念坊ひとり旅

　　　一行詩
二千年寡黙の杉へ夏めぐる
字過不足悲喜こもごもに五月尽

　　　川　柳
老い深し字余り字足らず五月尽

念坊ひとり旅

　　　一行詩
さみだれに読書も飽きてタブレット
観光地コロナ禍しら皐月尽

　　　川　柳
鶏開放たまご無くても生きられる

念坊ひとり旅

　　　一行詩
ねこ欠伸家に飽きたか夏の留守
今日中にやると家出づ主の月

　　　川　柳
家族葬内気なあなた良かったわね

念坊ひとり旅

　　　一行詩
公園の蛇口列なす猛暑日ぞ
ゆうパック母の分包ゲンノショウコ

　　　川　柳
夏夕日我が影も延び疲れたり

念坊ひとり旅

　　　一行詩
残る雪かさぶた取れるごとくあり
古書斎窓開けたれば初夏のかぜ

　　　川　柳
マイナンバー苦情のたびの出し使い