エンスーMの「クルマとともに」

私が愛したクルマたちのことを忘れないために…

昭和58(1983)年式 日産スカイラインセダン2000ターボRS-X(5MT) H16.9〜18.6

2024-07-03 17:59:00 | 日記
一番イメージが近い写真をネットで探しましたが、このガンメタのセダン2000RSでご勘弁ください。
私が乗っていたターボRS-Xは窓がブロンズガラス、サイドプロテクションモールから下が黒のガンメタツートンでした。

R33のGT-Rを手放して間もなく、土曜の夕方だったと思いますが、ボーッと日産の中古車サイトを見ていたら、自宅から自転車で行ける距離のプリンス店に鉄仮面のセダンが入庫したのを発見。すぐさま電話して、見に行くことにしました。
オドメーターの正確な数字は覚えていませんが、3万キロ台前半でワンオーナーの禁煙車。鉄仮面としては珍しい、インタークーラーが付く前のセダンターボRS-Xが1年保証付きで45万円、車検の残りは1年弱。
外装は右リヤドア下に大きめの凹み傷があるくらいで他はキレイ、内装もパワーウィンドウの集中スイッチの一部不具合があるけれどドア側のスイッチで稼働するからOKってな具合で、一目で気に入りました。
すぐに見積書をもらおうとしたら、営業さん曰く「保証なしの現状、30万円でいかがですか?」
現状販売でも、ディーラーとして納車整備はサービスしますと言われ、即契約。
ところが翌日、電話があって、エアコンが効かないというのです。首都圏の夏にエアコン無しでは難行苦行に近いものがあります。エアコンがダメならばキャンセル可能と言われ、念のためガスを入れて冷えなければキャンセルする旨を伝え、落ち着かない気持ちでいたところ、ちゃんと冷えるようになったとの連絡があり、鉄仮面は晴れてわが家の一員になったのでした。
なお、私が即決してからも商談の電話が何十本もかかってきたそうです。

当時で約20年落ちのクルマゆえ当然トラブルフリーという訳にはいかず、あちこち経年劣化したパーツはありましたが、新車時の装備はほとんど機能しており、エア式のランバーサポートがポンプの作動音とともに動くことやショックアブソーバーの減衰力を切り替えるフットセレクターまで完璧に作用したのは感動モノでした。
翌年、単身赴任に切り替わるタイミングでもあったので、単身になった後はパーツを取り寄せて友人のスタンドで交換したり、気に入らない部分を手直ししたり、車いじりを満喫しましたね。

さて、この鉄仮面で忘れられない思い出は、平成16(2004)年の大晦日に雪の芦ノ湖から都内まで12時間かけて帰ってきたことですかね。
家族旅行の翌日、予報よりも早く雪が降り始め、遊覧船に乗っている時から吹雪気味になり、船を降りた正午には数センチの積雪に。
夏タイヤのまま恐る恐る走り出してみたものの、ズルズルと滑って危険極まりない状況です。
家を出る時、女房が「念のためにチェーン積んでいけば?」と言ってくれて積んだチェーンは許容サイズが195/60R15で、205の鉄仮面には小さ過ぎる。
ところが、モノは試しと巻いてみたらコマの調整も全く不要でドンピシャッ!
いとも簡単にチェーンを巻き、その後は接触事故や側溝に落ちて乗り捨てられたクルマを横目に、高速通行止めの箱根から慎重に山を下り、こんこんと雪の降る中、昼食もとらずに大渋滞の一般道を都内へと向かったのでした。
リヤだけのチェーンでけっこう安定して走ってくれる鉄仮面、この時ばかりは何とも頼もしく思えたものです。

途中、雪が消えてチェーンを外したのは紅白歌合戦が始まる前、どの辺だったでしょうか。とにかく、あのあまり軽くないクラッチを何百回となく踏んで私は疲労困憊。
幸いにも首都高は通行可能だったので、家路を急いだのですが、自宅最寄りの出口を出たら蛍の光が聞こえ、番組は『ゆく年くる年』に。

お昼すら食べてなかったことを思い出し、残り物しかないコンビニで買い物を済ませ、新年を迎えたのでした。

エピソードばかり書き連ねてしまったけれど、このR30スカイライン、普通の大人4人が不自由なく座れる実用車でありながら、それとなく趣味性を感じさせるデザイン、機能など日本人の好みをうまく捉えたクルマだったと思います。
これからもスカイラインには、プリンス時代からの伝統を引き継いで、クルマ好きのハートをくすぐり続けてほしいものです。

最後に、燃費は一度もリッター10キロを超えたことがなかったこと、ノーマルのままでは峠でブレーキが容易にフェードしてしまうこと、3速のシンクロが弱いこと、を書き添えておきます。
R33GT-Rからの乗り換えとあっては、これと言って走りに感動したということはありませんでしたね。

ウチの鉄仮面、東京からの私とともに帰任したものの、足グルマと一緒に車庫には入らず、冬場の保管を考えて、既にハードトップのターボRSをお持ちの若い方へお譲りすることにしました。