帰りに千里南公園を通る。女性の写真愛好家が樹の根元から芽を出している若木を撮っている。
鴨の群れがきょうも凍るように冷たい池の上を楽しそうに泳いでいる。寒くないのんかいなあ。春やでぇ、と喜んでいるのカモ。どこかでカラスが「カッカッカッ」と鳴いている。人をおちょくる鳴き方や。血が頭にのぼる。いや頭に血がのぼる。おんなしことか。
兼好法師も「をりふしの移りかはるこそ、ものごとにあはれなれ」「いまひときは心を浮きたつものは、春の気色にこそあめれ、鳥の声なども、ことのほか春めきて…」いうてたな。春が一番や、と。そういわれてみるとそんな気がせんでもない。けどカラスの声は別やで。ほっぺたにさす陽があったかい。
マンションの花壇が気になって立ち寄る。目に付いた雑草を引いていると、「だいじょうぶですか。無理なさらんように」と声をかけられる。「いや、外へ出て馴らすようにしてまんねん。ありがとうございます」。あたたかい心づかいがなによりうれしい。
さざ波は立春の譜をひろげたり 水巴
ひこばえへカメラの角度定まりぬ 愚句
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