戦場ヶ原からこんにちは

日光自然博物館がお送りする奥日光の自然情報+αです。

奥日光の春、到来

2016年04月15日 | 自然情報

今日は、小田代原から戦場ヶ原の木道を歩いて、春を探してきました。

午前中は粉雪が舞い、強風も吹くという寒い気候でしたが、男体山は雪化粧を落とし、着々と春支度を進めています。

戦場ヶ原と同じく小田代原でも、木道の雪はすっかりとけてしまっていますので、気持ちよく歩くことができますよ。

ただ、4月中でもまだまだ寒く、雪が降る可能性もありますので、天気予報のチェックと防寒対策はかかせません。

 

冬の戦場ヶ原は葉っぱも少なく、ちょっぴり寂しい景色でしたが、よく目をこらすとこんな 「 色 」 に出会えるかもしれません。

「 冬芽 」 という形で、厳しい冬を耐え抜いた、カラマツの葉っぱが、芽吹き始めているところに出会いました。

古枝の灰色、新枝のオレンジ色、葉っぱの黄緑色の対比がきれいです。

落ちていた枝の新芽をさわってみると、とってもやわらかく、割って中を見てみるとブロッコリーのようでした。 おいしそう!

 

また、水辺ではこんなものも見つけました。 黒っぽくみえるつぶつぶ、いったい何だかわかるでしょうか。

もうおわかりの方もいるでしょうか。 そう、ヤマアカガエルの卵です!

手に乗せてみると、フルフルとゼリーのような、あまり体験したことのない感触でした。

運が良ければ、卵を産みに来た親ガエルを見つけられるかもしれません。

卵にさわるときには、そっとやさしく扱ってあげてください。 そして、元気なオタマジャクシが生まれるように、もとの場所にそっと戻してあげてくださいね。

 

いろは坂の上では、やっと春の到来を、見て、感じられるようになってきました。

おいでになる際には、寒さ対策をしっかりしてお越しください。 (山)


新・山の上からこんにちは vol.155

2016年04月15日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

■ 今朝の奥日光は 3℃ (博物館周辺 8:50時点)

今回は霧降滝周辺にアカヤシオなどの様子を見に行きました。

駐車場に車を止めて滝に向けて歩き出すと、すでに開花しているアカヤシオがあちこちで見られました。

 

観瀑台の近くのものは他の場所のものに比べて傷んでいる花が多い印象を受けました。

 あたたかい春の陽気の中に時折戻ってくる寒さにやられてしまったのかもしれません。

活動を始めた植物たちにとって春にやってくる寒さは深刻な問題なのかもしれないと思いました。

しかし、まだつぼみの状態のものも多いので、これから見ごろを迎えると思うと、うきうきしてしまいます。

観瀑台に向かう道では、紫色のつぼみと花が・・・

なんとトウゴクミツバツツジ!

奥日光では、5月の半ばごろに咲き始めるので、標高の低いところは春が進んでいることを実感します。

 

木々に咲く花に気を取られていると、つい足元がおろそかになりがち。足元では、木が葉を出す前の日の光をいっぱい浴びれる早春に活動するカタクリなどが花を咲かせています!

 

いろは坂の下ではまさに春真っ盛りですが、奥日光にはこれから春がやってきます。アカヤシオはもちろんですが、足元に咲く花も是非探してみてください(はる)

 

おまけ:よくばりさん?

 

■ 自然体験イベント情報 

  
 ★「戦場ヶ原カエルウォーク2016」   平成28年4月29日(金)~5月5日(水・祝)  〈当日受付〉

  ★「見る・作る スペシャル植物講座」  平成28年 5月8日(日)  〈5月2日 締切〉

  ■ 企画展情報 

平成28年2/20(土)~平成28年5/8(日) 「関本平八展 ~植物研究の先駆者に続け~」
栃木県植物総覧を作成した関本平八氏の遺志を探るとともに、奥日光の植物にも目を向けます。


新・山の上からこんにちは vol.154

2016年04月08日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

■ 今朝の奥日光は 9℃ (博物館周辺 8:50時点)

