念坊ひとり旅

　　　　一行詩
テレビ画に初霜下るる故郷な
初霜や兄はいかがと声交す

　　　　川　柳
トランプに環境汚染のルールなし

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
老残はわが蟻穴に入るかな
深空より里にふあふあ鶴来たる

　　　　川　柳
蔵の闇手燭たよりに審議会

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
秋の日や勘で糸突く針の穴
朝冷えやゴミ出す人ら会釈ほど

　　　　川　柳
竜巻に無防備の星地に落下

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
カーテンを突き通す日や野分過ぐ
はやばやと熊がうながす牧帰り

　　　　川　柳
隣国の検事と政権ドラマなみ

念坊ひとり旅

　　　　一行詩
出来秋に被災地の農家ことばなし
長雨に灯下もとむる老眼鏡

　　　　川　柳
表現の不自由展の外、活発