ミケ猫の菌星探査機(きのこ日誌)

全力で飛んでく・きのこブログ

めっちゃかわいい★きのこ展 in 能登川博物館

2018-10-25 02:11:24 | 日記
いろいろありましたなあ、今年も(すでに師走の気分

きのこの発生が多くて、そのきのこに絡む事件も多数起きましたね

毒キノコを食された事故や、そもそもキノコ採りに行かれて遭難された事故、その件数も多かった

そして最近発表された、きのこ業界随一のできごとといえば

「バカマツタケの完全人工栽培に成功」そんな待望の事件が!なんて浮かれているそこのあなた!



photo by 月刊きのこ人


そんなあなたにぜひ知っていただきたい、今年のきのこ業界随二の事件が!!

世にも面白いきのこの展示が今年あったんです

知ってる知ってる大阪の自然史博物館で!なんて言ってるそこのあなた、あれもう終わってしまいましたやん

もう一度言います、あれ終わってしまいましたやん(しつこい

今、まさに開催中のめっちゃ面白いきのこ展があるんです、それが…


『めっちゃかわいいきのこ展』in 東近江市立能登川博物館


わあ、小さいチラシ

最後まで読んでいただけると、大きなチラシが出てきますんでぜひ最後まで読んでください

随分推してますやん、もしかしてその博物館から○○とかもらっているんじゃないの?とか思ってます?

いやあ、もらってませんもらってません、いただけるのなら喜んで受け取りますが(´▽`)/

ただ、写真も文章もお上手なのにパソコンの画面の中に引きこもっているおもろい人(月刊きのこ人)を

現実の世に引っ張り出して、2Dから3Dの世界に羽ばたいてもらって現実の世界で具現化したらどうなるか

世紀の大実験をしたら、これが大当たり!やっぱ私天才やわ~(私じゃないか







ほんの入口なんすよ、これ

超おおきなキノコが出迎えてくれます。ちょっとそこの被りもん好きなあなた!!

この写真の前にきのこ帽子やクワガタやカブトムシの被りもんが置いてあります

このあいだ地元のTV局の方が被ってこの前で撮影してはりましたぜ

画になるんですよ~きのこの森の中に入り込んだ写真をぜひ撮って行ってください



この奥にめっちゃ可愛いきのこ写真の展示がだだだーっと繰り広げられてるんですわ

恐る恐る展示を見た方に感想をお伺いすると、これ私にとって不思議なんですが、同じ感想が返ってきます

『この写真、この文章、この組み合わせが絶妙やわ』

写真を見てから、下に付けられた文章をみると

キノコの写真の印象がぐっと身近に感じられて、ワクワクしてくるそうです

撮った本人(月刊きのこ人)でない人間が解説文を書くのってどうなんだろうって心配しながら私が書いたんだけど

意外な相乗効果が!!私はガチで驚いています(^_^;)


ここでちこっとサービス、中身を一部ご紹介( *´艸`)







キヌガサタケ 食(スッポンタケ科)   

 このきのこに偶然に出会ったあなた、きのこ占い的に最高の運をもった方だと言えます。梅雨の始まりの頃の朝、竹取の翁のごとく竹林を散歩していたあなたが見たこの白いドレスを身にまとった姫は、パカッと割れた卵から出てきた幼子が、たった2~3時間で大人の姫へと成長したものなのです。
 あのかぐや姫ですら大人の姫になるまでに3ヶ月かかったんですよ。そう、夢の時間は長くは続きません。頭のグレバ(胞子)にハエやコガネムシの王子が次々やってきたあと、姫はさっさと地上から姿を消します。月へ帰ったことにしておきましょうかね。
  



図鑑やインターネットの解説に飽きたあなた、ちょっと気分転換に遊びに来ませんか?

キノコに初めて触れる方にはわかりやすく、キノコに詳しい方にはクスっと笑える展示になっております
(当社調べ)

そもそも『キノコ』ってなんやねんという基本的な解説も

シンプルかつ核心を突いたわかりやすく楽しい文章で書かれています

これはさすがに月刊きのこ人さんですね、ムダを排して益を得ることを生きがいにしてる(私調べ)だけあります



ね、面白そうでしょ

だだだーっと並んだヘンテコ?写真からキノコを探し出す遊びコーナーやきのこ塗り絵コーナーもあり

大人から子供さんまでふらっと遊びに来てもらえると思います







11月11日までですよ!


では、みなさまお待ちしておりますm(_ _)m










コメント

ハグロチャツムタケ?

