エンスーMの「クルマとともに」

私が愛したクルマたちのことを忘れないために…

平成5(1993)年式ホンダビート(5MT) H5.4〜6.1

2022-10-27 17:52:00 | 日記
シルバーでフルノーマルのビート。
素敵な写真を拝借することができました。
思えば私の購入時、既にホワイトの在庫はなく赤、黄、銀から選べと言われたのでした。

その年の春先、親父から引き継いだアコードはロシア行きが決まり、わが家はハイラックスサーフだけという久しぶりの1台体制に。
そんな時、超多忙な職場への異動辞令をもらう羽目になりました。
依然、田舎の一軒家に住んでいたので、直近の上司からは「最終バスが8時台じゃ、クルマがないと大変だろう」と脅される始末。
薄給の身とは言え、軽ならば何とかなるべぇとKP61やシビックSiで世話になったホンダの友人に相談してみました。
すると深刻な顔をして、ビートの新車を勧めてきたのです。
二人しか乗られず、ろくにトランクスペースもない軽のスポーツカーなんて、と思ったのですが、車両本体値引きが「おい、大丈夫かよ」と心配したくなるような金額で、さらにはビート専用で他車に流用の利かないオーディオなどは全て半額。
聞くと、メーカーにビートの在庫が大量にあるので、幌を新品に交換の上、何とか売り捌きたいとのこと。
一度ミッドシップに乗ってみようか、なんて軽いノリでオーディオも最高級の組合せを選び、シルバーの1台を注文したのです。

納車前、ボディー左右の車名ステッカーは子どもっぽいので剥がしてもらいました。
何となくブガッティT35のホイールに似た地味なアルミを履かせましたが、リム幅は標準より広く、オフセットが小さめのものにしてちょっぴり逞しさを強調。何となく大人っぽい雰囲気になりました。

一応このクルマ、メカチューンのNAエンジン搭載とあってエンジンサウンドには期待していたにもかかわらず、トゥデイやアクティと変わらぬ安っぽい音に失望。
フロント荷重が小さくてステアリングは軽かったけれど、応答性を意図的に落としているのか、それほどシャープな切れ味ではなかったです。

家族3人で出掛ける際はサーフを使うので片道15kmの通勤だけでは走行距離も伸びず、土日出勤もままある職場のため、たまの休日にはぐったり。峠道を楽しむことは一度もできませんでした。
何というもったいない使い方だったんでしょう

高回転型エンジンの性格上、仕方ないのでしょうが、とにかくローギアードでエンジンはいつもブンブン回っているし、軽でありながら燃費は郊外路でリッター17〜19キロ程度とよろしくない。
せっかく付けた高価な専用オーディオを楽しむことなんてできやしません。

ただ、各ギアを上手くつなげていくと、140km/hのリミッターに当たるまで何ら痛痒を感じさせない走りは大したものでした。
横風にも強く、空力の良さと相まって、高速道路を一般車に互して走ることのできる、当時としては珍しい軽自動車だったと思います。

もう少し、良い点を書いていきましょうか。
先ほど安っぽいと評したエンジン音ですが、実は幌を下ろして走ると痛快なイイ音に聞こえるんです。特にヒール&トウで空吹かしを入れたり、高回転からのエンジンブレーキの時なんかは最高で、日付が変わる頃まで残業し、眠気覚ましにオープンで家路を急ぐことは密かな楽しみでした。

このクルマ、乗車定員はもちろん2名。でも、まだ1歳だった子どもを女房が助手席で抱いて3人で買い物に行ったことがあるんですよ。
幌を下ろしたところ、子どもは大喜び。
いくら田舎とは言え危険極まりない行為でしたが、運悪くパトカーと遭遇してしまい、捕まるかと思いきや、警官はこっちを見てニコニコしているだけ。
30年近く前のちょっぴり微笑ましい話です。

ビートは冬にスピンしやすいと巷では言われていたけれど、私は幸い一度も経験なし。
ただ、最新のスタッドレスを履かせても凍結路には弱かった。平地で発進不可能なことが何度かありました。今、思い返してみると空気圧を工夫してみれば良かったのかも。

オートバイのような計器類、ゼブラ柄でセンスの悪いシート、食品は入れられないトランク等々も今となっては懐かしい思い出になりました。そういや、シートの幅が左右で違っていたんじゃないかな?

そんなビートとの生活、案外早くに終止符が打たれます。
大家さんが自分の母親を住まわせたいから、どこか他を探してくれないかと。引越し代その他諸々、悪くない条件でしたので、少し街中に近い一軒家へ引っ越すことにしました。

私の実家に近くなるため親からの援助もあり、住宅ローンを組んでマイホームを購入。
最終バスは22時台まであり、本数も多い。
でも、田舎とは違ってクルマの置き場が狭くなりました。

ああ、また1台体制へと逆戻りです…

平成3(1991)年式トヨタハイラックスサーフ4ドアターボディーゼルSSR-Xワイドボデー(4AT) H4.11〜6.1

2022-10-20 08:31:00 | 日記
今更ながら長い車名に何となくバブルの香りを感じますなぁ。
この写真はメーカーのHPからの借り物ですが、ウチのサーフも同色でした。ただし、スチールホイールが装着されているので、後に追加されたワイドボデーの廉価グレードSSR-Vかと思います。

さて、ベンツ190Dが雪道に弱かった一方でジープJ37は冬に威力を発揮するというコンビだった訳ですが、子どもが生まれたからには女房が冬に安心して乗られるクルマが必要となりました。
父からもらったアコードはあるけれどFFだし、やっぱり4WDのATをと、ベンツの代替えを前提にクルマ選びを始めます。

