第1節 平成17年度以降に係る防衛計画の大綱における防衛力
第1項 陸上自衛隊 5
特殊作戦群 2
米ソ冷戦時代にもテロ・ゲリラ・コマンド・特殊部隊の危機は存在していたのだが、
には治安の要素があるため
陸上自衛隊が任務とすることに警察庁の反対があった。
陸上自衛隊が特殊部隊を創設しテロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処を実施すると、
左派マス・メディア、左派市民運動家、左派政治家が
「国民に銃を向けるのか」、「戦争の準備をしている」、「市民が巻き込まれる」
という反対の声を上げる可能鵜性が高かった。
陸上自衛隊が
テロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処を本格化させること、
特殊部隊を創設すること
は躊躇われてきた。
しかし、ソ連が崩壊し、機甲部隊の衝突の可能性が低くなったため、
相対的にテロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処の比重は高まった。
また、1992年からはじまった北朝鮮による大量破壊兵器保有に対する国際的な制裁問題で、
北朝鮮の暴発・崩壊の可能性が高まり、
世界有数の特殊部隊・コマンド部隊、ゲリラ部隊・テロ部隊を有する
北朝鮮の脅威
が切迫したものとなった。
以前からソ連の日本進攻時に真っ先に投入される
ソ連軍参謀総局特殊任務部隊(スペツナズ)を考慮はしていたが、
こうした経緯で防衛庁、陸上自衛隊のなかでもゲリラ・コマンド対処の重要性が再認識された。
陸上自衛隊は第1空挺団にゲリラ・コマンド研究班を設立、
合衆国陸軍特殊作戦コマンド、合衆国陸軍特殊部隊コマンド、
合衆国陸軍特殊部隊群(グリーン・ベレー)、
第1特殊部隊作戦分権隊D(デルタ・フォース)、
ジョン・F・ケネディ特殊戦センター・アンド・スクール
に要員を派遣し、
部隊運用、作戦、訓練のノウハウを学んだ。
長期間の準備を経て遂に2004年3月、陸上自衛隊特殊作戦群が正式に発足した。