いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

☆キーボードプレーヤー列伝 第1回「リチャード・ティー」前編

2009年06月07日 | キーボードプレーヤー列伝
 あれは私がまだ大学生だった頃、
 サックス・プレーヤーのトム・スコットのコンサートが京都会館であった。

 バックには、ドラムスのスティーブ・ガッドとピアノのリチャード・ティー(Richard Tee)の黄金コンビ。

 コンサート半ばでの、ピアノとドラムだけのセッション。
 強烈だった。

 その頃は、二人がいったい何をどうやっているのかはほとんどわからなかったが、
 とにかく強烈だった。


 ゴスペル、ブルース、ジャズ、そういったエッセンスはあるのだが、
 その演奏は、リチャード・ティー以外の何者でもありえない。

 これほどプレイを聞けば、すぐわかる個性のキーボーディストは、そうはいないだろう。

 アルバムはソロより、スタッフの1枚目、2枚目がいいと思う。(写真は2枚目の『モア・スタッフ』)
 その他、数限りなくスタジオミュージシャンとして参加した名演奏はある。


 1993年に49才でこの世を去る。

 際だったリズムとフィルで、ほとんど原型の判別がむつかしいほどアレンジされたジャズの名曲「Aトレイン」。

 You Tube にアップされている1988年のスティーブ・ガッドとの競演を見て、
 夜中にこみあげてくるものがあった。


                    (後編につづく)


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ハネケン

2009年06月02日 | 音楽記事
 今日6月2日は、ピアニストの羽田健太郎さんが死んだ日、とお昼のおもいっきりテレビでやってました。

 ずいぶん前にどこかのホールで、たまたまステージそでから、リハーサルの様子を見たことがあります。
 コーラスグループのサーカスバックだった。

 とにかく、むちゃくちゃ、うまい。
 リハーサルだが、まったくまちがえる雰囲気もない。

 それなのに、子供の頃、音痴を直すためにピアノを始めたのだとか・・

 人はなにがなにでどうなるか、わからない。

 いつ亡くなられたんだっけ、とウィキペディア(ネットのフリー百科事典)を見てみると、2年前、58才とある。

 若い、中島らもさんは54才、と、このへんに一山あるのか?

 戒名までわかる。「妙音院釋穏健」、なるほど。


 ネズミもゾウも、一生の心臓の鼓動の数はだいたい同じように、鍵盤弾きは一生に弾く鍵盤の数も決まってるのだろうか?

 それなら、わたしはけっこう長生きだと、思う・・

4分33秒

2009年06月01日 | 音楽記事
 ようやくホームページのリニューアルができて、ひと息。

  NOA NOA A.I.R

 のあのあ仙人の音楽講座~きくにきけない音楽のなぞ~の第1回は「音楽って?」です。


 ここでとりあげたのは、現代音楽の作曲家、ジョン・ケージの「4分33秒」。最初、NHKだと思うんですが、テレビで見ました。
 ニューヨークの街角におかれたピアノ。奏者が座る。何もしない。雑踏の音のみ。ピアノを離れる。拍手。
 と、こんな内容だったと思います。ずいぶん前のことですが、インパクトが強くて、今でもおぼえてますね。

 それのなんとオーケストラ版です。


 無音は音楽か?

 という問いにもとれるし、

 まわりのノイズも音楽である。

 という主張にもとれます。

 これ、誰にでも弾けるわけなんですけれど、ちゅうとはんぱな人が人前でやると、ブーイングになります。
 ある意味、演奏するのが一番むつかしい曲かもしれないですね。


 これを聴いて(!?)思い出すのが、レコード盤の「チチチ・・」って針がすれる音。
 CDができて、曲と曲の間は限りなく無音に近づいたわけなんですが、何かものたりなくなったような気もします。
 「チチチ・・」って音は、ある意味、曲が始まる前の前奏曲であったのかもしれませんね。