念坊ひとり旅

　　　　一行詩
夏衣ミラーへ移るむかしびと
向き直る女医の白衣へ夏日ざし

　　　　川　柳
この鉄路宙へ架ければ月の駅

ネットワーク

　　　　一行詩
地下電や地上の真夏闇の中
いつ絶えん夏空見する塵の星

　　　　川　柳
猛暑とてイのままビール暑気払い

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
猛暑日に大樹の恵みの陰浴す
万緑や人を退かせて茂りたる

　　　　川　柳
女子サッカーあの子は遠慮足の蹴り

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
夏の月孤高の胸を語らずや
チョコレート開く銀紙夏の日矢

　　　　川　柳
扇風機五月の出番目が回る

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
真夏日や祖霊みづ乞ふ墓なりし
香水の空き瓶妻の香り立つ

　　　　川　柳
相撲ガール野見宿禰も殊のほか