念坊ひとり旅

　　　一行詩
星祭男星女星の歌舞伎町
バス停の家の前庭赤まんま

　　　川　柳
八月は感染増の末広がりか

念坊ひとり旅

　　　一行詩
蜩やおそきひるめし茶漬け食ふ
子の願ひ抱へて来たる流れ星

　　　川　柳
扇風機二つの季節フル稼働

念坊ひとり旅

　　　一行詩
なさぬ恋成就させたし落し文
ちさき子ら植ゑしひまわり大きなり

　　　川　柳
国葬で煙と消える改ざん歴

念坊ひとり旅

　　　一行詩
水差せば歓びて立つ水中花
剪定に落ちし枝にもえごの花

　　　川　柳
コロナ禍に二足の草鞋間に合わず

念坊ひとり旅

　　　一行詩
夏の灯や灯籠二つ鄙の宿
林より耳入る声のひぐらしか

　　　川　柳
アクリル板見透かす手話の味気なく