お気に入りの店が出来た。
神戸は元町、元町駅のやや北東に位置する赤酢の寿司を提供する店である。神戸勤めのワタシにとっては、定期券で気軽に下車して立ち寄れるすし屋があるというのは非常に嬉しい。
赤酢の鮨をいただく店は、じつは神戸北野の1店と決めていたのだけれど、予約が年々困難となり、また駅チカとは言えない立地であることから、そちらに伺うことが難しいときにはこの『寿司赤酢神戸元町』を利用することが多い。
実は系列店舗がたくさんあって(神戸には2店舗のみ)、神戸の2店舗は両店とも訪れたことがあるのだけれど、個人的には神戸元町のほうが好み。器についても同様である。
コース税別16000円。もちろん1回の食事としては贅沢な類に入るけれど、ワタシは美味しいものを食べることができるなら、食事1回につき2万程度ならアリと考えている。
ただし2万程度までである。北新地あたりでは1度で6万も7万もとるような店が幾つもあるが、まあ、行くことはないだろう。
ぼたんえびの紹興酒漬けなど、何度食べても美味い。
かわはぎの肝ソース和え。
穂紫蘇があると、ほんのり香ってこれがまた良い。
あるいは青魚の生姜巻き。香味野菜は多ければ多いほど美味い。
また、系列の鉄板メニューに「黒鮑の肝ソース和え」というのがある。とろりとしたソースに絡めて食べる。
そしてそのあとで赤酢のシャリを足してもらって、リゾットのようにしていただく。シャリに強めの酸味があるために、チーズのような風味を楽しむことができる。
他、たとえばこの「痛風丼」というような1品も。いくらがほとんど液体のようになるまでつぶして、混ぜて食べると非常に美味しい。
握りは、ちょくちょくタネが変わる。ただし、鮪はいつも多めに出される。赤酢のシャリに鮪が大変あうからだ。ぬくめの赤酢シャリに、柔らかい鮪。
まあ、このあたりはまたいずれ。
これはにしん。
何が食べたい、と聞かれた前回の訪店時、「北海道で食べたにしんが忘れられない」という話をした。1か月も経たないうちに、にしんが出てきた。一生懸命に骨を抜いて骨を抜いて、こんなふうに握りにして出してくれる。
蟹の蒸し寿司。
このあたりは毎週のように試作を重ねて、行くたびレベルアップしたものを食べさせてくれるので嬉しい。
まだ27歳の大将。マスクの下はいつでも笑顔、少しおっちょこちょいな一面がありながら、丁寧で爽やかな接客。とても感じがよく、心から応援したくなってしまう。
ちなみにこの鮪をたたいていく。コース最後のエンターテイメント。大きさを選ぶことができるねぎとろ巻きである。
小(とんがりコーン)
中(ふつうの握りサイズ)
大(ソフトクリーム)※追加料金あり
特大(恵方巻)※追加料金あり
もちろん…
これでシャリ1合くらいあるのだとか。
白髪ねぎ、あさつき、たくあんの3種から好きなトッピングを選ぶことができる。全種類も可。
見たらわかるように、シャリよりも具のほうが多い。
たいていの人は中か大を頼むし、女性客は小を頼んでいることも多い。
けれどやっぱりここに来たら、「特大」=通称「神戸巻き」を頼んだほうが楽しいじゃないか。
とろ部分をたたいているので、もはや赤字覚悟。
客を楽しませるためにいつだって一生懸命、来年も足繁く通うことになりそうだ。