中山11R スプリングS
◎3.ベルキャニオン
○4.アジアエクスプレス
△5.モーリス
×2.ロサギガンティア
ベルキャニオンはカミノタサハラやマウントシャスタの全弟で、ディープ産駒の教科書的な好配合だとほめてきたし素質も高く評価してきた。ベストは2000~2400mだろうが、今の中山芝は力が要るだけでなく時計や上がりもかかるので、フラワーのバウンスシャッセ、中山牝馬のフーラブライド、中山記念のジャスタウェイ、冨里のヒロノプリンスと、1800m戦でも2000m以上に実績がある馬が勝ちきるケースが目立つ。アジアエクスプレスは完成度は高いしパワーは抜群だし1800mもOKとみているが、芝中距離で天下を獲れる血統配合ではないと思うし、ここは政権交代ありとみたい。スクリーンヒーロー産駒は芝では中山と内回りでしか勝っておらず、これはグラスワンダーの父系らしいが、モーリスも今回は条件ベストとみて3番手。
阪神11R 阪神大賞典
◎1.ゴールドシップ
○6.サトノノブレス
ここは人気順にしか印の打ちようがないレースで、ゴールドシップは京都や東京の高速馬場以外は凡走なし、阪神内3000mでこのメンツなら極端に速い上がりの決着にはならないだろうし、目標もハッキリしているだけに動くタイミングにミスはないはず。サトノノブレスの日経新春は上手くいきすぎた感もあるが、ディープ産駒ながらかなりハイペリオン的な体質脚質で粘りで走る馬だから阪神内回りに替わるのはプラスに勘定できる。バンデはセントライトは距離不足でハナを切れなかったとはいえ3~4角で手が動きっぱなしで、重厚なストライドで内回り向きとは言いがたいので、この◎→○で買いたい。
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各馬の血統・配合については、「血統クリニック」再掲も読んでいただきたいです
ロサギガンティアという馬は本当にアクションに無駄がなくて、ダイナミックさのかけらもないBold Ruler忍者走法で(^ ^;)、これは母父Big Shuffle譲りというべきでしょうが(自身はBold Ruler6×6)、騎手の指示にすぐに反応し小脚がきいて自由自在に立ち回れるのがまず強み
そして中山内回りでこういう馬に乗せたらミルコの右に出る者はおらず、“Bold Ruler風味の強いエイシンフラッシュ”という感じで、音も立てずにスルスル抜け出してきました
なるほどBig Shuffleやるなあ~、ダテにドイツでリーディング張っとらんなあ…という勝ち方で、ドイツにも忍者がいたんですね~(・∀・)
今日の内容だと2000mに延びるのは全く問題ないでしょうが、ただどうですかね?どちらかといえばストレッチランナーの力馬というべきアジアエクスプレスと、大外を強引に捲り上げたクラリティシチーに対し、最高にロスなく立ち回ってこの勝ち方、正直言って昨年のロゴタイプほどのインパクトはなかったかなと
ちなみに本番は誰が乗ることになってるんだろうと調べてみたら、マイルド捲りの相談役ですか(^ ^;)
昨年の皐月はトライアルの4角で“ハッとする脚”を使った2頭、ロゴタイプとエピファネイアの叩き合いになったのはご存知のとおり
今日のクラリティシチーはホープフル同様、大外を一気に捲り上げる競馬で最後苦しくなりましたが、“ハッとする脚”を使ったのはこの馬だった…ということは頭に置いておくべきかと
キンカメ×スペシャルウィークでミスプロとナスキロとNijinskyのクロスだからストレッチランナーだろうと書いてきましたが、このアパパネ姉さんを彷彿させる俊敏捲りはTom Foolのクロス譲りでしょう
アジアエクスプレスは勝ち馬を前にみるポジションでロスなく捌いて、まあ朝日杯ぐらいは走ったという2着
パワー馬場は合うしこの感じなら2000mもこなせそうですが、今日にしても朝日杯にしても、皐月賞でまとめて差し切るほどの破壊力や説得力のある末脚だったかというと、そこはもう少し考えてみたいなと
ベルキャニオンはホープフルでも4角で少しモタついていただけに、「次はスプリング?中山1800mは忙しいんとちゃうの…」と当初は思ってました
ところが先週フーラブライドが大外捲りで持続力でねじ伏せてしまったので、あ~今の馬場ならこの手があるかと思いなおしたのですが、しかし祐一は4角で動かしていく乗り役ではなかったし馬も動きませんでした…
