ミケ猫の菌星探査機(きのこ日誌)

全力で飛んでく・きのこブログ

奈良のおみやげでチョコのほらあれ(糞生菌)

2021-02-11 12:10:30 | 日記

さて、と。

 

そういえばインパクトを狙ったおみやげ用のお菓子に、動物の○○○シリーズがありますね

犬山のモンキーセンターだとゴリラの鼻くそ(チョコ)だったり

奈良に修学旅行に行った近所の子供が持ってきてくれるのは決まって鹿のフン(チョコ)だったり

 

 

これはおみやげではなく、山で拾ってきたシカフンを家に持ち帰り追培養したもの

表面に粒つぶが出来はじめています

これがキノコなんです、え、カビじゃないの?と思われるでしょうがキノコなんです

まだ未熟なんですけどスイライカビの仲間だと思います

名前を聞いてほらカビやん!って思うでしょうけど、これはれっきとしたキノコなんです

今の段階では同じ種類の菌でも胞子体が

カビの様態にもキノコの様態にもなる可能性があるってことだけお伝えしておきます

 

 

これはさっきの白い粒の仲間の写真ですね、白いボタンのようなキノコ(800μmくらい)

これを横から見ると、

 

 

表面から少し黒い粒つぶが飛び出しているように見えます

Ascobolus属(さっきからスイライカビの仲間と呼んでいる)はこのように

子嚢(胞子の入っている袋)がキノコから飛び出してきます

もっと飛び出る種もあるのですが、この種は成熟しても少ししか飛び出てきませんでした

飛びだしているやつをみると

 

 

透明の縦長の袋ごと胞子が飛び出しています

で、きれいんですよ、この子。なにが?とお思いでしょうが。。。

 

 

胞子が紫色なんです

周りが透明なのもあって美しい。。。とてもウンコから生えている菌だと思えない

 

これから上のキノコはもっといろいろ生えてくるはずですわ

ぼちぼち様子をみて写真を出していきますね

 

ではでは。

 

 

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動物のフンから生えるキノコに凝り始めました

2021-02-11 11:25:49 | 日記



うわー長いこと放置してたんやなあ!

ちょっとここの記事を整理せなあかんなあ

染色の記事はどこか別のサイトに移動させて、ここはキノコだけのサイトにしたいな

あれからもずっとキノコやってますよ

最近糞生菌に凝ってまして。ツイッターやってるキノコ関係の人はああ、あいつかとわかったはず

まああんな大勢の目に触れるところでよく動物のウンコの写真を出してるよね、自分

糞生菌を学問として扱わないような人は強制退出してもらっているので

今のところ平和に暮らせています

植物と菌と動物、言葉で書くとたった3者のような感じがしますが

多分この中で圧倒的に菌類が多くの種類関わっていて、重要な役割を果たしていると思う

で、顕微鏡観察をして、そのときの写真が溜まってきているのでここに出していこうと思う

動物のフンから生えるキノコですわ、どれも1mmもない小さなものがほとんど

山から動物のフンをとってきて、しばらくうちで培養すると新たにたくさん出てくるんです

なので野外よりたくさんの菌が見れます

ただ今必死で観察をしているだけなので、名前がつけられていません

しらべて名前が付けられ次第、さかのぼって名前をつけていくつもりです

にしても、日本の糞性菌の資料がむちゃくちゃ少ない

オーストラリアの糞性菌図鑑を買ってきたので、属ぐらいは落とせたらいいな

なので名前を知ろうと見ても役立ちませんよー

でも神様はこんな生き物を創成してたんだと驚くことばかりです

非日常の形をした生物が蔓延っています

○ヴァン○リオンに出てくる使徒みたいな…いやいやその上をいくかないかないかな

ではぼちぼち写真を出していきますね(´ω`)

いちおう言っておきます、動物のウンコから生える菌ですよ!!





