よかった・・。
彼女の作品が間に合いました。
今、北海道から海を渡って、ニヒル牛に向かっています。
ニヒル牛にはYKKがいます。
たくさんの作家さんとの出会いがニヒル牛の歴史ですが、YKKはニヒル牛の道標でした。
Yの山中奈緒子は自由です。
ニヒル牛が開店した年に作家として出会いました。
彼女はいきなり、小さな箱の中アパートを作り、そこの住人を募集するという。
私の予想をはるかに超えた使い方。西オギンピックの原型です。
ニヒル牛のスペースに、こんな可能性があるのかと!
楽しくて嬉しくて、わくわくしました。
Kのくす美は、良心です。
ニヒル牛の開店を決めた時、絶対に必要な人だと本能が告げました。
くす美の姿勢と美学は、ニヒル牛の基本です。惰性に流される私の歯止めです。
私にとってくす美は、最も信頼できる正しいものなのです。
今ではあまたのレンタルボックス が真似する、箱の中の豆電球はくす美が作った風景です。
そして、最後のK。
岸キエコは、なんと言えばいいのだろう。
なんだこりゃ?という作品に戸惑い、惹かれて、20年前出会ってすぐ展示をお願いしました。
作品がどうしても仕上がらず、間に合わなかった事もありました。
急遽、制作過程を見せていくと変更した展示は、未完成ながら力強く愛しく。
そして、痛いように美しく。
孤高の2人と違い、人の中にキエコはいて、だからより、孤独なのだと。
いつも惑いながら、痛みも持ちながら、生命を削るように作品を生み出していくのだと。
今年のニヒル牛6月の企画展、くす美の観光手帳で、こんな文章を見つけました。
あの間に合わなかった展示を見ての感想。
「岸さんにはとてもかなわない。
自分の作って来たものが、安っぽく表面的な物に感じられてしまう。
とてもくやしくて、そして嬉しい」
今年はどうしたって、YKK全員に、展示をしてもらいたかった。
キエコの作品が届きます。
9/12から24まで。