友人Nに誘われて鴨川シーワールドへ行くことになった。もちろんイルカやシャチを見るのは主たる目的ではない。友人NがSL南房総号に乗るべくみどりの窓口で調べてもらったら満席びゅうプラザの鴨川シーワールドを見たあとSL南房総号に乗るプランでなら席が残っているとのことだったのでついでに私もゆくことになった。
大井町駅でNと合流して東京駅地下ホームから特急わかしお3号の指定席に乗って安房鴨川駅を目指す。安房鴨川駅といえば昨夏行ったばかりのところだ。千葉みなと駅周辺の工業地帯が集合住宅とショッピングモールに変貌し、蘇我で内房線と分岐して昨夏二泊した茂原を過ぎる。勝浦で大量の下車があり車内は閑散としてくる。安房天津でDL南房総号と交換をする。DE10が12系客車を引いているだけでもとても絵になる。安房鴨川駅に着くと駅のトイレがリニューアルされており半年来ないと何かが変わるなぁと思った。
駅の東口から鴨川シーワールドへゆく無料送迎バス(鴨川日東バスが受託)に乗ると昔ながらの木の床の2ステップ車であった。鴨川シーワールドに着き房総近海の魚を見て11時からのベルーガ(白イルカ)のショーを見る。水中でクルクル回ってマイクに向かい「キュ~」と歌うのがかわいい。
その後熱帯魚の展示を見て潮騒とどろく屋外のベンチでやきそばを食べる。今日は風もなく海辺にいてもちっとも寒くない。南房総は温暖だねぇ。12時半からイルカショーを見る。イルカが高く跳び、尾ひれで水面を歩くように泳ぎ、キラキラ星を歌う。Nと二人イルカの写真をムキになって撮っているが予測できない素早い動きについてゆけない。
そのまま観客たちは13時からのシャチショーに流れてゆく。シャチが大きな体をくねらせて飛び跳ね高いところに吊されたボールを蹴り、観客にヒレを振り愛想を振りまいていた。水棲動物たちのショーにNと二人すっかりなごんでしまいシャチのぬいぐるみでも買って帰ろうかという気分になるけれど、これから本日の最大乗車目標であるSL南房総号が控えているので何も買わずに色即是空の境地で鴨川シーワールドの前に止まっている鴨川日東バスに乗り込んで安房鴨川駅に向かう。これまた木の床の2ステップ車だ。
安房鴨川駅で待つことしばし。SL南房総号が入ってくる。SL伴走車オヤ12 1を従えての編成だ。E257系と並んで止まる。安房鴨川駅に12系客車が止まっているというのも珍しい光景だ。素人たちは先頭のD51に群がって写真を撮っているので最後尾のスハフ12 161には目もくれない。現代において12系客車も大変に貴重であり、定期運用もないからなかなか乗れない車両なのだ。D51のところに幼稚園児を立たせて写真を撮っていたが新聞にでも載せるのだろうか? つづく
予告編
SL南房総号で館山に着いた二人は特急さざなみ18号で東京に向かうのである。
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