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背中合わせ

2020-01-27 19:06:31 | 日記
ばりばりばり・・・子供の頃好きじゃなかったですか、カサブタ剥がし

私は好きでしたね、時期尚早だと血が出てきてしまって、またカサブタができる

それをまた爪でばりばり・・・

ここキノコぶろぐでしたね、今日クロサイワイタケ科ぽい黒くて平たいキノコを眺めていてふと思ったんです





地味ですねーいったいこの写真のどこにキノコがあるねん、と思うのもしょうがない

ほら写ってますやん、黒いやつ

木の皮が割れてオープーン!になったところを覗くと中が真っ黒なんすけど薄くて平たいキノコが張り付いてるんです



Diatrypella quercina


こんなキノコを追いかけているマニアは非常に少ないかもしれないけれど

意外と山のあちこちにあって、冬のきのこの少ない季節にはこれがよく目につくんです

今日も山でぼーっと眺めてたんですけどね

ちょうど黒いキノコが熟して胞子を飛ばすようになると木の皮が割れて御開帳~になって

皮の下からこの黒いキノコが顔を出しているのを見たんです




盛り上がった粒つぶの中身は空洞になってまして、キノコが生きているときはゼラチン質のもので満たされています



不思議じゃないですか、この木はとっくに枯れて朽ち始めているんですよ?

だから木自身が樹皮をコントロールしているわけじゃない

下からキノコが皮を押し上げて、皮が割れて下から顔を出すならわかるんです

でもこの子厚さ1~2mmしかないんです、

上に広がる木の皮を押し上げたところですこしヒビをいれるのが関の山だと思うんです




空洞の中に胞子の詰まった鞘(子嚢という)が下から生えているんですわ


どうして木の皮が浮き上がって扉のようにキノコの上だけ開いていくんだろう

木の皮にも菌糸がまわってて菌糸がコントロールしてる?いや皮は別に菌糸に犯されていない

じゃキノコの周りの皮も剥いてみよう(ここでカサブタのことを思いだしたんですね)







ばりばりばり・・・周りの木の皮は浮き上がっていて、その皮の下にはまだ子嚢は出来てはいなかったけれど

黒い子座(これから子嚢ができるぞという場所)が薄く広がっていた

この皮の下でいつか胞子を飛ばしてやるんだーと待っているんだな、と思いさらにべりべり





剥がす時に引っかかりがあってそこを見ると、白い根っこのようなものが

これは菌糸束といって細い菌糸が集まって束になって糸のようになったもの

ほかのキノコが栄養を求めて菌糸を伸ばしてきてるんだな・・・あ、右の方はもっと硬い

右側の皮を剥いで行くとびたっとくっついている感がある





この菌糸束が木の皮としたの木部の部分をしっかり糊のようにくっつけていた

だから剥がすのが硬かったんだ、なるほどね

逆にほかの部分はすいすい剥がすことができた、その皮の下に大きく子座が広がっていることが多かった

しかしやはり、ところどころ剥がすのが硬い部分があった

そこを無理に剥がすとやっぱり白い菌糸束に満たされていて、その上に広がっている皮をがっちりくっつけてている

・・・眺めていて、ちょっと違和感を感じた

この木に残っている皮が中の木部から剥がれずくっついているのは、基本この白い菌糸束のせいなんじゃないかな?

逆に黒いキノコはどんどん皮の下に子座を広げて皮を木部からは剥がす面積を広げていって

胞子を外に飛ばしたいから皮の割れ目を地味ーに広げていって

外の景色を拝むことができた部分から子嚢を作って胞子をとばそうとしているんじゃないかな

で、この白い菌糸束が広がることができない天敵?の黒いキノコが広がっているところは

樹皮をくっつけることができないから剥がしやすい

白い菌糸束をつくるキノコちゃんは白色腐朽菌のようだ、菌糸の周りの木部が白っぽくなっている

(白色腐朽菌・いろいろあってリグニンとかいう最強成分を分解できる強い子ちゃん)






