念坊ひとり旅

　　　　一行詩　　　　　太三
令和二年はや一か月睦月尽
白壁に移ろいし影小春かな

　　　　川　柳　　　　　冬竜
児に戻り母御のひざに抱かれたい

念坊ひとり旅

　　　　一行詩　　　　　太三
今日の喝　心機一転冴返る
シトシトと地の漆黒や寒の雨

　　　　川　柳　　　　　冬竜
雪道に忘れ物の糞届けようか

念坊ひとり旅

　　　　一行詩　　　　　太三
温暖化眠り覚まさる枯草な
御神渡り神の怒りの鎮まらず

　　　　川　柳　　　　　冬竜
華やかな女優も老ければ芸極む

念坊ひとり旅

　　　　一行詩　　　　　太三
寒紅や母は一度も引かぬまま
街角の店に残りし冬の菊

　　　　川　柳　　　　　冬竜
雪不足イベント中止で儲け無し

念坊ひとり旅

　　　　一行詩　　　　　太三
佃煮のワカサギあはれ身の分くる
寒見舞常のご無沙汰詫ぶる朋

　　　　川　柳　　　　　冬竜
遠き国なれど瞬時に寄るウイルス