前回、「男系派の国会議員はちゃんと仕事をしなさい」で男系継承の意義についての説得力ある説明ということを述べたが、これまでの男系派の主張を見ていると、その内容については概ね以下の分類ができるのではないかと思う。
1 長く継続してきたことの重みがある
126代にわたって継続してきたということ自体を重視する考え方である。これについては、客観的な事実として主張しやすく、それなりの説得力があると思う。
ただ、なぜ男系で継続しなければならないのかについて、本質的な答えにはなっていない。
また、継続してきたことによって生じた、いわば事後に成立した価値観ということであり、歴代のその時代ごとの日本人の信念であるとは言えない。
要するに遺産を大事にしようという話である。竹田恒泰氏は法隆寺の木造という譬えで、この立場を説明している。
2 皇位の本質的なものは男系でなければ継承できない
筆者も男系派であったころ、何とかこの観点での説明ができないかと随分考えたものである。
八木秀次氏のY染色体の話は、この観点での説明に根拠を与えるものであるように思われ、飛びついた人も多かっただろう。
ただ、Y染色体のことを昔の日本人が知っているはずもなく、また、Y染色体を持ち出すと神話とのつながりが破綻するし、また、神武天皇のY染色体は一子相伝というわけではないので、やはり皇位の本質的なものとは言えない。
3 歴代の皇室・日本人は男系継承を信念としてきた
1と合わせ、過去の女性天皇が即位後に結婚したことはないということも論拠にしたりしている。
ただ、皇室・日本人が男系継承を信念としてきたということであれば、何らかの文献にその旨の記載があってもよさそうなものだが、それがない。
4 天皇としての役割は男性でないと果たせない
これが本音なのかもしれない。昔よく取り上げられたのは、称徳天皇(孝謙天皇)という女性天皇による道鏡問題である。
また、宮中祭祀のことを持ち出して、女性では穢れの問題があるので支障ありと主張したりする。
ただ、男性天皇でも武烈天皇のように、問題のある行動(史料の上ではだが)をしている人はいる。
また、祭祀の問題についても、過去の女性天皇が祭祀をしておられたことを踏まえると、やはり説得力がない。そもそも皇祖神が女性神である。
結局のところ、1を根拠にしつつ、2があるんじゃないか、3のように言えるんじゃないかといった具合であり、本音では4もあるが表立って展開する度胸もなく、曖昧な議論になっているというのが現状であろう。
1 長く継続してきたことの重みがある
126代にわたって継続してきたということ自体を重視する考え方である。これについては、客観的な事実として主張しやすく、それなりの説得力があると思う。
ただ、なぜ男系で継続しなければならないのかについて、本質的な答えにはなっていない。
また、継続してきたことによって生じた、いわば事後に成立した価値観ということであり、歴代のその時代ごとの日本人の信念であるとは言えない。
要するに遺産を大事にしようという話である。竹田恒泰氏は法隆寺の木造という譬えで、この立場を説明している。
2 皇位の本質的なものは男系でなければ継承できない
筆者も男系派であったころ、何とかこの観点での説明ができないかと随分考えたものである。
八木秀次氏のY染色体の話は、この観点での説明に根拠を与えるものであるように思われ、飛びついた人も多かっただろう。
ただ、Y染色体のことを昔の日本人が知っているはずもなく、また、Y染色体を持ち出すと神話とのつながりが破綻するし、また、神武天皇のY染色体は一子相伝というわけではないので、やはり皇位の本質的なものとは言えない。
3 歴代の皇室・日本人は男系継承を信念としてきた
1と合わせ、過去の女性天皇が即位後に結婚したことはないということも論拠にしたりしている。
ただ、皇室・日本人が男系継承を信念としてきたということであれば、何らかの文献にその旨の記載があってもよさそうなものだが、それがない。
4 天皇としての役割は男性でないと果たせない
これが本音なのかもしれない。昔よく取り上げられたのは、称徳天皇(孝謙天皇)という女性天皇による道鏡問題である。
また、宮中祭祀のことを持ち出して、女性では穢れの問題があるので支障ありと主張したりする。
ただ、男性天皇でも武烈天皇のように、問題のある行動(史料の上ではだが)をしている人はいる。
また、祭祀の問題についても、過去の女性天皇が祭祀をしておられたことを踏まえると、やはり説得力がない。そもそも皇祖神が女性神である。
結局のところ、1を根拠にしつつ、2があるんじゃないか、3のように言えるんじゃないかといった具合であり、本音では4もあるが表立って展開する度胸もなく、曖昧な議論になっているというのが現状であろう。