この白色腐朽菌は木が枯れたあとラストまで木を分解できるやつで、

逆に黒いキノコくんは糖質を主に分解するやつでリグニンなんてかったいもの全然分解する力を持っていない

なので、多くは木が生きているうちにそそそ…とやってきて

木が枯れたと同時に一番乗りで木の維管束などに残った木が作った糖分を栄養にして菌糸を広げさっさと胞子を作る

維管束は皮の下の表面に近いところにあるから黒いキノコくんはそのへんにいるしかない

でも白いキノコちゃんは木のすみずみまで利用できる

そう思うと木の皮が残っている方が木の内側の水分を保つことができて白いキノコちゃんが木を分解するのに有利だ

だから菌糸束を作って木の皮が剥がれないように固定をしているんだろう

黒いキノコくんは胞子を飛ばすために木の皮が邪魔、そして白いキノコちゃんは木の皮が必要なのだ

そんなふたりが同じ木に共存している


これはまるで、暑がりのカレシと寒がりのカノジョが同じ布団で寝ているようなものだ

暑いと言ってカレシが布団を蹴飛ばす、寒いと言ってカノジョが布団にくるまる

なんならカレシが布団になってあげたらいいのにねー(棒


なんやったっけ、なんで黒いキノコの上だけ木の皮が御開帳するのか、だっけ

本当は木を身ぐるみ剥ぎたいけど白いキノコちゃんががっつり皮を掴んで離さない

それでも頑張って子座を広げて作った割れ目の下で胞子を作ってタイミングよく胞子を飛ばしてる・・・

のではないか、というのが私の今回の推測ですわ


あーしかしびっくりするほど地味な写真ばっかりやなあ

きれいなオネエチャンの写真のひとつも貼っておきたいがあいにくいいものがない







それではまたいつか





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勇者の味

2019-10-18 18:41:30 | 日記

(続きを書くにゃー)









東近江の集落の裏でこれを見たとき、これがネズミノアシじゃないかとは思わなかった

でも初めて見たキノコ、フサヒメホウキタケくらいには硬いのかと思ったら全然固くない

ポキポキすぐ折れる、はじから房がぼろぼろ外れる

一目見ただけでこの独特の雰囲気に飲まれて勝手に「毒やなー」と思った



ホウキタケの仲間はホウキタケRamaria botrytis以外は可食と断定されているものはほとんどない

図鑑には、ほかのホウキタケの仲間は毒か食毒不明と書かれている

ハナホウキタケについては図鑑には毒と書いてあるけど

割と有名なワイルドな野食家が一回に6本食べてもケロっとしてる

この子はこの和名が付けられたアメリカのRamaria formosaが日本に生えている設定だが

たぶん別種だろうとのこと(真偽不明)

アメリカでも先っぽをちょんちょんとって食べたらなんともないとか、そのまま食べてもなんともないとか

そもそもアメリカですらRamaria formosaから毒成分は検出されていない

(特定されていないだけかもしれないが)

ハナホウキタケ6本食べてなんともないけど毒きのこなんやね、まあええわ(^_^;)

キホウキタケについてはロシアでは食べられているようだが、食べ過ぎるとお腹を壊すとのこと

(ナラタケやナラタケモドキもそう言われてるなあ、みんなキノコに関わらず食べすぎには気を付けようね(^_-)-☆)




ヒカゲシビレタケ 雨上がりの芝生からひょこ♪ この子は小さくてもびりびり痺れるぜい(ほんまかいなw


ヤブレツチグリ ツチグリとツチガキってどう違うの?という質問をよく受ける。実際ツチグリ、~ツチグリ、~ツチガキのように和名が分かれているが、これは分類を全く反映していない。形でなんとなく・・・キノコ界隈でよくある話。で実際分類がどうかというと、この中でツチグリというキノコだけが他のキノコと全く違う他人の空似野郎だったのだ。またどこかで書こう(´ω`)。



(まだまだ続く)
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げんこつ山のキノコさん

2019-10-18 00:56:53 | 日記






秋も深まってまいりました、皆様お元気でいらっしゃいましたでしょうか

一年前、博物館で展示やってたんやなあ・・・

この1年もいろいろありすぎて、ここに来てやっと思い出した



さて、と。

最近、東近江市の博物館に関わった関係でその地域のキノコ利用の歴史を調べることに手を染めている

バイタケの時と同じ、このことについては文献で調べても地図に「松茸山」と書いてある以外に

これといった情報がない。だからといって利用がなかったわけでもない

地域の方にぼちぼちどうですかーと聞いていたら

バイタケの時以上にいろいろ出てくるではないですか!



