世情余情口端歌

思ひ絶つ汝の口も開かぬとも
　　　永遠の夢想に旅あらんこと

念坊ひとり旅

　　季節句
家々の処法が目立つ雪囲い
十月や近く遠くも色うすれ

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
たじろがぬ妻への愚痴のたのしさや

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
民のため名を捨ててこそ名が生きる
ただ群るる世襲議員の顔と顔

世情余情口端歌

次ぎつぎと親しき人の早世に
　　　老い残る吾が身の生き地獄

念坊ひとり旅

　　季節句
流星や未来の光輝ちりばめて
新米といふ魔力食ふ夕餉かな

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
順番のあるようでなし来る迎え

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
老いぼれもカネ食う虫と財務省

世情余情口端歌

銀河とて時には深くまた浅く
　　　うつろふ星に測りがたし