やっぱりこの馬は基本的には東京向きで、ムーアの鬼神の追いでもホープフルではエアアンセムを捕まえられなかったわけですから、ここで◎というのは違いましたね…失礼しましたm(_ _)m
ちなみにスプリングSは最高馬体重528キロの3頭のうちの2頭で決まりましたが、今週の中山芝、最高馬体重馬は[4.1.0.6]でした
というわけで弥生と若葉とスプリングが終わり、現時点での率直な感想は、「皐月もダービーも、何が起こっても驚けない」ですかね~
ほんとチャンスのある馬は十指に余ると思いますよ
ゴールドシップはパドックを見るとトモが少し立派になって、それがスタート直後の行きっぷりにつながっているようにも思えますが、そもそもこの馬は2歳時からトップクラスで走りつづけているのでベテランのようなイメージですがまだ5歳、ステゴ牡駒は成長力に富むので5歳ぐらいに完成し全盛期を迎えることが多いのです(リヤンドファミユもこれからですよ)
サトノノブレスは位置取りが後ろすぎたにしても直線は完全にバテてしまい、ステイヤーの土俵で1~3着馬と叩き合うとちょっとしんどかったのかな?という沈み方
バンデは4角で後続に追いつかれてしまったのが誤算だったでしょうが、この馬はセントライトでも3~4角で手が動いていたし、あそこでセーフティリードを得るには内回りより外回りがベターじゃないかとみています
ロサギガンティアはミルコが乗るとますます“Bold Ruler風味のエイシンフラッシュ”というイメージで、今日はスローもよかったかな?
ベルキャニオンは内回りの4角で加速できないのはホープフルと同じで、祐一はコーナーで動かさないし1800mも少し忙しいので、今回はクラリティシチーにも先着を許してしまいました…
そして一番“ハッとする脚”を使ったのはそのクラリティシチーでしたが、回顧は後ほど
あ、そういえばどっちも人気馬ですが、ここも最高馬体重2頭のワンツーでした(・∀・)
ベルキャニオン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103836/
ボレアス、マウントシャスタ、カミノタサハラの全弟で、母母クロカミはオータムハンデと府中牝馬S勝ち。母クロウキャニオンはフレンチデピュティとCaerleonを通じるNorthern Dancerとナスキロラトロのクロスで、そこにもう一本Never BendからLa Troienneの血が入り、他にもGood Example≒Eight Thirty≒Speed Boatのクロスなどもあって、発現のしようによってはボレアスのようなダート巧者が出るほどのパワー寄り体質がディープインパクトと合うし、おまけにVaguely Nobleを引くのでBurghclere≒Aureoleのニアリークロスにもなるから、ディープとの配合ではまず外さない繁殖といえる。(ここまで共同通信杯の再録)
「器や将来性はこれだと思うが、大器が覚醒するにはもう1F欲しい」と共同通信は▲だったが、覚醒一歩手前まできたかぐらいのレースはみせてくれた。ちょっと肩が立っているので(ラトロ肩)ストライドが伸びきらないが、伸びのある体型なのでそれはそれでいいのだと思う。同じようにスペシャルウィークとCaerleonからNijinsky的に伸びのある体型を受け継いだブエナビスタがラトロ肩で前が出ないからこそ加速がスムーズだったように、この体型で柔らかく大きく全身運動していてはルーラーシップのようなややこしいことになってしまうだろう…ということを、柔らかく全身を使ってストライドを伸ばすイスラボニータとの叩き合いを見ながら思っていた。東京向きなのはたしかだが、今の中山ならばフーラブライド(この馬もNijinsky的な面がある)のように外に持ちだして持続力にまかせてロンスパという手がある。ここで◎にしていいのかどうかまだ迷いはあるが、上昇度や将来性や器の大きさをとってひとまず最上位の扱い。
アジアエクスプレス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011110091/
