02月22日 | 日記
「兵に集合を掛けろ。沼の泥を掘り起こし、わしの車を救い出すのだ」
 将軍のジープは、底なし沼にはまりどんどん沈んでゆく。

「土を掘るのは不可能です。そんな事をすれば、我々も死んでしまいます」
「臆病者め。車の下にカーペットを敷け。何とか運転して自力脱出してみせる」
「基地まで半日は掛かりますし、カーペットを注文しても納期が三ヶ月は掛かります」
「何か、代わりになるものがあるだろう。捜してみろ」
「ハンカチしかありません。これでも無いよりはましかと思いますが、如何でしょうか」

「確かに、気休め程度にはなるかも知れない」というのが、武勲の誉れ高い将軍の最期の言葉だった。

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♪ その嘘ホント 「捜査の実体」

2013年02月22日 | 日記
「ノイローゼだそうだね」
「先生。社会のあり方と、人間存在そのものに絶望してしまいました」
「君は確か、警視庁の警部補だったね」
「捜査一課です。社会機構の堕落と、人間の愚かさに悩んでいるのです」
「堕落した人間関係に疲れるのは、ごくまともな神経だ。処で、どんな仕事なのかね」

「民間電話の違法盗聴係なんです」

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♪ その嘘ホント 「僻地救済の実体」

2013年02月22日 | 日記
「人類の発祥地、ここアフリカの僻地では、一欠けらのバター付きトースト、一枚のシャリアピン・ステーキ、一瓶のシャトー・ワインが、神から授けられた生命を支えます。是非、苦難を抱えた大地に寄付をお願い致します」

「神父さん。そんな贅沢が、アフリカの開拓地で可能なのですか」
「祈りとは、物理的には不可能な事を望む事ではありませんか」
「要するに、神父さんの云わんとする事は」

「補給クラッカーと沸かし湯の食事に、飽きてしまったのです」

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♪ その嘘ホント 「心無い言葉」

2013年02月22日 | 日記
「心無い医者もいるものです。私の可愛い坊やに対して、みにくい子だと云うんです」
「何という侮辱。黙っている事はありません。文句を云うべきです」
「誰に文句を云えば、良いのでしょうか」
「病院の苦情受付コーナーです。あそこの角にあります」

「ご親切にありがとう。火星人のお嬢さん」

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♪ その嘘ホント 「無抵抗主義の夫」

2013年02月22日 | 日記
「あなた。もう五時間もの間、同じ説明の繰り返しですね。何度云えば分かるのですか。一体全体、何でそんな事するの。TVのリモコンをあたしに向けて、ストップ・ボタンを押し続けるをやめて下さい」

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♪ その嘘ホント 「酔っ払った水泳選手」

2013年02月22日 | 日記
「見てみろよ。バーから出て来た酔っ払いが、転んで地面に顔をぶつけた」
「かなり酔ってるな。『俺は泳げる』と云いながら地べたを泳いでいる」
「立ち上がろうとして又転んだ。今度は、顔が泥まみれだ」
「『泳いで家に帰る』と叫んでる。かなり頭がいかれてるな」

 翌朝、妻が玄関につっぷした泥まみれの夫を見下ろして云った。
「足の怪我も治らない内に、昨日の夜も呑み過ぎね」
「ああ、何で分かるんだい」
「車椅子をバーに忘れたって、バーテンから電話があったのよ」

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