いつもながら、写真は借り物しかありません。
「Siエクストラをベースにオーディオ、レザーコンビシート、革巻きステアリング、スポイラー、アルミホイール等を装備した特別仕様車。3000台限定。」
だそうで、ランチアデルタGTからの乗替えでした。
乗り始めて1年経たないうち、マイナートラブルが出始めたデルタでしたが、KP61スターレットを増車してしのいでいたところ、TE27トレノとの出会いで3台体制に。
とりあえず最も手早く、値落ちが少なく売却できるのはKP61だったので、ファミリアアンフィニの買主の弟さんに買ってもらったことは既に書きました。
2台体制で冬を過ごし、翌春、デルタの後継探しを始めましたが、当時の北海道では輸入車を下取ってくれる所が見つかりません。
そのタイミングに、ホンダ車のディーラーに勤めていた同級生が部長に昇進したと挨拶にやって来たのです。
下取り可能ならば買うと言ったところ、『革張りシートの限定車のシビック』を提案されました。
オートエアコン、リヤフォグランプ、フロントピラー内側のスポットライトetc多数のオプション込みで220万円以上という、なかなかのお値段。
3ドアで用途も限られる小型車なのにと思いつつも、約束どおり好条件でデルタを下取ってくれると言うし、買ってしまいました。
何と書いたら良いのか、大衆車の華奢なボディーに強力なエンジンと豪華な装備を付けたクルマで、速いし燃費も長距離ならばリッター17キロと良いし、室内は上下方向が薄っぺらいけど広い。
ロールが小さく、回頭性はアルファスッドのそれを思い出させる感じでした。ただ、サスペンションのストロークが短くて、室内同様に薄っぺらい乗り心地。
低回転からトルクのあるZC型DOHC16バルブエンジンは、90ミリというロングストロークにもかかわらず、上の方でも良く回り、シフトダウン時のブリッピングで「ウォン!」とホンダ車特有の唸りを上げるのをうれしく感じたのが印象に残っています。
しかし、このクルマのシート、どうにも身体に合わず、とにかく腰が痛くなるのです。私だけかと思うと、家族みんながそうでした。
リヤシートからはそんな声は出ませんでしたが、前席はとにかくダメでしたね。
シートを交換して乗り続けるのも、せっかくの限定車ということでためらわれました。
そんな時、ヤナセにいた先輩からSOSが入ったのです。
「シビックが新車同様の状態なら買った値段で下取るから、何とか登録済未使用のゴルフに乗ってくれないか」
それは、不良在庫?が大量発生していた88年式ゴルフシンクロ、左ハンドルのマニュアル車、色は白のみ。確か車両本体価格は340万円くらいだったように思います。
それを100万円以上値引きする上に、純正アクセサリーも大盤振舞い。
シビックの下取りも約束どおり、ということで腰痛シビックとの生活は、わずか数か月でピリオドを打つことになりました。