ある出版社発行の「一の宮巡拝完全ガイド」を見ています。
一の宮をめぐる者にとって、とても参考になる書籍です。
しかし、ちょっと「おや?」と思うところがいくつかあって、出版社に問い合わせてみましたところ、
ご丁寧にご回答をいただきました。
ところが、そのご回答にもちょっと納得がいかない私です。
まあ、そんなに追及するようなものではありませんし、
第一、歴史というものは、もともと解釈や史実とされているそのものの真が曖昧なところがありますから。
今回は志摩国一の宮・伊雑宮(いざわのみや)が同書にはない点が納得いきません。
とてもアバウトな言い方ですが、たいていの一の宮本を見るにつけ、
志摩国、現在の三重県東部の鳥羽市、志摩市を中心とする、
思っているより広範な周辺地域を指すのですが、
その地域の一の宮神社は伊雑宮と伊射波神社(いざわ神社)となっています。
この「一の宮巡拝完全ガイド」には伊雑宮は載っておりません。
志摩一の宮として伊射波神社は載っています。
出版社に問い合わせたところ、次のような回答をいただきました。
◆志摩一宮として伊雑宮をあげなかったのは、編集時点(2011年3月時点)
で全国一宮会のリストに入っていなかったからだそうです。
発刊後に情報が変わった形となり申し訳ありませんが、
ご了承いただければ幸いです。
2011年3月時点とありますが、それ以前発行のたいていの「一の宮本」には、
志摩一の宮は伊雑宮と伊射波神社が掲載されています。
このご回答にはそうとう苦しいところがあると考えざるを得ません。
伊雑宮は伊勢神宮の別宮で、言ってみれば伊勢神宮代行みたいな。
いわれは、倭姫云々とあるが、元伊勢をめぐる説の中で一時天照大御神のお祀りに関連しての言い伝えみたいなものがあるらしいが、資料等いっさいなく、宮自身のパンフレットやホームページにも「一の宮」という記載は出てきません。
なにか周りが担ぎ上げていて、本人は関知せずの様相を呈している。
ちなみにもう一つの志摩一の宮・伊射波神社は、たどり着くのが困難と言っては言い過ぎかもしれないが、そこに行くぞ!と決めて行かないといけない立地で、神職の在中もなく、一の宮めぐりの中でも、越中国一の宮・雄山山頂に座する雄山神社峰本社とともに難易度の高い社とされています。