プログラマー兼テクニカルライターである石川直太 (いしかわ なおた) のブログです。哲学からゲームまで。
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「秘密の質問」には嘘を書きましょう
別の記事によると、記憶できるなら、「秘密の質問」の答えに嘘を書くのが有効だそうです。例えば、「好きな食べ物」を「徳川家康」のように設定して、忘れたときのためには、紙に書いて金庫にしまっておくのがよいでしょう。
在宅主婦ワーカーによる手作業
人工知能を開発するのではなく、在宅主婦ワーカーの人手に頼った、経営判断が興味深いです。公的機関は、縦割りで、無意味に書類の書式を変えることが多いから、今のところは、人間が対応する必要があるのでしょう。
みずほ銀行のシステム障害から4年
情報技術者が忘れてはならないのは、想定外のオンライン募金による、みずほ銀行のシステム障害です。金融機関のシステム障害が起きても、破産、倒産の連鎖が起きないような、社会システムの設計も必要です。また、せっかく赤十字に募金しても、役所が被災して罹災証明を発行できないと、義援金を配布できなかったことも、想定外でした。教訓を活かして、技術者は何をできるか、すべきか、すべきでないか、考えさせられました。
慶應、慶應、陸の王者慶應
「慶応義塾」ではなく「慶應義塾」です。
アスキーのゲーム部門でアルバイトしていた仲間に慶應義塾大学大学院理工学研究科の学生がいて、私が大学院受験について相談したら、「慶應義塾」と正しく書けることが最も重要と、助言をいただきました。当時理工学部助教授だった斎藤信男先生に、受験したいという紙の手紙をお送りしたところ、あとで知ったのですが、斎藤先生がアスキーの深瀬技術部長に電話して、「石川君という学生が受験するんだけど、彼、使える?」「彼ならMS-DOSのプログラムを書けるよ。」「じゃあ合格させよう。」という経緯になったそうです。あれから25年。。。
今時OCRとは
i-mode版朝日新聞で記事全文を読んだところ、カタカナの「ト」が漢字の「卜(ぼく)」とOCRに誤認されたそうです。紙に印字した文書を業者にデジタル化させるなんて、情けないほど時代後れです。紙でお役所に納める規則のせいでしょうか。校正が重要と書かれていますが、音声読み上げか機械翻訳にかけて、辞書にない単語を探す方法もあります。ワードプロセッサーで作成した文書を、紙を介さずに公開すれば良いのですが、別件で、校正履歴が残っていたり、個人情報を画像として塗りつぶしたのに透明テキストとして残っていたりした事故もあったので、情報機器の仕組みを知っている人が操作する必要があるでしょう。震災の3日後の計画停電の直前に、第一報が紙をスキャンした画像データとして新聞社のウェブサイトに掲載されましたが、エクセルか何かのファイルをCD-Rに入れて記者に配るという発想はなかったのでしょうか。
http://www.asahi.com/articles/ASG6D75Y4G6DPTIL030.html
5月6日は「ゴムの日」
5月6日は「ゴムの日」。インクジェットプリンターの下に耐震ゴムを敷くと、振動と騒音が減ります。100円ショップで売っている耐震ゴムで充分です。 100円ショップのゴムとオーディオ専門店のゴムに違いがあるのか、物理学者には分からなくて、オーディオマニアには分かったら、オカルトです。ゴム板の 上に家を建てると地震の被害が減るそうですが、ゴム板の上にライブハウスを建てれば音が良くなるでしょうか。
スーパーコンピューターについて文部科学省へ提出したパブリックコメント
私は民間企業から研究所へ出向し、生物学物理学分野でスーパーコンピューター用のプログラムを開発している者です。エクサスケールに向けて、全ての分野の基盤技術となる、応用数学とソフトウェア工学への注力を要望します。
どんなに速い計算機があっても、時代後れのアルゴリズムを使っていては無意味です。私が学生の頃に勉強したクヌース大先生の「The art of computer programming」などは、今では「旧約聖書」と呼ばれています。今世紀に入ってから書かれた「Numerical Recipe」も、最先端ではありません。並列計算機のための応用数学とアルゴリズム理論を研究開発し、社会人向けのセミナーの開催、通信教育、書籍の刊行などによって、HPC業界のプログラマーに広く知らせてください。
CPUの性能とコンパイラーの性能は、かけ算で効きます。日本製のCPUで構築した計算機のハードウェアが世界で何位かになっても、コンパイラーの性能とのかけ算でインテルに負ければ、使う側にとって無意味です。残念ながら、現在の富士通コンパイラーはいまいちです。世界一のハードウェアを目指すならば、世界一のコンパイラーも開発してください。
エクサスケールのハードウェアが実現できても、グランドチャレンジ級のプログラムを開発できる人が、日本に何人いるでしょう。MPIプログラミングは難解です。インターコネクトのアーキテクチュアに応じて最適なMPIプログラミングをチューニングすることは、さらに困難です。それに加えて、大規模なプログラムの保守も難問です。XMPとOpenACCに少し期待しています。並列処理を前提とした、新しいプログラミング言語を開発するべきかもしれません。エクサスケールのためのソフトウェア工学に人材と資金を投入してください。
以上、よろしくご検討のほどお願いします。
創作とは
人工知能プログラムが代ゼミ東大模試で偏差値60を達成したと報道されたときに、機械はどんどん進歩するから、人間は日々精進して独創性を高めるべきだと 考えました。今度は、星新一風ショートショトの自動生成への挑戦だそうです。創作とは、「ゼロから1を作り出す」のか「99を100へと一歩進める」の か、考えさせられる話題です。研究者と共同でソフトウェアを開発するという、最高に困難で独創的で楽しい仕事に就いていることを感謝します。
人工知能は星新一の夢を見るか
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/fukui/20140424_645430.html
