念坊ひとり旅

　　　一行詩
仏壇に佛ら囲む春苺
暴風雪死海白闇ホワイトアウト

　　　川柳
冴えわたり棺に入れらるホカロンよ

念坊ひとり旅

　　　一行詩
どこかしこ吹雪で白く塗られけり
暴風とよ玄関内も雪つもり

　　　川柳
オール2よあと二百年先の今日

念坊ひとり旅

　　　一行詩
二年たつミニ盆栽の黄梅よな
春の風邪オミクロンさえ拒否の日々

　　　川柳
占ふや挿木根付けば余命延ぶ

念坊ひとり旅

　　　一行詩
読書の目時計も見する遅日かな
あなたさまそちらはいかが猫の恋

　　　川柳
春苺わが年金を食らいつき

念坊ひとり旅

　　　一行詩
台所の水やや温くありにけり
漲るや大河のごとき春の水

　　　川柳
春水に亀を放せば竜して発つ