昨日から 秋晴れのいい天気。
解いた着物を一気に洗ってしまおう!っと
まずは・・色落ち確認をしてみると・・
おぉ~~はじいてるっはじいてる。
これが パールトーン効果ですね素晴らしい!
・・っで 他のお着物を色落ち確認に水につけてみると
色のきれいな 子供用晴れ着は・・一瞬にして・・・洗面台が・・真っ赤に・・・・
これは・・いかん!!
っと言うわけで・・軽く洗った後 仕上げに ”色止め剤”に浸してみると
ぴた・・・・。
色落ちが止まりました。す・・すごい・・。
”糸”本来の ”水が浸みる”
染料の”色が落ちる”という特性を 薬剤加工してしまうことで 変化させてしまう。
日本の技術って ほんとすごい。
・・で その一方・・・
先日 久留米絣を仕入れに行った際
ある 色のいい絣に出会いました。
紫のような 赤茶のような・・紺に近いような・・・。
以前 同じような色の絣を仕入れ チュニックをつくったことがあります。
今・・その絣の色は・・・
画像でわかりにくいかもしれませんが・・・
最初の反物の時の色は・・・・
”右(ちょっと 赤茶っぽい色をしています。)”
そして 洗って洗って・・約2年経つと
”左(濃紺に近い色)”のように 色が濃くなり 柄の白い部分がより鮮明にハッキリとなってきました。
これは 藍染ではありません。
織元さんいわく
化学染料の”クロ”・・だそうです。
去年の仕入れの際 ある織元さんが
今までの”クロ”の染料が もう仕入れられないんですよ・・っとおっしゃっていましたが
その時は あまり意味が分からず
今年の仕入れで おっしゃっていた意味がハッキリしました。
その織元さん (先の織元さんとは別の方)曰く
自然環境や色落ちへの配慮から
今まで使われていた”クロ”の染料を一切使えなくなってしまったそうです。
なので 今回 仕入れて生きた絣も・・・
これから先の”クロ”は すべて この”右(漆黒の黒)”の色になり
今までの”クロ”(左・赤茶っぽいクロ)は 今 染め上げられているもので終わりになるそうです。
他の織元さんのところも回ってみましたが
もう他の織元さんは ほぼ どこも”右(漆黒の黒)”の”クロ”しかありませんでした。
色おちがしないことで その美しさを保ち 良い生地であり続けるものもあれば
色落ちがすることで その生地だけの特有の 良い生地・風合いになっていくものもある。
着物に携わるようになって
今まで考えたこともなかった
環境のこと
時代の流れ
生活・着物の多様化
いろいろ見えてきました。
縫うこと以外にも 学ぶこと・考えることは たくさん・・・ですね・・
今 私の手元に縁あってやってきた 古いもの・新しいもの
今の技術・昔の技術
良いところもあれば そうでないところも・・・あるのかもしれませんが
それぞれをちゃんと理解しながら
大切に扱っていこうと思います。
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