念坊ひとり旅

　　　一行詩
春空に日本の不戦誓う今朝
ニッポンの独立独歩冴返る

　　　川　柳
余生とて人はさまざま日脚伸ぶ

念坊ひとり旅

　　　一行詩
西方にお日に劣らぬ冬佳月
ブロッコリー夕餉に添へて命満つ

　　　川　柳
日めくりの季節に郷は追いつけず

念坊ひとり旅

　　　一行詩
末娘お婆となりぬ室の花
鄙の宿湯屋の大窓手形凍て

　　　川　柳
真白きの世界に吾の黒一点

念坊ひとり旅

　　　一行詩
窓に見る垂れる水影春の音
針供養肝心の針見えずなり

　　　川　柳
キャンプ入る新旧競う切符捕り

念坊ひとり旅

　　　一行詩
二月入るつぎは三月こころ躍る
アザレアの鉢と問答また枯らすか

　　　川　柳
女子ジャンプ撫子揃う表彰台