2018-06-13 03:57:39 | 日記



求めよ、さらば与えられん


《新約聖書「マタイ伝」から》

「神に祈り求めなさい。そうすれば神は正しい信仰を与えてくださるだろう」の意。転じて、

物事を成就するためには与えられるのを待つのではなく、みずから進んで求める姿勢が大事だということ。



正しい信仰が降りてくる、だから素直に望むのだ



正直、この時自分は何を望んでいたんだろう

初めての場所に行くと頭が真っ白になって、祈り求めることを忘れてしまう

土の匂い、降り積もった落ち葉の音、しっかり感じる人の気配と不釣合いな樹形、木々に遮られて淀む空気

自分で案内をお願いしたくせに、『カンゾウタケ』という言葉を聞いて、

はっと自分の望みを思い出す、何しに来てん、自分(^_^;)




最初に訪れた森、神社の裏の社寺林なのだが、割と大きさの揃った石が積み上げられた石垣がところどころ存在した

以前、伊吹山のキノコ調査をしていた時によく見かけた江戸時代のシシ垣の名残りにそっくりだった

その森にけっこうな太さの樹幹のシイ(ということはかなりの高齢)が、

人工的な地形に対して不釣合いに無造作に生えていたことからも

その場所を居住用として利用したというよりも、そういう場所からワンクッション置いて、

野生の動物から集落の田畑や住居を守るための場所だったのかもしれない




・・・そんな森のきのこたち。








傘の裏が見えたときはチャツムタケや~と思ったが、でかい、なんだ傘に毛が生えとる

そして・・・この子、お絵かきキノコや(´ω`)♪ ハグロチャツムタケかもと教えてもらった






腐ったシイの木の根あたりに生える白い小さなキノコ、私の名前を言ってごらん、ときらきらひかる。






ひとつだけ、オレンジのネバネバがたらーり。君はまだどこかに行くつもりなの?触るとねっちょねちょ。

サカズキホコリの仲間がそろそろ自分で移動するのをやめようとしているところっぽい(粘菌・変形体)




落ちてきたヒルを払いながら駐車場に戻ってくると、明らかに森よりキノコの気配がする







チチタケの仲間、ほら傷つけると白い乳が。この子は齧ってもイマイチ辛くない

こういうキノコはツーンと辛味が差し込んでくるものも多い。全く辛味を感じないものもあるがこの子はちょっと特別

普通、齧ると辛味があるキノコもすぐには辛味を感じない、噛み締めて少しすると、あ、やっぱり?と舌がヒリヒリする

この子は気配がして来るっ!と身構えたらすーっと味が引いていった、こんな経験初めて(仮称・アカシミチチタケ)

辛味寸止め味♡




一人でクスクス笑いながら足元を見ると、あらま、小さなキノコたち







かなり胞子が熟してる状態で、触るとホコリタケのように胞子が出る

しかしホコリタケの仲間は落ち葉や朽木を分解する菌なのだが、

この子のように硬い土から生えてきてるのは多分近くの木と関係がある菌根菌なんだろうな

根が届いてきてそうな木は・・・むむむ、駐車場に植えられたサクラ?アラカシもあったが結構離れてる

ま、いいか(ヒメカタショウロ・ニセショウロ科=菌根菌)




わかりにくいが、切ってから数分で赤変した。顕微鏡で見たらイノキベの割に意外と地味だった(´・_・`)



しまった、標本だけ採ってきて現地で撮って来るのを忘れた(^_^;)


アセタケの仲間=アセタケ属

胞子の表面が平滑、薄壁無色の縁シスチジア→イノスペルマ亜属

肉脆くなく、赤変性あり。ひだはオリーブ色を帯びず→ケルビコロレス節


アセタケ属はすごい、目で確認できる違いでしっかり分類基準が存在する

本来こうあるのが分類学の基本だと思うのだが、キノコの世界はもっと曖昧なもので区別されている

(イロガワリチャアセタケ)




さて、今日は何を探しに来たんだっけ

そうか、赤くて大きなイグチを探しに来たんだっけヽ(´▽`)/




すみません、カンゾウタケです_| ̄|○。。。





(続く)




コメント

オオセミタケ

2018-05-26 22:51:59 | 日記

冬虫夏草の表面をこそいで胞子をカバーグラスの上に落とし、

のんびり顕微鏡を覗いていた

外で走り回るテンの足音以外これといって虫の声もしない

風の音も雨の音もしない

ちいさな生き物の気配、目の前の冬虫夏草からか





オオセミタケの胞子 糸状の胞子だと聞いていたので見るのがとても楽しみだった




違う、顕微鏡の中からだ

水で封入しているので今のところ、この胞子生きているのだろう

わたしのお気に入りの虫屋(マニアのことを私は~屋と呼ぶ)とおしゃべりしてたとき

生き物が好きだ、だから生き物に影響を与えるような撮影はしたくないんだと言っていた

虫屋の写真はその愛の対象物にどう向き合っているのかよくわかる



彼は背後からの写真が多い

同じ大学出身なのだが、彼は文学部、私は海洋学部

海洋学部でなんでキノコ屋なんすか?いやいや文学部でなんで虫屋なん?

