エンスーMの「クルマとともに」

私が愛したクルマたちのことを忘れないために…

平成8(1996)年式フォードフェスティバミニワゴンSX Sport(4AT) H9.3〜H11.3

2023-03-07 08:27:00 | 日記
このクルマに乗っていたのは上の娘が幼稚園の頃で、よくドライブしたのに、クルマの写真が全くありません。よほど気持ちに余裕のない日々だったのか。30代半ばで役職をもらったけど、リストラで部下を抜かれて一人二役をこなさなければならない。連日の残業に加え、月に数回の東京出張という、今、思い返してみてもハードな毎日でした。

家族の足として活躍したマーチB♭、軽快な走りとまずまずの経済性で不満の少ない名車でしたが、北海道の冬の凸凹道でボディーがガタガタに。
夏冬ともタイヤが賞味期限切れに近かったこともあり、次の足グルマを探すことにしました。

コンパクトで、ギュッと中身が詰まったクルマが良いと漠然と考えていた時に偶然見かけたのが、このフェスティバミニワゴンだったのです。
友人と一緒に中古のマスタングコブラ、そう、DOHCのV8を積んでマニュアルミッションのみというマッスルカーを冷やかしで見に行った時、そのフォードのお店に展示車として屋内保管、上級グレードのSXに純正オプションが満載のSXスポーツという仕様で電動ガラスサンルーフも付いた登録済み未使用車があったのでした。

マーチが走行距離の割にパッと見では程度が良かったためか、下取り価格は一発で納得の回答。かくしてわが家の足グルマは試乗もせず簡単に決まってしまい、マーチとの寂しい別離となりました。

フェスティバミニワゴンはいかにも長い名前なのでミニワゴンと呼びますが、色はデミオのイメージカラーでもあった鮮やかな緑のメタリック。
サイドシルやフェンダーアーチなどに黒い樹脂製のガードが付いてちょっぴり辛口のイメージなので、ホイールはRSワタナベ風の黒の8本スポークに。6Jのリム幅とオリジナルサイズ175/60-14の組合せとなってバネ下重量を増やさずに横剛性が上がり、ステアリングの初期応答性がグッと向上。パワーステアリングの感触がマーチよりもしっかりしていたことも印象的でした。

ちなみにこのミニワゴン、見かけよりも重たくて約1トンもあるんですよ。ただ、ネット100psを標榜する1500cc16バルブSOHCエンジンはせいぜい85ps程度の感じで高回転でうるさく、燃費もやや期待外れの数字。街中を這ってもリッター10キロを切らない反面、長距離ではあまり伸びずにせいぜい16〜17キロ程度でした。ただ、高速巡航はマーチよりもはるかに安定して楽なクルマだった記憶があります。
峠道でも確実なステアリングと硬めの足回りのおかげでけっこう無理が効き、前車について行けないという情けない思いをすることはありませんでした。

車室は限られたサイズの中で最大限に広く取られ、窓も大きく開放感にあふれており、ガラスサンルーフのシェードを開けると雨の日でも車内は明るく、娘たちは大喜び。特にリヤシートは大きさ、厚みともマーチとはえらい違いで、後ろに人を乗せる時に言い訳する必要がなくなりました。

数少ない、しかし大きな不満はリヤゲートが運転席のオープナーでしか開かないこと。これにはメーカーもすぐに気付いたらしく、間もなく小改良が施されてリヤゲートに開閉ボタンが付きました。ところが、既存のものにポン付けすることはできず、リヤのハッチゲート丸ごとの交換が必要と言われ断念。利便性に欠けたままの2年間となってしまったのは実に惜しかったです。
小さな子どものいる家庭には、ライトバンのようにリヤゲートにハンドルが付くなど、開閉が楽な仕掛けは必須だと痛感した次第。
リモコンキーだけではダメなんですよね。ロックを解除できても、ゲートを開けるには一旦運転席のドアを開けてオープナーを引くという動作が必要なので、買い物を抱えてベビーカーを押していると大変でしょう?

それでもファミリーカーのお手本のようなミニワゴン、2年に渡って活躍してくれました。しかし、子どもが成長するにつれ、わが家でもクルマの複数所有が経済的に厳しくなってきました。さて、どうしたら良いものか…