朝日選書の「女性天皇論 象徴天皇制とニッポンの未来」という本がある。
以前、この本の感想を求められたことがあり、ざっと目を通したことがあるのだが、あまり大した内容ではないなというのが正直な感想であった。
著者自身には、並々ならぬ思い入れがあるようであり、かなり手間を掛けて書いた書物だと思うのだが、ページを開けばおなじみの議論が延々と紹介されており、かなり退屈である。そして、結局、何が言いたいのかということについては、皇太子妃殿下の苦しい状況を目の当たりにし、皇太子妃殿下というお立場にある方への配慮という観点から、女性天皇を認めるべきことを主張するのである。
しかし、皇太子妃殿下への同情ということから女性天皇を認めようとするのは、考え方として片手落ちである。
なぜならば、女性天皇というお立場に置かれた方が、皇太子妃殿下よりも苦しい状況に置かれる可能性が十分にあるからである。
皇太子妃殿下の苦しい状況を、皇室の伝統に由来するものと捉えるならば、変に女性天皇容認論を主張するよりも、皇室制度の廃止を主張する方が、まだ筋が通るのではないか。
それでは、なぜ、このような主張がなされるのであろうか。
筆者としては、朝日というところは、皇室の存在しない日本の実現を目指していると、常々考えている。
そのような立場に立つ者としては、単に皇位を継承する者が存在しなくなり、皇室が自然消滅するということでは、不十分なのであろう。
なぜならば、皇室が最後まで伝統を守って自然消滅したような場合には、その伝統の精神が、国民の心の中に後々まで生き残ることになるからである。
真に皇室の存在しない日本を目指すためには、いよいよ皇室が消滅しようというときに、敢えて悪あがきのようなことをさせ、守られるべき伝統を失った体裁を作り出し、その後に葬り去るということが必要なのであろう。
この本の著者がそこまで考えているとは思われず、著者には著者なりの使命感があるのかもしれないが、この本を出版している朝日新聞社には、そのような意図があると思われてならないのである。
それにしても、よく分からないのは、この本の評判である。
皇室をめぐる議論を多少知っている者であれば、退屈という感想を抱かざるを得ないと思うのだが、筆者の知っている限りでは、橋本梧郎なんかも絶賛していた。
Amazonのレビューでも、なかなかいい評価を得ているようである。筆者としては、この中では、森之介氏の評価しか、的を射ているものはないと思う。
以前、この本の感想を求められたことがあり、ざっと目を通したことがあるのだが、あまり大した内容ではないなというのが正直な感想であった。
著者自身には、並々ならぬ思い入れがあるようであり、かなり手間を掛けて書いた書物だと思うのだが、ページを開けばおなじみの議論が延々と紹介されており、かなり退屈である。そして、結局、何が言いたいのかということについては、皇太子妃殿下の苦しい状況を目の当たりにし、皇太子妃殿下というお立場にある方への配慮という観点から、女性天皇を認めるべきことを主張するのである。
しかし、皇太子妃殿下への同情ということから女性天皇を認めようとするのは、考え方として片手落ちである。
なぜならば、女性天皇というお立場に置かれた方が、皇太子妃殿下よりも苦しい状況に置かれる可能性が十分にあるからである。
皇太子妃殿下の苦しい状況を、皇室の伝統に由来するものと捉えるならば、変に女性天皇容認論を主張するよりも、皇室制度の廃止を主張する方が、まだ筋が通るのではないか。
それでは、なぜ、このような主張がなされるのであろうか。
筆者としては、朝日というところは、皇室の存在しない日本の実現を目指していると、常々考えている。
そのような立場に立つ者としては、単に皇位を継承する者が存在しなくなり、皇室が自然消滅するということでは、不十分なのであろう。
なぜならば、皇室が最後まで伝統を守って自然消滅したような場合には、その伝統の精神が、国民の心の中に後々まで生き残ることになるからである。
真に皇室の存在しない日本を目指すためには、いよいよ皇室が消滅しようというときに、敢えて悪あがきのようなことをさせ、守られるべき伝統を失った体裁を作り出し、その後に葬り去るということが必要なのであろう。
この本の著者がそこまで考えているとは思われず、著者には著者なりの使命感があるのかもしれないが、この本を出版している朝日新聞社には、そのような意図があると思われてならないのである。
それにしても、よく分からないのは、この本の評判である。
皇室をめぐる議論を多少知っている者であれば、退屈という感想を抱かざるを得ないと思うのだが、筆者の知っている限りでは、橋本梧郎なんかも絶賛していた。
Amazonのレビューでも、なかなかいい評価を得ているようである。筆者としては、この中では、森之介氏の評価しか、的を射ているものはないと思う。