鬼遣

　きょうは節分。外は風が冷たい。みぞれがぱらついた。お昼から花壇に出る。きょうもハボタンの下葉取りとパンジーの花がらつみ、雑草引きをする。「ごくろうさまです」「だいじょうぶですか」。通りがかりの人から声をかけられる。「ありがとうございます」「外へ出て身体をならしてますねん」。返礼する。
　千里南公園を散策する。池の周りを散歩する人、野鳥を撮ろうと望遠カメラを立ててる人に出会う。人気は少ない。カラスの鳴き声と椋鳥のかしましい群舞が目立つ。野鳥天国の時間か。
　愚妻が「今晩は巻きずしですよ」という。「鬼は外福は内」と豆まきをする日やなあ。恵方を向いてふと巻きの寿司を黙って丸かじりする日やなあ。ことしは西南西か。神戸の方やなあ。去年はイワシを買いに走ったなあ、ことしはイワシ無しか。
　なんで豆まきすんのんか、なんで「鬼は外」か、なんですしの太巻きをかぶりつくのんか…。しょむないこと考えたらアカンのかなぁ。けど、なんやらひっかかるなぁ。雷鳴らして雨降らすんはトラ皮のパンツはいた鬼やいうし、桃太郎は鬼退治に行ったそうやし、米朝師匠は、地獄にも鬼がいるいうてはるし、戦争やった偉い人は鬼畜米英とかいうてなさったし…、なあ。ま、あんまり余計なこと考えんと、豆まきして寿司食おう。きょうは三叉神経ヘルペス100日目や。ウィルスよ、わいの神経ようもなぶりよったなぁ。お前も「鬼は外」や。
其迹は子供の声やおにやらひ　一茶
鬼はいずこ寿司丸かじりする鬼やらい　愚句
椋鳥の群舞かしまし霙降り　同