3代母Deputy's Mistressの産駒にコーンハスカーH(米G2・ダ9F)のShadowbdancingが出る程度で近親に特に大物はいないが、牝祖Change Waterの娘にはスーパー名繁殖Fall Aspen、PortageからはCozzeneやブルーメンブラットなどが出るファミリー。母父Running StagはCozzene産駒でゴントーロビン賞(仏G3・芝2000m)とブルックリンH(米G2・ダ9F)に勝つなど多芸なところをみせた中距離馬(だから母Running BobcatsはCozzeneとChange Waterを通じてPortage6×5をもつ)。父ヘニーヒューズはStorm Cat×Meadowlakeのイメージどおりのスピードとパワーを誇りヴォスバーグS(米G1・ダ6F)やキングズビショップ(米G1・ダ7F)に勝った。日本では本馬やヘニーハウンドやケイアイレオーネなどの父として知られるが、自身のような短距離型も出す一方で、父も母も自身も強いクロスをもたないので、わりと相手牝馬の持ち味を活かすタイプでもあるだろう。本馬の場合は母Running Bobcatsも強いクロスを持たずイマイチ焦点が定まらない配合形というべきだが、Northern Dancer5×6、Secretariat≒Sir Gaylord5×6、Tom Fool≒First Rose5・6×6、Eight Thirty≒War Relic≒Good Example5・6・7×7・8・8と主にStorm Cat血脈を増幅している。
Storm Cat系らしい肉付きをしているが、父よりは胴も脚も長く1800m寄りのマイラーというイメージ。体質はナスキロ柔さもあるがEight Thirty≒War Relic≒Good Exampleが強いのでパワー十分。朝日杯は内に潜り込んで3~4角で2着馬の動きに呼応して斜めに外に持ちだして差し切るという、中山で20年乗ってる騎手のような教科書どおりの差し切りだった。東京ダで連勝したようにわりとストライドで走るタイプなので、あそこで外に出せたのは大きかったしさすがはムーアだった。完成度が高いし1800mはOKだしパワー馬場への適性も高いとなると死角らしい死角が見つからないが、前述したようにわりとストライドで走るタイプなので朝日杯のようにスムーズに外に持ちだせるかどうか、内々を捌くような形だと脚を余してしまうケースは考えられる。
モーリス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011100655/
母母メジロモントレーはAJCCなど重賞4勝で、牝祖メジロボサツからはメジロドーベルなどが出るメジロの名牝系のひとつ。体型はJC馬スクリーンヒーローにも凱旋門賞馬カーネギーにもそしてメジロモントレーにも似ておらず、むしろ父の母系、モデルスポート→ダイナアクトレス→ランニングヒロイン(桜花賞3着プライムステージの全妹)のマイラーっぽさのイメージが強い。だからタニノギムレット×プライムステージのアブソリュートなんかとも近いイメージで、Roberto×サドラーの組み合わせだからパワー体質ではあるのだが、父譲りのTom Fool的な無駄のない脚捌きで走るので、京都の高速馬場にも対応できる長めマイラーという評価。(ここまでシンザン記念と同文)
シンザン記念はマイルが長いというよりは、京都外回り適性があまりないので伸びあぐんだ…という負け方だったように思う。ここまで内回りでは2戦2勝で東京と外回りでは着外。とはいってもスローの京王杯は直線大外から伸びていたから、パワー加速で差せるレースでは強いが長い直線を惰性で伸びつづけなければならないレースではあまり強くないという、父よりもグラスワンダーに近いキャラなのだろう。Roberto系×Sadler's Wells系だから中山内回りのパワー馬場は合っているし距離1800mもOKとみているので、ここは前走比で上げの評価でいきたい。ちなみにスクリーンヒーロー産駒の全芝7勝の内訳は中山3、京都内3、阪神内1、東京と外回りではまだ未勝利。
ロサギガンティア
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104295/
母ターフローズはリディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)に勝ちミュゲ賞(仏G2・芝1600m)とボモーヌ賞(仏G2・芝2500m)で2着。3代母Theklaの産駒にバイエルンツフトレネン(独G1・芝2000m)のTurfkonigがいる。母父Big Shuffleはコーク&オラリーS(英G3・芝6F)の勝ち馬でドイツで6回リーディングサイアーとなったが、Bold Rulerの傍系に「HyperionとFair Trial」を重ねた配合で、こういう「地味だが悪いものはあまり伝えない」種牡馬が重宝され成功するのはドイツ馬産ならではだろう。ターフローズも活躍馬が出てきた牝系にシャーディー、Big Shuffleとちょっと地味なマイラー種牡馬がかけられてきて5代アウト、そこにやはり5代アウトのフジキセキが配されてロサギガンティア自身も5代アウトで、Hail to ReasonとBold Rulerの薄いクロスでまとめている。パッと見インパクトに欠ける配合ではあるのだが、HaloにWild RiskにIn RealityにBold RulerにハイインローにNorthern DancerにRibotと重要な血はひと通り揃っていて、いずれも幹ではないが悪いものも伝えない渋いラインを通じているというのがやっぱりドイツ的で、そういう配合からエイシンフラッシュみたいな馬も出てくるから面白い。
前走は好位で手応え十分も直線はなかなか前が開かなかったが、開いてからの反応が良かったし抜け出してからも実直に伸びていた。惜敗したベゴニアもそうだが前がカベになったところで速やかに減速できて、開いたところで速やかに加速できるのはフォームに全く無駄がないからで、あのフォームはいかにもBold Ruler的だ。この馬をみていると、ああなるほどBig Shuffleって地味だけど、ドイツでリーディング張るぐらいでやっぱり良い種牡馬なんだろうなあ…と思わされる。Bold Ruler的機動力とハイインロー的粘りを兼備した実に手堅い中距離馬で、内1800mで自在に立ち回れるタイプだが、馬体重ほどパワー型ではなさそうで今のエアレーション馬場がどうかだろう。それともしかすると、エイシンフラッシュのようなスロー向きの差しかもしれない。
クラリティシチー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011106372/
母母タイキダイヤはタイキフォーチュン、タイキリオンを兄弟に持ち、自身も重賞2着2回がある活躍馬で、父オジジアンの母Gonfalonと母父Miswakiの母Hopespringseternalを通じるRoyal Charger≒NasrullahとBlue Eyed Momo≒BusandaとPrincequilloのクロス。そこにスペシャルウィークが配された母タイキクラリティはマルゼンスキーとMiswakiを通じるBuckpasser5×5だから、繁殖牝馬としては期待できる配合をしている。そのタイキクラリティにキングカメハメハが配されて生まれたクラリティシチーは、Mr.Prospector3×5にラストタイクーンとマルゼンスキーを通じるNorthern DancerとBuckpasserとMilan Mill≒Quillのクロス。ガリバルディを降して新馬を勝ったときから配合はほめてきた。
強敵相手に好走をつづけてきたが、セントポーリアは追えたのがゴール前200mだけで完全に脚を余してしまった。脚長でナスキロ柔さもある体質なので外2000mがベストだろうと書いてきたが、東スポ杯の直線の反応やホープフルでの大外捲りの反応をみると、中山内1800mはベストではないが東スポやホープフルぐらい走れれば馬券圏内も…という見立てもできるか。Tom Fool的な機動力は兼備している馬にみえる。
ミッキーデータ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103974/
