念坊ひとり旅

　　　一行詩
十二月へ覚悟新たに雪の朝
生涯の十一月も尽きるかな

　　　川　柳
民族の尊厳尊重共存ぞ

ね

　　　一行詩
送られし塩鮭割くも齢あまる
吾がレシピ冷凍牡蛎をお味噌汁

　　　川　柳
二国間の戦火煽るか同盟国

念坊ひとり旅

　　　一行詩
地に落ちしナナカマドの実カラスの悪
冬眠のごとく居籠る老残なりぬ

　　　川　柳
婚活を地元へ急ぐ神の旅

念坊ひとり旅

　　　一行詩
街路樹の裸となりぬ凩ぞ
奉仕終へ過疎の村社の神迎

　　　川　柳
善悪で選ばず己を利するか否か

念坊ひとり旅

　　　一行詩
角の家桜の梢冬紅葉
札幌の北と南で降雪差

　　　川　柳
人の嘘は心の腐敗体に見ゆ