2013年8月に理化学研究所へ提出したパブリックコメント
スーパーコンピューター関係のパブリックコメントに忙しくて、特定秘密保護法にまで手が回りません。
======== ここから、電話番号を伏せ字にした以外はそのまま ========
石川直太 様
理化学研究所 「計算科学ロードマップ 概要」パブリックコメント係 です。
「計算科学ロードマップ 概要」への意見をお送りいただき、ありがとうございました。
あなたが送信した内容は以下の通りです。
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氏名: 石川直太
電子メール: <naota@bestsystems.co.jp>
電話番号: XXX-XXXX-XXXX
年齢: 52
性別: 男性
職業: プログラマー
メッセージ本文:
第一に、エクサスケールへ向けて、人材育成が必要です。
エクサスケールのハードウェアができたとしても、
グランドチャレンジ級のプログラムを書ける人が、日本に何人いるでしょう。
研究者の皆様に並列プログラミング技法を覚えていただくのはしんどいので、
研究者とプログラマーの共同作業が必要です。
また、本格的なプログラムを書けるかどうかの能力は、
学校の成績や博士号の有無とあまり関係ないので、
人材評価制度とそれに基づく待遇、例えばHPC名人戦を望みます。
第二に、日本製のFortranコンパイラーは優れているのですが、
C/C++ コンパイラーがいまいちなので、
次も日本製の Sparc チップでいくならば、
有志を募って Sparc 用の GCC を改良しましょう。
そうでなければ、既に開発環境が充実している 86 系 CPU にしましょう。
第三に、膨大な実験観測データの処理には、しばしば、
計算性能よりもファイル入出力性能が重要になります。
LinPack による計算性能で世界一を目指すだけではなく、
ファイル入出力、特に MPI-IO の高性能化にも人と予算を投入してください。
以上であります。
(以上)
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このメールは 将来のHPCIシステムのあり方の調査研究「アプリケーション分野」
「計算科学ロードマップ 概要」ご意見入力フォーム から自動的に送信されました。
http://hpci-aplfs.aics.riken.jp/pubcom_form.html
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理化学研究所 「計算科学ロードマップ 概要」パブリックコメント係
心を読まれている
「東京理科大学出身のあなたへ、年収1000万円の転職」
という広告が表示されて、気になります。
体調が悪いときにFacebookを見ると、
「50代男性がビンビン」
という広告が表示されて、気になります。
コンピューター将棋に読み切られて詰められたような気分です。
広告を表示するシステムがさらに賢くなれば、煩悩の内訳まで読まれて、妖しい広告が表示されるのでしょうか。
「みんなのスパコン」は必要か?
野球に草野球、甲子園、プロ、大リーグという階層があるように、コンピューターにも、高齢者と障害者にも優しい情報機器、高校生、大学生の教養、研究室、大学の計算機センター、世界的スーパーコンピューターという階層があります。
「みんなのスパコン」を推進しすぎると、設計も運用も中途半端になると思います。いずれにしても、どのようにエースパイロット級の人材を育成するかが大きな課題です。
私が文部科学省へ提出したパブリックコメント
国産のハードウェアは素晴らしいのですが、C/C++コンパイラーがいまいちです。例えば、国産のCコンパイラーに、数学関数を含むループをSIMD命令で処理できないという、性能上の問題を見つけ、改善要望を出しましたが、人手不足で改善できないという回答が返ってきました。次もSparcならば、有志を募って、GCCのSparc用を改良しましょう。
また、テラバイト級の実験、観測データを処理するには、ファイル入出力の性能が重要です。計算性能は2位でも3位でもかまいませんから、MPI-IOが1位のスーパーコンピューターを開発してください。実験、観測施設からデータを送るために、磁気テープを宅配便で送るよりも便利な方法を望みます。<
立地については、既に画期的な電力効率を実現しているさくらインターネット石狩データセンターのように、外気空冷可能な寒冷地がよいでしょう。地元で地熱発電のような再生可能エネルギーを開発できれば、一石二鳥です。ロシアと共同でサハリンに建設して、地元の天然ガスで発電するのもいいかもしれません。また、長野の50Hz/60Hz境界付近に建設して、電力が余っている側から供給を受けるのもいいでしょう。
残念なdocomo-Wifi
mydocomo から mopera へのリンクを見つけて、SSID と WEPキーを調べるまでは自力でできましたが、そこから先が難しそうなので、調べた結果の印字した紙とノートPCを持って、ドコモショップへ行って質問しました。
最も詳しい店員さんが対応してくたさったのですが、本社らしい所と電話で話ながら、悪戦苦闘しています。店舗にあるテスト用のスマートフォンに私のIDとパスワードを入力しても接続できないので、パスワードを再設定しようということになりました。結局、mopera の設定画面に入るためのID、パスワードと、Wifi を使うためのID、パスワードは別々だったという落ちでした。
ドコモショップの店員さんが1時間手間取る作業を、PCの初心者が自力でできるはずがありません。ネットワークスペシャリスト試験よりも難しいです。残念なサービスです。
マイナンバーへの憂慮
時事ドットコム:【図解・行政】共通番号制度の利点と課題(2013年5月)
私的録音補償金に異議あり
私が著作権を尊重するのは、罰則と補償金とコピープロテクトがあるからではなく、芸術家とソフトウェア開発者を尊敬するからです。
INTERNET Watch
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