アーカイブやトーセンジャステスの全弟で、母データはエリセオラミレス大賞典(亜G1・芝1400m)とホルヘアチュチャ大賞典(亜G1・ダ1500m)で2着した活躍馬。母父Royは南米のリーディングサイアーでNasrullah5×3にMiss Dogwood≒Gallawood≒Meadow Flower(Bull DogとBlue LarkspurとFrizeur)5×4・5にBimelech6×5、母母父MariacheはAll Moonshine≒Hyperion4×3、ディープに頑強な血を補った配合で馬格にも恵まれ、新馬戦の勝ちっぷりも良かったのでセントポーリアは◎にしてみたのだが、超スローを好位追走も行きっぷりはイマイチで、いざ追い出されても反応せずに流れ込んだだけに終わった。あんな馬ではないと思うし母や兄の戦績からも中山内1800mでの巻き返しは多分に含んでおきたいが、重い印までは回らない。
ナスノアオバ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011109238/
ニュージーランドからの輸入繁殖牝馬ロゼッタの持ち込みナスノホシは、Riot≒Fair Trial3×3、Myrobella≒Cinderella3×4と鋭い3/4同血クロスを持ち、桜花賞馬ナスノカオリとオークス馬ナスノチグサの母となった。ナスノホシにTourbillon4×4のパーソロンが配されたのがナスノカオリで、そこにHyperion4×4とBeau Pere4×4をもつラディガが配されたのがナスノアロマ、そこにタイトスポットが配されたナスノフローラはHis Majesty=Graustark2×3となり、そこにホワイトマズルが配されたナスノフィオナはLyphard3×4となった。そのナスノフィオナにネオユニヴァースが配されて生まれたのが本馬で、代々強いクロスを重ねてきたところへ5代アウトのネオユニヴァースをもってきた緊張→緩和のリズムがよく、ポインテッドバスが持つスタミナの血とナスノフィオナに代々重ねられてきたスタミナの血もよく脈絡しているし、母母にHis Majesty=Graustarkの強いクロスがあるのはデスペラード的でもある。
「サンデー×Lyphard×ハイインロー」のLyphardとハイインロー多めという配合だから前受けでしぶといタイプには違いなく、デスペラードが本格化とともに前で受ける脚質にシフトしていったことも含め、前走の逃げは大野のファインプレーと言っていいだろう。ネオユニ産駒らしい曲飛だから中山も向いていたし、スタミナとパワーが活きる馬場も大きなプラスだった。ただ1800mではあんなに楽に先行できないだろうし、このメンバーを相手にしてたとえば中団から捲りきるような速い脚はないだろうとも思う。
マイネルアウラート
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105236/
デビュー当初は揉まれ弱さがあって凡走が続いていたが、馬群の中で我慢できるようになって成績安定、前々走は最内に潜り込んでスルスル伸びてロサギガンティアの3着、前走は番手抜け出しで楽勝だった。ステイゴールド×トウカイテイオーというのはPrincely Gift的フレンチ的に柔らかくなりすぎそうな組み合わせだが、母母父ティンバーカントリーと自身がもつノーザンテースト4×4の頑強さでバランスがとれているといえる。距離は1800mがベストっぽいし中山もパワー馬場もOKだろうが、前走が最高に立ち回っての辛勝だっただけに、ここでロサギガンティアに雪辱できる絵は描きにくい。
ウインマーレライ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105195/
マツリダゴッホ×Fusaichi PegasusでHalo3×5、母がDanzig経由のFair Trialクロスだから小回り1800mの機動力型だとデビュー当時から書いてきたし、だからアスター賞では適性だけで◎にしたがそれ以降は高くは評価してこなかった。中山内1800mはベストコースだと思うが、マツリダゴッホ産駒は3歳を迎えてグンと成長したという馬があまり見当たらないし、Fusaichi Pegasusも奥行きのある血と言いがたいので、あまり巻き返しは期待できないように思う。
サクラエール
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102166/
