YEAR3210

風に転がる迷走日記

泣くかな名取川

2011-04-18 20:42:40 | 追悼の詩
泣くかな名取川



1 仙台行きの夜行バスは
 いろんな想いを運んでいる
 茜色のひざ掛けで 眠る子供は 祈り顔

街の灯り 一つひとつ
今は星より月より遥かに重い

泣くかな名取川 名残雪 今は似合わない
移ろう季節よ みんな春を待つ

2 嵐の予感があったとしても
この船の操縦室はいつも
名誉が欲しくて 誰もが船長になりたがる 

機関室は言いなりであわてるだけ
水夫は流され彷徨い漂うだけ

泣くかな名取川 名残雪 今は似合わない
移ろう季節よ みんな春を待つ

3 夜風が子供の日記帳を
乾いた順にページをめくる
一生懸命 書いた滲んだ 文字 夢って文字

その一言だけで 手紙になる
潮で茜色 鉛筆 ひざ掛け模様

泣くかな名取川 名残雪 今は似合わない
移ろう季節よ みんな春を待つ

泣くかな名取川 名残雪 今は似合わない
移ろう季節よ みんな春を待つ