南房総館山・なぎさの自然詩

テンロクケボリとイソヒヨドリ


大海原を眺めている小さな鳥がいました。



その鳥はイソヒヨドリでした。
この海岸にいるイソヒヨドリのオスは青い体色がとても鮮やかなのです。



岩場の上には白い糞のあとがたくさん見えるので、おそらくここがお気に入りの岩なのかもしれません。


イソヒヨドリのいる浜には赤い貝殻が多数ありました。
サラサバイやチグサガイ、ウズイチモンジに加えてスカシガイまでも赤色です。


そしてトコブシの殻色も赤く鮮やかなのです。


同じ場所にはテングサが大量に打ち上がっていたので、これらの紅藻類を餌とする貝は殻色が赤くなるのかもしれないと想像しました。



ヘリトリカニノテ。
一見すると花のように見えますが、こちらも紅藻類です。


更にテンロクケボリも鮮やかなピンク色です。
裏返した状態で波打ち際に打ち上がっていました。


表側には特徴的な赤い斑が見えます。
テンロクケボリはトゲトサカという赤色のサンゴに着生するそうなので、そのために貝殻の色がピンク色になるのだと思います。



そしてこちらはアメフラシの仲間のタツナミガイは、波打ち際でゆらゆらと揺れるように動いていました。
貝と名前がつくので、どこに貝があるのかと思ったら体の中にあり、その殻は波頭に似た形だということで立浪貝と呼ばれるそうです。
タツナミガイを眺めている内に雨が降り始めて来たので海岸を後にしました。
今日訪れた海岸には赤色の生き物が多く棲息しているようなので、海中は青い海と赤い生き物が造る美しい世界があるんだろうなと想像したら覗いてみたくなりました。







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