今では野生のキノコ利用は皆無と言っていい地域だ

これといった名のあるキノコはほとんど生えない、土壌・気候ともにキノコの生育には向かない場所で

キノコの観察会の講師をする身分としてはなかなか辛い場所だ(ないしょ)




アオバハゴロモたん 最初キノコかと思って近づいたら飛んでいった



地元の方から、昔利用していたキノコの名前をお伺いした。

バイタケの時につくづく思ったのだが、ひとつひとつ丁寧に調べていかないと

本当はなんのキノコを指しているのかはっきりしない

今回は滋賀県の東近江周辺を中心に調べているので

ほかの地域では同じ地方名がここで利用されているキノコと当てはまらないと思って欲しい



『ネズミノアシ』

85歳のおばあちゃんの口からそんなきのこの名前が飛び出してきた

キノコ、ネズミノアシで検索したらすぐ「ホウキタケ」が出てくると思う

やったー!そんな高級なキノコが昔、東近江に生えていてみなさん食べてたんだー!

ホウキタケって今では富士山山麓とか2000m近い高原のシラビソなんかの林に生える幻のキノコやん

スクープ!衝撃の事実!低い山しかない東近江の集落の裏山にあのホウキタケが!!!


( ^ω^)・・・


んなわけない。

昔は死ぬほどまったけが採れたという裏山も、今はもう・・・

日本のキノコに付けられている和名(標準和名)は割と厳密に一つの学名に1つずつ付けられている

ほかの国では別にそうでもないところもあるようで、ここは日本人らしいなととも思う

和名「ホウキタケ」は Ramaria botrytis 1種のみを指す

しかし地方名の「ネズミノアシ」は1種のみを指すのか?そんな定義はどこにもない



ある日裏山を歩いていたら

ぼっこぼっこコナラの木の周りに仲良く並んで同じキノコが生えていた










(続く)








(風の吹くまま気の向くまま)

本当にこの1年いろいろあって(なんか毎年そう言ってる気がする)、来年こそゆっくりしよう、来年こそ・・・と毎年年の瀬になると次の年はゆっくりする、と誓うのだが、自分でその契りを破ってしまう。

それでも今年は仕事をしぼって随分ゆっくりしたと思う。というのも両親が亡くなってからかなり精神的にまいっていて、特にここ1年くらいはうつ症状がひどくなって、家にいるときはソファでぐったりしている時間が長くなっていた。検査も山ほど受けたがどこも悪くない、悪いのは心の中だけだ。

なので今年は本気でゆっくりしようと思っていた。そしたら時間があるのかと思われてあっちこっちから声が掛かって、結局刺激の強い1年になってしまった。なので最近本気でリセットしよう!と割り切った。そしたらあら不思議、うつ症状が軽くなってきた。ここ1年ずっとしんどくてソファでぐったりしてたのも、そこそこ良かったんだろうか。

そんな時、キノコをやってる友人から放送大学の大学院(修士)受けたら?と勧めてもらった。放送大学自体は臨床心理学を勉強したくて資料を取り寄せていたが、きのこの研究をベースに放送大学を受けることは全く考えていなかった・・・のか? ふと自分の背後でどこかで考えてたんじゃないの?という声がした気がした。すでに植物分類学で修士をとっているから修士という学位に全くこだわりはない。なんで2コ目?という疑問のほうが大きい。なんだろう、新しい扉を開けることが怖くなってる。

ここしばらく自分で行き先を決めて歩いていなかった(山以外)。関東のほうに行ったのも日を指定されて呼ばれたので行った。行くと初めて会う人たちばっかりだった。以前は初めて会う人たちがいるとワクワクしていたが、うつ症状のせいか、普段からやり取りしている人以外は怖くて正直まったく会いたくなかった。会ったらどうなるのか不安で仕方が無かった。

初めて出会う方々にお会いしてびっくりした、やりたいことをまっすぐ貫いている人たちに久しぶりに会えてエネルギーをたくさんもらった。そういやここ何年もそういう人たちに会ってなかったなあ。そういう人たちの熱量は凄まじくて、ちょっと好きとか好きを装うのが上手なばったもんが近づいたら、弾き飛ばされるか、間違いなくコゲてしまう。熱量の強い人にその自覚はない。そういう人たちの前でやっと、いつの間にか着込んでいたつまらないものを脱げた気がした。

まだ新しい扉を開けるのが怖い、いや新しい扉はいずれか開けようと思う。でもどの扉を開けたらいいのかわからなくなってしまった。自分で扉を開けて自分の足で歩くしかないのだけれど。あかん、考えてたら首が絞まった感が出てきた(うつ症状の一つ)。まだ扉を開けるのは早いってことか。まあいいや、のんびり行こう。ゆっくり行こう。










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