しかし案の定、国産車ディーラーでは相手にされず、輸入車の中古を扱う店では足元を見られて二束三文にしかなりません。
当時は中古車専門誌が唯一の情報源だったので、それこそ隅から隅まで調べまくった結果、全く同じ190Dを販売している中古車店を見つけたのです。しかも、良さげな4WDの登録済み未使用車が2台あるじゃありませんか!
さっそく190Dで商談に向かったところ、ウチのクルマの方がはるかに程度が良かったこともあり、下取りは最高の条件で決まりました。

いわゆる新古車の2台とは、ハイラックスサーフといすゞビッグホーンイルムシャーSで、ともにターボディーゼルで4速オートマチック。
動力性能ではビッグホーンが上回り、価格も若干安かったけれど、モデル末期だし騒音や振動も気になるレベル、ということでサーフを選びました。

実はこのサーフの移転登録時にちょっとした事件が発生。
自動車取得税は中古車店の要求額どおり預けたのに、未納だと道税事務所から電話があり、しかも、金額が2万円近く違う。

登録業務に不慣れな者が、納税通知書を持ったまま納付せずに帰ってしまったらしいのです。
納税義務者は私。そのままでは滞納者になってしまいます。
これには心底憤りを覚え、中古車店を問い詰めて差額を返金させましたが、中古車の取得税って、いちいち納付証明書なんてもらいませんよね?明らかに詐欺行為ですよね?
だまされているケースがかなりあるんじゃないかと思いました。

さて、そんなこんなでサーフが納車されましたが、マイナーチェンジでEFI化されたとは言え所詮2400ccの2L-TEではアンダーパワー。97psと24.5kgmでは軽々と走る訳がありません。
燃費は一度たりともリッター10キロを超えたことがなく、当時とても安かった軽油に助けられていた感じでした。
その一方、このエンジンの静粛性は大したもので高速道路の巡航は得意科目。実に快適。
オーバーフェンダーと太めのタイヤにリヤのスペアタイヤキャリア、更には高価な純正オプションのフロントグリルガード付きだったので、ルックスは当時の流行最先端。女房は職場の同僚から随分と羨ましがられたそうです。

さて、ハンドリングを話題にするクルマではありませんが、さほどダルな感覚でもなく、取り回しに不自由するほど大柄な車体じゃない割にはけっこう見映えが良かった。
トラックベースとは思えない立派な内外装に十分な居住性。強いて言うなら、リヤドアの長さが短くて乗り降りがしづらいことが短所でしょうか。
たくさん売れた理由が分かるような気がします。

そんなサーフには1年半ほど乗りましたが、まさに人気絶頂のうちに乗り替えることにしたのでした。

昭和59(1984)年式ホンダアコードサルーン1800GXR(4w A.L.B装着車、4AT) H4.9〜5.3

2022-10-08 09:22:00 | 日記
この写真、サンルーフ装着以外は全く同一グレード、塗色のものがメーカーHPにあったので拝借しました。

ウチの父はバイク時代からホンダ車好みだった話は前に書いたとおりです。
私の初代アコードと二代目カリーナGTとを交換した後、父は二代目アコードに乗り替えました。
惜しいことに、CVCCを排したPGM-FI付きエンジンを積んだグレードが追加される少し前でしたが、最高グレード、かつ、当時は画期的だった4w A.L.B装着車。
なのに、いくら北海道とはいえ、オプションだったエアコンは非装着のままでした。結局、翌年すぐに付けましたけどね。

これを大切に8年ほど乗っていたところ大腸ガンが判明、生きてるうちに好きなアウトドア生活がしたいと父が選んだのがデリカスターワゴンの4WDでした。
査定額ゼロのアコードは車検が半年以上残っていたので、私がもらって乗ることに。

新車時に防錆処理を徹底的にやったおかげでサビは皆無。傷や凹みもなく、オドメーターさえ見なければ、機関内外装ともせいぜい2、3年落ち。極上の状態でした。

その頃、わが家はジープJ37、ベンツ190Dという布陣で、ベンツは主に女房が乗っていたので、アコードは私の通勤車となりました。

タダでもらったせいもあるのでしょうが、大きなグラスエリアがもたらす明るく広いキャビンと(他の2台がうるさいからか)圧倒的に振動が小さく静かなエンジン、快適な乗り心地。とにかく国産車って古くなってもすごいと感心したのを覚えています。

4w A.L.B、液晶デジタルメーター、クルーズコントロールは初体験。
ちょうど冬だったので、アンチロックブレーキがザクザクの雪道では制動距離を伸ばしてしまうことを知り、4ATの4速=O.Dを解除するとタコメーターの帯が太くなるのが新鮮で、クルーズコントロールは眠りを誘いかねない代物だと思ったのが記憶に残っています。

このクルマ、見かけより軽量な1トンの車重に110馬力で走りはなかなか。上まで回してやるとホンダ特有の良い音がするんです。
足は柔らかいくせにコーナリングも粘ります。
ただ、燃費は通勤でリッター10キロを超えることはなかったなぁ。
PGM-FIで130馬力を発揮するグレードにも乗ってみたかった。きっと素敵なスポーティーサルーンだったことでしょう。

結局、車検切れまで乗って、117クーペやサバンナRX-3でお世話になった中古車屋さんに廃車手続をお願いしたところ、程度極上だからつぶすのはもったいないとロシア人に売ってくれました。当時は5万円までのクルマは土産品扱いで簡単に持ち帰ることができ、買ったロシア人は大喜びだったそうです。