妊娠中は常におなかに2-3kgの胎児を抱えているため、妊婦さんの重心は前のめりになりますが、背筋で支え重心をまっすぐの状態で保ちます。しかしこの背筋(主に腰の筋肉)が常に使われ緊張状態にあるため、付着している背骨にだいぶ負担をかけていることになります。
出産時になるとリラキシンと呼ばれるホルモンが分泌することで、骨盤(仙腸関節)を支えている人体が緩み、出産を助けます。
産後は徐々に骨盤が戻りますが、その時正常な状態で戻らず、妊娠中の負担などが原因で歪んだまま戻るケースも多くあります。 このような場合ですと腰痛や股関節痛、代謝異常による体重増加などにつながります。
昨年のRMIT・現TCCの卒業研究において、全体の3割はほとんど予備対策なども行わず、産後や妊娠中のトラブルもなかったが、妊娠中および産後一カ月以内から現在までの何らかの健康トラブル抱えているのが7割にも上るという結果が出ている。
その7割のうち筋骨格系の問題が9割を超えている結果になっており、カイロプラクティックは産後のマイナートラブルとされる筋骨格系の問題に対して役割が大きいと考えられる。
筋骨格系の問題は首や背中、肩、腰といった主に背部に偏っていることもこの研究で分かっており、これは先にも述べた胎児による前重心が大きく関与しているものと考えられる。また多くのお母さん達に育児行動時に痛みを伴っていることが多く、またそれに対して子供や家庭を優先するあまり、我慢するといった回答が多かったとも報告されている。
カイロ治療だけでなく、トラブルにならないように普段から身体の使い方や正しい姿勢を身につけることが予防につながると思われる。