「隊長。やっと太陽系を脱出したものの、この速度で次の惑星にであうのは何百年後でしょうか。退屈で仕方ありません」
「摩擦の無い宇宙では速度の観念が異なる。丁度太陽系の引力圏を脱したから、速度が級数的に速くなるだろう」
「本当だ。宇宙船の速度計が光速レベルを差しています。次の惑星まで、4年3ケ月で到着する計算です」
「他の巨大惑星の引力圏に入ったから、更に早くなる」
「その惑星は、どの程度の大きさでしょうか」
「地球の5千兆倍の体積だ。ブラック・ホール圏内になれば、抜け出せる可能性は万に一つも無い。この宇宙船など、ごみの中にいるバクテリアの…その又分解原子の様なものだ」
「と云う事は、詰まり」
「宇宙船ごと、墓場行きという事だろうね」
「本当だ。真っ黒な惑星に、後5ケ月で衝突してしまいます」
「いや、速度は累乗で速くなる筈だ。残り時間は…」
「どれ位ですか。逆噴射装置と磁気性反物質で何とか対応します」
「そんなもの、何の役にも立たん。我々に遺された命は…」
「何ヶ月ですか。じらさないで教えて下さい」
「どう長くても、十…」
「十と云うと、十日…十時間ですか。まさか、十分ではないでしょうね。一体、ブラック・ホールに呑み込まれるまで…後どれ位の時間が残っているのですか」
「九」
「摩擦の無い宇宙では速度の観念が異なる。丁度太陽系の引力圏を脱したから、速度が級数的に速くなるだろう」
「本当だ。宇宙船の速度計が光速レベルを差しています。次の惑星まで、4年3ケ月で到着する計算です」
「他の巨大惑星の引力圏に入ったから、更に早くなる」
「その惑星は、どの程度の大きさでしょうか」
「地球の5千兆倍の体積だ。ブラック・ホール圏内になれば、抜け出せる可能性は万に一つも無い。この宇宙船など、ごみの中にいるバクテリアの…その又分解原子の様なものだ」
「と云う事は、詰まり」
「宇宙船ごと、墓場行きという事だろうね」
「本当だ。真っ黒な惑星に、後5ケ月で衝突してしまいます」
「いや、速度は累乗で速くなる筈だ。残り時間は…」
「どれ位ですか。逆噴射装置と磁気性反物質で何とか対応します」
「そんなもの、何の役にも立たん。我々に遺された命は…」
「何ヶ月ですか。じらさないで教えて下さい」
「どう長くても、十…」
「十と云うと、十日…十時間ですか。まさか、十分ではないでしょうね。一体、ブラック・ホールに呑み込まれるまで…後どれ位の時間が残っているのですか」
「九」