今回は湯滝周辺の森の中を一周回ることができるコースを歩いてきました。

例年ですとまだ遊歩道上に雪がたくさん残っているのですが、今年はほとんど雪がなく、日陰に少し残る程度でした。

 しかし気楽な恰好で行くことができるのは観瀑台までです。

遊歩道上の雪が残る場所は雪解けの湿った地面となっているため、スニーカーなど水の浸み込みやすい靴ですと

中に水や泥が入ってしまったり、滑ってしまうような場所もありますので、登山靴や長靴で散策することをおススメします。

そんな雪の少し残った場所を良く見てみると、いくつもの横穴があり、穴と穴の間にはうっすら何かが通った跡が残されていました。

 

雪が積もった上を通った穴のため、ネズミの仲間が雪の中を動きまわった跡だと思われます。

雪があった間、跡が残るほど毎日のようにエサを探しにこの穴を通っていたのかと思うと、壊れてしまうのがなんだかもったいなく感じます。

また森の中は冬季の静けさがウソのように活気にあふれていました。

鳥たちのさえずりがあちこちで聞こえ、春の訪れを感じさせてくれました。

中でも、大きな声で頑張っていたのは子供の拳よりももっと小さな鳥、ミソサザイです。

アピールするのに必死だったのか、歩いている目の前に現れてさえずりを初め、途中で気づいて逃げていく姿を目撃し、

とてもかわいらしく感じたのと同時に、頑張れと応援したくなりました。

防寒着、防寒具がないとまだまだ肌寒く感じますが、森の中はもう春真っ盛り、恋の季節が始まっています。

オスがメスに向けてアピールし、必死に生きる姿を目撃できるかもしれません。

おまけ

湯川の流れが緩やかな場所にマス類の稚魚がいました。

(Rin)

■ 自然体験イベント情報 

  
 ★「戦場ヶ原カエルウォーク2016」   平成28年4月29日(金)~5月5日(水・祝)  〈当日受付〉

  ★「見る・作る スペシャル植物講座」  平成28年 5月8日(日)  〈5月2日 締切〉

  ■ 企画展情報 

平成28年2/20(土)~平成28年5/8(日) 「関本平八展 ~植物研究の先駆者に続け~」
栃木県植物総覧を作成した関本平八氏の遺志を探るとともに、奥日光の植物にも目を向けます。

 


新・山の上からこんにちは vol.153

2016年04月01日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

■ 今朝の奥日光は 4℃ (博物館周辺 8:50時点)

 今回は第一いろは坂(くだりのいろは坂)から馬返しまでを歩いてきました。

本来は車を利用される方が殆どですが、この時期のいろは坂はちょうど春が奥日光へ訪れる様子を見ることができます。

歩いてみると早春らしい生き物たちに会うことができました。

 

植物では,いろは坂の下り口といろは坂を下りきった馬返しとでは、花や芽吹きの進み具合も異なり、標高差と季節の変わり目を改めて感じることが出来ます。

 

車に気を付けながら歩いていると、土管からひょっこり子ザルが!!

しばらく観察していると、コチラの様子を伺いつつ、折った枝の皮を食べだしました。

木の実や柔らかい木の芽などが少ない時期は、木の皮をよく食べているようです。

また、サル以外にもカケスがまだ落ちずに木に残っているブナの実をせっせと食べていたり、ヤマガラやヒガラが木をつついて餌を探していました。

多くの生き物たちにとって食料が乏しいこの時期は、餌の確保は大変そうです。

春が奥日光へ着実に向かってきている事を実感しつつも、まだ生物たちの活動していくには厳しい時期のように思えました。

そんな一生懸命な生きものの姿や春が奥日光へ上ってきている様子を見にいらしてください。

ゆっくり車窓からの景色もお楽しみいただきたいですし、車を運転される方は上りのいろは坂では黒髪平と明智平、下りのいろは坂では剣ヶ峰で車をとめる事が出来ます。

奥日光へ向かう道中もお楽しみください。

 

■ 自然体験イベント情報 

  
 ★「戦場ヶ原カエルウォーク2016」 

 平成28年4月29日(金)~5月5日(水・祝)  〈当日受付〉

 

 ★「見る・作る スペシャル植物講座」 

平成28年 5月8日(日)  〈5月2日 締切〉

 

 ■ 企画展情報 

平成28年2/20(土)~平成28年5/8(日) 「関本平八展 ~植物研究の先駆者に続け~」
栃木県植物総覧を作成した関本平八氏の遺志を探るとともに、
奥日光の植物にも目を向けます。