●新採用で独身寮の衝撃(その2)
新潟県職員独身寮の一つ「文京寮」は、県庁本庁舎から信濃川を渡って海に向かう方面の2kmほど先に位置していた。配属されることになった企業局総務課の職員係担当からは簡単な現地の位置図が示されたのであるが、建物の外形写真や部屋の図面などは全く無い。昭和62年当時であるからデジタル画像など期待しようもなく何事も口頭で聞いてイメージするしかないのだ。
担当曰く、4階建ての鉄筋コンクリート造で、私の居室は4階の四畳半畳敷の部屋となり、トイレや洗面所、洗濯機は各階配置の共用、風呂は一階に大浴場があり、食事は食堂で賄い付きになるという。大学卒業したばかりの若い独身男性にはもってこいよね、感謝してね、と言わんばかりだ。
しかしこちとら古くても自由で使い勝手の良かったアパート暮らしの経験者。担当者の機嫌を損ねないように、少し確認していくと、築造は昭和40年頃、風呂と賄いは何と月曜から金曜のみ、駐車場は無いということが明らかに。
これは困ったことになるかもしれない。私は身長180cm近くあるのだが、つい先月までの住まいだった学生時代のアパートの6畳より小さい部屋で暮らしたことはなく、しかも畳敷き。ベッドに慣れた生活には面倒くさいことになりそうだ。
築造が私の生まれ年と同じくらいの頃というのも引っかかる。高度経済成長付近の頃というと、とにかく数をさばける丈夫なものを急いで造れという時代なので、今の生活様式からみて狭かったり不便だったりする設計や構造と思われても、なまじ頑丈なので柔軟な補修や改造ができないという物件が多い。とにかく手狭で自由度のない屋内環境が目に浮かぶのだ。
そんなハードの問題に加えて寮運営のソフトもよろしくない。給仕や施設管理の職員のコストを考えてのことなのでうあろうが、土日と祝日の終日において風呂や賄いが無いとは。定時で退庁する生活を基本に、金曜に実家に帰省し、月曜早朝に職場に戻る、”金帰月来”を共通の生活パターンとする思想なのであろうか。土日出勤などもあり得るだろうし、せっかく県都である新潟市の中心に位置しているのに、これではアクティビティに障りが出る。
聞けば、古くて狭い文京寮に入居しているのは新潟県庁職場への単身赴任者が殆どで、まさに”金帰月来”が殆ど。さらに、単身赴任者達はとにかく寮生活にコストが掛からないことを最重視しているので、現行の運営で文句も出ないのだという。
実は、距離があって実家から県庁に通えない新採用の独身者達への、初期の給与の低さを勘案した独身寮が最近新造されていたのだが、土地確保の関係で場所が郊外となり、県庁から15km以上離れており、バスで一時間弱かかるのだという。それを考えても近くの文京寮を確保してもらえて良かったねと担当者さんは私に感謝してねと言わんばかりなのだ。
文京寮の単身赴任者達で土日や祝日にどうしても寮に残らざるを得ない人は、風呂をどうしてるのかと担当者に聞くと「バスに乗って銭湯に行っているらしい」という。昭和フォークの世界か。これ以上聞いても仕方なさそうなので、あとは自分の目で見てなんとか暮らしやすい方策を考えようと思うのだった。
(「新潟独り暮らし時代62「新採用で独身寮の衝撃(その2)」」終わり。仕事遍歴を少し離れた独り暮らし時代の思い出話「新潟独り暮らし時代63「新採用で独身寮の衝撃(その3)」」に続きます。)
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https://twitter.com/rinosahibea
☆新潟久紀ブログ版で連載やってます。
①「へたれ県職員の回顧録」の初回はこちら
②「空き家で地元振興」の初回はこちら
③「ほのぼの日記」の一覧はこちら
➃「つぶやき」のアーカイブスはこちら
担当曰く、4階建ての鉄筋コンクリート造で、私の居室は4階の四畳半畳敷の部屋となり、トイレや洗面所、洗濯機は各階配置の共用、風呂は一階に大浴場があり、食事は食堂で賄い付きになるという。大学卒業したばかりの若い独身男性にはもってこいよね、感謝してね、と言わんばかりだ。
しかしこちとら古くても自由で使い勝手の良かったアパート暮らしの経験者。担当者の機嫌を損ねないように、少し確認していくと、築造は昭和40年頃、風呂と賄いは何と月曜から金曜のみ、駐車場は無いということが明らかに。
これは困ったことになるかもしれない。私は身長180cm近くあるのだが、つい先月までの住まいだった学生時代のアパートの6畳より小さい部屋で暮らしたことはなく、しかも畳敷き。ベッドに慣れた生活には面倒くさいことになりそうだ。
築造が私の生まれ年と同じくらいの頃というのも引っかかる。高度経済成長付近の頃というと、とにかく数をさばける丈夫なものを急いで造れという時代なので、今の生活様式からみて狭かったり不便だったりする設計や構造と思われても、なまじ頑丈なので柔軟な補修や改造ができないという物件が多い。とにかく手狭で自由度のない屋内環境が目に浮かぶのだ。
そんなハードの問題に加えて寮運営のソフトもよろしくない。給仕や施設管理の職員のコストを考えてのことなのでうあろうが、土日と祝日の終日において風呂や賄いが無いとは。定時で退庁する生活を基本に、金曜に実家に帰省し、月曜早朝に職場に戻る、”金帰月来”を共通の生活パターンとする思想なのであろうか。土日出勤などもあり得るだろうし、せっかく県都である新潟市の中心に位置しているのに、これではアクティビティに障りが出る。
聞けば、古くて狭い文京寮に入居しているのは新潟県庁職場への単身赴任者が殆どで、まさに”金帰月来”が殆ど。さらに、単身赴任者達はとにかく寮生活にコストが掛からないことを最重視しているので、現行の運営で文句も出ないのだという。
実は、距離があって実家から県庁に通えない新採用の独身者達への、初期の給与の低さを勘案した独身寮が最近新造されていたのだが、土地確保の関係で場所が郊外となり、県庁から15km以上離れており、バスで一時間弱かかるのだという。それを考えても近くの文京寮を確保してもらえて良かったねと担当者さんは私に感謝してねと言わんばかりなのだ。
文京寮の単身赴任者達で土日や祝日にどうしても寮に残らざるを得ない人は、風呂をどうしてるのかと担当者に聞くと「バスに乗って銭湯に行っているらしい」という。昭和フォークの世界か。これ以上聞いても仕方なさそうなので、あとは自分の目で見てなんとか暮らしやすい方策を考えようと思うのだった。
(「新潟独り暮らし時代62「新採用で独身寮の衝撃(その2)」」終わり。仕事遍歴を少し離れた独り暮らし時代の思い出話「新潟独り暮らし時代63「新採用で独身寮の衝撃(その3)」」に続きます。)
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