きーたはうす

ウチノコわんにゃん日記です。
懲りない私のレッスン日記&つれづれも兼ねております。
ご容赦を。。

文士のきものを読んで

2009-03-03 | きもの本
本来なら手に取ることのない作品や作家がプロの目を通して紹介されていて、「お~っ、こんな世界があったのだ~」と時間旅行をした気分になれます。

樋口一葉は「たけくらべ」をはるか昔に読んだことがありますが、作品のイメージは地味で著者が貧しくて早死にしたというマイナスの感想しかありませんでした。
かつては裕福な家の生まれだったそうで、その名残もありとてもプライドの高い人だったのかもしれません。
着物の切り口で樋口一葉の作品を読んでみようと思いました。

当時の着物は古着とはいえたいへん高価であったとも書かれていました。実際一葉は着物を売って荒物屋を開店したそうだし。
ワタクシも言ってみれば古着好きだけれど、買った値段を思うと着物に申し訳ない気になりました。着物が好きな一葉が現在の状況をを見たらびっくりすること間違いなしです。
Myモスリン長襦袢は穴ぼこも開いていてかなりの年代物なのですが、落札着物の袖丈にはぴったりなので捨てずにできる限り愛用したいと決意したのでした。こうなると夏用の幽霊長襦袢にも愛情が湧いてきたなあ。

他には細雪のモデルとなった実在の姉妹の写真があったり、永井荷風の結婚写真があったりと、チョイスされた写真がこの著者ならではでとてもおもしろく、着物好きには興味のある内容となっています。名前を聞いたこともない作家がリストアップされてたので、時間をかけてもぜひその作品も読んでみたいです。ただ、金色夜叉の文体に耐えられるかは難しいところです。

やはり、着物はステイタスをあらわすことは間違いのないところと確信しました。価値観が多様化した現代でも、作家にはそういう傾向がありますものね。

着物に興味を持ったおかげで、こんなに世界が広がるのかと思うと楽しくなります。新聞の書評に感謝です。書評を頼って読んでみるものですね。

ひとつ疑問があったのですが、明治のころは着物に前掛けをしていたのが普通だったそうで、どんな格好だったのでしょうか。それはきれいな前掛けをしていたそうなのですが、その写真が見てみたいものです。残っていないかなあ。



内容と関係ありませんが、道中着を着ました