念坊ひとり旅

　　　一行詩
寒入るや終末時計百秒とか
バスに乗れば診療券の懐手

　　　川柳
吾が頬に一つ咲きたるニキビかな

念坊ひとり旅

　　　一行詩
青空や足元の雪黒ずみて
有明や大寒の吾が一ト夜ゆめ

　　　川柳
下げられる和酒の瓶底未練たっぷり

念坊ひとり旅

　　　一行詩
小春日や窓辺の烏の声聞こゆ
小春日や薄雲透いてブルー漏る

　　　川柳
病める目に雪の凹凸地獄道

念坊ひとり旅

　　　一行詩
初句会としの挨拶距離を置き
葉牡丹や規則正しく席の空き

　　　川柳
群来見たか鴉に問えば鴎じゃなか～

念坊ひとり旅

　　　一行詩
雪しまく道都モノクロほのネオン
連日の湿り雪かつ吹き溜まり

　　　川柳
大雪を碗に凝縮干ばつ地へ