サクラスピードオーやマイネルマクロスの甥でサクラアドニスのイトコ。母母サクラハッスルはクイーンS2着。母サクラロマンスも手堅いマイラーだった。そこにGone WestにNasrullahを詰め込んでスピードは伝えるが大物を出さないケイムホームが配されて、やはり大物感はないが手堅いマイラーが出たというべきだろう。
Tom Foolクロスらしい無駄のないフォームで走るマイラーで、こぶし賞はジワッと番手につけると4角でも持ったまま、その手応えどおりに楽々と抜け出してデビュー2連勝を飾った。内回りで機動力が最大限に活きた勝利だったといえるが、あの機動力は中山内回り向きでもあるだろう。しかしこの相手で1800mでもうひと踏ん張りきくかとなると、ちょっと地力が足りないのではないか。
クインズハリジャン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102735/
モズの全弟で、伯母にゴールドティアラ、叔父にQエリザベス二世S(英G1・芝8F)のPoet's Voiceがいる。3代母Exclusive DancerからはGeneral Assemblyなどが、その母ExclusiveからはExclusive Nativeなどが出ている名牝系。母ベストブートはNorthern Dancer4×4、Secretariat4×4、Native Dancer5・6×4・6、そしてアユサンの母(Storm Cat×Affirmed)と同じEight Thirty≒Good Example6×5で、父がStorm CatそのものではなくStorm Bootのぶん大物感はないが、Storm Cat系の繁殖としては好配合でStorm Cat的なスピードを確実に伝える繁殖と言っていい。そしてそこにスペシャルウィークが配されるとマルゼンスキーとStorm Catを通じるNijinsky≒Storm BirdとPrincequilloとTom Fool≒First Roseのクロスになるから、やはりStorm Cat的なスピードがONになる可能性は高いといえる。
ただし全体としては「サンデー×ミスプロ」や母のSecretariat4×4の柔らかさを支えるパワーの血にやや乏しいというべきで、Chief's Crownもチーフベアハートにみられるようにナスキロ的な柔緩慢さを伝える血だから、ちょっと柔らかさ緩慢さが勝った体質で俊敏さや頑強さに物足りなさが残る。京王杯ではスローの前残りの3番手という絶好ポジションで、直線のヨーイドンではいったん2馬身ぐらい突き放されてしまったが、残り100mからジワジワ巻き返してゴールインしたときは半馬身差。柔らかく全身を使えるが動きがあまり速くないので、トップギアに入るまでに時間がかかるしだから直線は長いほうがいい。距離は1600mベストだと思うが、同じ1400mでも東京に替わってパフォーマンスが上がっての前走好走とみるならば、中山内回りだとそこから少し割り引きが必要では。
ダノンアンビシャス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104508/
リフトザウイングスの3/4弟で、レインダンスの甥でレインスティックのイトコ。母レンドフェリーチェは紫苑Sに勝った。このレンの牝系はRoberto系Bob Backを引くのでわりと機動力はあるほうだが、本馬の場合はディープ×CozzeneでSir Gaylord6×5、そこにTopsiderの母からもナスキロ血脈が重ねられて体質は柔らかい。中山内回りの寒竹賞では4角での反応があまり良くなかったし、東京のゆりかもめでは外を回らされたこともあって思ったほど斬れず。今のところは機動力なのか斬れなのか、ちょっとどっちつかずな脚質に甘んじているようにみえる。
リーゼントロック
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102464/
母父がA.P.Indyなのでダイワメジャー産駒にしては胴伸びがあり脚も長いが、動きが緩慢で少し手先が重いのはRainbow Questの重厚さも表現されているからか。東京ダ1600mでもスピード不足というところをみせていたので、芝替わりがプラスとは言えないように思う。
中山6は大外なのでちょっと迷いますが、やっぱりこの兄弟はシンコウラブリイ牝系の前向きさ俊敏さ機動力で走るのだ、ということでコディーノの全弟トレクァルティスタに◎
