念坊ひとり旅

　　　　一行詩
猛吹雪深夜のラジオ二度報じ
数へ日やATMに百人の長蛇

　　　　川　柳
ボタンとれたアリヤまあボタンすぐ生えた

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
凍て空に溶けゆく雲のながれ行く
凍て空に雲決めかねて移ろふか

　　　　川　柳
借金をして国民を釣るバラマキ予算

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
雪原の足跡出入り無き神秘
冬の日を奥の仏間へ給はりぬ

　　　　川　柳
ロボット犬電池もらって大はしゃぎ

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
雪庇下紅き実ひそとかくれんぼ
新雪に鴉スキップ空は藍

　　　　川　柳
誰の子や空母妊娠膨張予算

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
母の顔冬至南瓜に付き纏ひ
冬ばれの歩道に橇引く老婆の背

　　　　川　柳
原禁も脱退せよとクジラ吠え