お互いないものねだりなところが似ているのだろうか





アスファルトの下からキノコが顔を出していた




私はこの冬虫夏草を土から掘り出し

生を繋ぐはずのこの胞子をプレパラートに閉じ込めて私だけにしか見えない世界を眺めている

ただ、こんなにはっきり見えているのに触れることができない世界

そう、まるで映画のようだ





胞子の両端に丸いものが2つ...なんだろう?




2つの生き物が目の前にいたとする、あなたならどうする?

どこが違うのか細かく観察してみる、それが今までの自分の生き方だったような気がする

次は2つの生き物を目の前にして同じところを探してみよう

さっきあんなに観察したのに、自分は何を見ていたんだろうと思うくらい様々な一面が見えてくる

いやでもなぜだか私はそれを既に知っている、見る前から知っている



ちょっとわかった気がする

違いは目で見て発見し

同じところは心で感じて発見しているのだ

素直になると見えることが増えるのはそういうことか





私はてっきり、2つのセミが眠っているのだとばかり思ってた。1つのセミから2つのキノコが出ていた




高校1年生の時、あの科学系のクラブにいたころ顕微鏡にはまった

朝7時ごろ部室に行き、顕微鏡を使って植物化石を覗いてHRが始まる頃教室に行った

朝早く部室に行き、あのガラガラっと顕微鏡の入った引き出しを開ける時の爽快感!

毎朝一人で見ていると、そのうち他の同級生の部員が朝、部室に来て化石を見るようになった

私は面白くてただがむしゃらに顕微鏡を覗いていたが、彼はセンスがよく、

検鏡した結果をキレイにまとめて、スマートに考察をしていた



いろいろ植物化石を分析した結果をまとめて近畿の理系クラブ研究発表会なんかで発表したが、

まー研究者にボロクソ言われて、自分たちの研究者としての甘さを痛感した

悔しかった、そのとおりなだけに思いっきり泣けた

そんな激しい自分の感情を手当たり次第ぶちまけてもさらっと受け止めてくれた、

あの朝一緒に顕微鏡を覗いていた同級生とさらに距離が近くなった





このカビのような白いものが糸状の子嚢胞子。動画で見てると飛び出してくるらしい。




ある日、将来の進路について彼と話していた

自分は成績がイマイチだったのでなんとかどっかの私立にでも引っかかって、

自力で研究者のもとに通って研究を続ける気でいた

彼は頭が良かったので、某有名国立大学の地学科へ行くものだと思っていた

しかし私と同じ大学へ行くと言い出した

よく聞くと朝の顕微鏡タイムも研究の発表も私がいたからやっていたのだという





家に帰ってきれいにしてみた。生き物の輝きが増した気がした




次の日からその子と口をきかなくなった、なんだろう、どうしても許せなかった

私が勝手に彼が真剣に研究に没頭しているのだと思っていて

そのうえで私も真剣に植物化石のことで彼にぶつかっていった、それができなくなった

私の友達たちはみんな、『おまえが悪い』と言って呆れていた





菌類に感染した虫は、ただの死体と比べてその姿を留めていることが多い




・・・懐かしい昔話や(^_^;)

顕微鏡好きはその頃からずっとなんやな、久しぶりに手に入れて実感した

バカもほとんど治っていない

6年くらい前に初めて出来たキノコ友達、キノコのことはものすごく詳しいのに、

学者は嫌い、という立場を私の前で貫いてくれている

嘘をつかれるよりずっと安心できる、でもあまり笑わないので自分が退屈させているのかと思ったら

感情が表情に出にくい(多分障害)だけで、本当は楽しい、と真剣な顔で言った

そのぶきっちょな一言は何よりも自分を安心させてくれた




不思議なことに、私はじっとしている虫を撮るのが苦手だ

走り回っている虫を追いかけながら撮ったほうが、なぜかピントが合う

友達の虫屋が聞いたら怒りそうだ、だから撮影のために虫に負担をかけちゃダメでしょ!と

スタジオでカメラマンをやっていたから分かる、

ただ立って笑ってもらうより、心に入り込んで心をくすぐったほうがいい写真になる

そんなこといくら言ってもわかってくれへんねやろうな、

どこかの文学から切り取ってきた名言で切り返されるんだろうな...それも勉強なら、ま、いいか。




ではでは。


コメント

最近見たきのこ

2018-05-22 17:09:16 | 日記






イヌセンボンタケ、これからどんどん生えてくる予感










こういう茶碗型のキノコはよく見るが、これは初めて見るなあ。

キノコにつく名前には傾向があって名前をつける人の好みが出る。

こういう色のキノコにはよくオリーブ(色)がよく使われる。

オリーブオリーブ・・・ほらあった、オリーブサラタケ。菌根菌とな(゚д゚)!