○キーンソードはリンカーン産駒で中山マイルではマイネルアウラートあたりと五分の力はあるので、これをヒモ穴にくっつけて2,3,10,14へ(最高馬体重は△レガリアかな)
鎌ケ谷は逃げ先行がけっこういるので▲サトノジュピターが間に合いそうですが、母のナスキロ的斬れで差す馬でどちらかといえば外回り向き、そしてこういう柔らかく斬れる馬は今の馬場ではどうも信用ならんということで、もっとパワーや持続力で差す馬はおらんかということで、◎エインセル○シュピッツェとしました~
エインセルはシャンクシー牝系なのに差しに回ってるのが気に入らないですが、サムソン×サンデー×Nureyevの黄金配合で、今の中山向きのパワーと機動力はある血統
前走は直線ずっと前カベで外に持ち出すのに四苦八苦しているうちにレースが終わってしまいましたが、ウチパクリターンでミルコへの乗り替わり、これは捲り差せるのではないかと
シュピッツェは重厚な欧血のアウトブリードで地味に地力強化を感じさせる前走の勝ちっぷり、速い脚はないですがなかなかパワーはあるので今の中山ならば面白い
フラワーのバウンスシャッセ、中山牝馬のフーラブライド、中山記念のジャスタウェイ、冨里のヒロノプリンスと、今開催の芝1800m戦は2000m以上に実績がある馬が勝ちきるケースが目立ちます
タフな馬場で2000m寄りのレースになっているということなんでしょうが、この◎○はともに2000mで500万下を勝ち上がり
韓国馬事会は◎インプロヴァイズ
ノエル賞でも◎にしましたがパワーと粘りのマイラーで今の中山マイルはピッタリ、戸崎も久々のコンビ復活で、ムーアみたいに好位で立ち回らせてくるのではないかと
○サトノネプチューンはボリクリ(Roberto)×ミスプロ×バレークィーン(Sadler's Wells)なのでヴィクトリーのような中山マスターに出たのは順当、▲ターフェルは現級で[0.0.2.6]ですが上がり12秒戦では[0.0.2.1]で+18キロの浜松以外は圏内に追い込んでおり、今の馬場で絶好の狙い目といえるのですがここは前がちょっと薄いのが…
☆オメガホームランは母父Highest Honorでダイワメジャーにしては柔らか体質なので、今の中山ではちょっと下げてみます
おそらく最高馬体重の△カフェリュウジンにももちろん印を(^ ^;)
阪神6は◎ルミナスパレード
母はノーザンリバーの全姉で、自身は父シンボリクリスエスですからランフォルセと3/4同血、母がHalo3×4で自身はRobertoとMr.ProspectorとNureyevを通じるBramalea≒Gold DiggerとNashua≒Nantallahのクロス、ダート向きというよりもパワーと機動力に長けた配合というべきで(ようするにサトノネプチューンと同じ理屈ですね)、岩田で阪神内1400mならばイン捲り差しでいけそう
但馬は▲リヤンドファミユはパンとするまでは永遠の▲ということでおいといて(^ ^;)、「1京Aで外を回らされた馬の巻き返し」でいくと寿の○リメインサイレントと☆フロアクラフトで、しかもどちらもひと脚使って崩れてないのは立派(あのレースで外を回った馬はマーティンボロですら3着がやっとでした)
そもそもリメインはマズル×サンデーですから前受けしてナンボで前走は後手を踏んだのも痛恨で、ここは和田なら正攻法で押しきらんとするでしょう
ただ馬券的には、これだけ人気がないのならば◎アドマイヤケルソから入ってみたいです
アドマイヤデウスの全兄でアドマイヤドバイの半兄、芝で変わっても不思議ないバックボーンはありましたが、馬のタイプもデウスによく似ていてHyperion的粘着力を感じさせる体質走り
つまりデウス同様、京都外のヨーイドンよりは阪神内の持続戦のほうが絶対に合っているはず
ここは先行馬が何頭かいるし和田リメインがそれを潰してしまう可能性も少なくなく、ま~小牧さんだから中団あたりで呑気に構えるんでしょうが(^ ^;)そこからでも捲り差せる絵は描けます
☆ジャイアントリープは前走も前々走も◎でしたがそれは「母父エルコン牡ステイヤー説」に拠ったもので、距離短縮のここはチョイ下げで
「No.1予想」ではスプリングS、「馬券総合倶楽部」ではスプリングSと阪神大賞典を予想していますので、そちらもよろしくお願いします