双極Ⅱ型障害(躁うつ病)の場合、躁とうつの両方があるわけだが、躁は「軽躁状態」が多いとされる。
一見しただけでは、「ちょっと元気のいい人」「情熱的な人」とかに思え、気をつけなければ普通の状態に見える。
自分を振り返ってみたときに、この「軽躁」がある程度明らかになってきたのは、うつ病治療を受けていた頃だと思う。
うつ病治療を受け、SSRIなどの新型抗うつ剤を投与され、それによってうつか寛解したときに、ボク自身はいま振り返ると「軽躁状態」であったと思う。たぶんこれを何度か繰り返すうちに、だんだんそのうつと軽躁の幅が酷くなっていったのだと思う。
もともと双極Ⅱ型障害を持っていたともいえるし、新型抗うつ剤によってよりその症状が強くなったともいえると思う。
何にしてもボクがうつ治療を受け始めた頃には、はっきりした躁うつ状態の躁うつ病(双極Ⅰ型障害)は医者の頭に診断があっても、軽躁の双極Ⅱ型障害はまったく考慮されていなかったと思う。
だから医者はまじめに治療するつもりで双極性障害には禁忌の新型抗うつ剤を一生懸命投与していた。
良くも悪くも精神医療の時代の最先端をボクは過ごし、患ってきたともいえる。
双極Ⅱ型障害とわかって新型抗うつ剤を投与されなくなってから、そして双極性障害の治療薬である気分安定薬を飲むようになってから、うつ状態の自覚はあるものの、軽躁状態であるとの自覚症状はほぼない。
とはいえ、「軽躁状態」は結局あとになってから自分を省みたときにはじめて認識できるというものなのかもしれない。なにしろ以前の「軽躁状態」のときには家族でさえそうした認識はなかったのだから。
結局、ボクの場合の様に、振れ幅が大きくなり、誤った抗うつ剤の投与で軽躁ではなく躁転まで至らないと診断などはつきにくいし、本人も自覚しにくいのかもしれない。