念坊ひとり旅

　　　一行詩
春菊や母の鍋もの具たくさん
ATM前年金者列われもいて

　　　川　柳
敏感と鈍感の間に時差あり

念坊ひとり旅

　　　一行詩
公魚よ釣られし君は吾がいのち
目に余る寒木瓜の朱陽を吸いて

　　　川　柳
老いたれば時の流れに遅速あり

念坊ひとり旅

　　　一行詩
春風や老いの未来の夢拓く
にしん空未練の墓の丘に建つ

　　　川　柳
春立つや福祉ネイルで気もルンルン

念坊ひとり旅

　　　一行詩
古ノート尽きぬ回想猟なごり
山頂からボード乗りたる雪女郎

　　　川　柳
雪像に数多の星も見とれけり

念坊ひとり旅

　　　一行詩
春宵や招かざる客影遺す
外つ国の言の葉舞ふ雪まつり

　　　川　柳
同性婚改憲自民得意なるに