なんやこれ、ニガクリタケのおもちゃみたい。傘の直径5mm。かじったら猛烈に苦い!!

まじか、これニガクリタケの仲間!?ここに生えてたのは全てこのサイズ。












ニクウチワタケ

このキノコ、成菌は地味なキノコなのだが実は幼菌のインパクトがなかなかなのだヽ(´▽`)/!





ホシアンズタケというキノコがこういう汁が出ることで有名なのだが、

ニクウチワタケもなかなかだと思う(^_^;)。



ではでは。


コメント (2)

猪子山に猪突猛菌

2018-05-19 00:30:36 | 日記



染色をさせてもらった能登川博物館で、ときどき自然観察会を行っているのだが、

私がやってるのは、博物館からすぐ近くの猪子山という標高267.5mの小高い山の裾の方だ。

猪子山古墳群という約40基からなる6世紀前後の横穴を基本とした古墳が分布し、

また、平安時代建立と言われている北向岩屋十一面観音や上山天満天神社があり

古くから信仰や、里山としての利用が盛んに行われていたと思われる場所だ。



元々その山の植物の観察会をやっていたのだが、

この山のキノコをまじめに調査し、観察会を担当されていた方が亡くなられたので代わりにキノコを自分がやっている。

そうか、もう代わりじゃないんだな。

その方が倒れたときにいつでも復活してもらおうと自分が引き受けたのだが...さびしいな。

観察会を開いたり、地元の自然保護に取り組んでいらっしゃるグループと一緒に調べていたようだ。



私じゃ役不足なのは重々承知なのだが、10年以上前のデータなんかは分類が変わってしまって

新たに使えるデータにしないといけなかったり、また今まで不明種だったキノコに学名がついて、

昔から生えてるキノコで不明種にしていたものの中に、新たに名前がつくものがあるはずだ。

また数年前にこの地域にも御多分に漏れず起こった大規模なナラ枯れが一段落し、

ナラ枯れの木はほとんど切り倒され撤去され、山の姿もこの2~3年でまた様変わりした。



ナラ枯れする前のデータと今のデータを見比べることにも意義がある。

なので10月頃にキノコの魅力とともに、こういう積み重ねを博物館で見てもらおうと思う。

原稿書きは基本8月いっぱいまでなんす、やっぱり時間がない。

さーまたここで原稿を書き溜めていって、本番で使おう(本の原稿の時それで随分楽だった♪)



また、私も地元の自然保護をやってるグループの方と調査したいなヽ(´▽`)/




今日猪子山で見かけたきのこ




コンクリートの側溝からなぜかウラスジチャワンタケ

 





ひだの色は白が成菌、赤いほうが老菌。


傘の周りの毛が特徴的。ひだを切ったが無反応、白い乳は幼菌の頃しか出ないようだ。アシボソチチタケ 。







傘のサイズが8cmほどある。典型的な形をしていないが顕微鏡で観察するとどうもイタチタケのようだ。





わかりにくいところに隠れおって(^_^;)。イヌセンボンタケ





ナギナタタケ





オオセミタケ 今回は置いてきた。数日後、子嚢胞子を飛ばしているところを撮りにいくぞヽ(´▽`)/!





クジラタケ幼菌と思われる









ぱっと見ヒョウモンウラベニガサと形が似てる。しかしこれがヒョウモン柄かといえば…?

図鑑を見ているとクロベニヒダタケやまだ学名のついていないオキナベニヒダタケなどが載っている、

その区別点を顕微鏡観察で追ってみた。



シスチジアに厚壁のものや、透明膜を被っているものは見当たらなかった⇒オキナ×


これは傘表面の断面。茶色い平行菌糸からそのまま茶色いシスチジアが飛び出している⇒クロヒダ×


いろいろ調べてみたが、該当するのはやっぱりヒョウモンウラベニガサだけだった。

ということで、このくらいの模様はヒョウモンウラベニガサの範疇に収まるらしい。

顕微鏡がなかったら、きっとクロヒダだと思っただろうな。

こうやって、一歩ずつ経験を積み重ねていくといろいろ分かっていくようになるんだろうなヽ(´▽`)/!



ではでは。
コメント (2)