ウンカの長距離移動には三つの局面があるという。発生地からの飛び立ち(高温・上昇気流などにより上昇?)、空中での移動(下層ジェットなどに乗り水平移送?）、そして着地・定着(低温・下降気流などにより下降?）という三段階らしい。発生源は北緯20度以南のインドシナ半島と推定され、梅雨前線の停滞している中国南部の移植直後の早期稲に侵入する。そこから中国中部と日本の稲へ６～７月に飛来するという。発生面積は１００万～１０００万ヘクタールに拡大するという。害虫から食料を守るための気の遠くなるような研究や。気軽に借りた本だがあまりにも専門的な内容なので読み進むのに躊躇する。
菊の花はウンカの話とは無関係。たまたまマンションの庭先に咲いていたので撮っただけ。見慣れた花なので見向きせず通り過ぎる。どことなく日本人のこころの底に沈着した花のようにも思う。菊人形や菊づくりを発想した人はすごいと思う。「菊づくり菊見るときは影の人」。確か吉川英治さんの句。丹精込めて菊を育てた人の心を詠んだ。わが輩は、あいかわらず駄句ばかり。写真上=千里北町マンションの庭先の菊、下=上新田４丁目マンションの庭先の山茶花。
ありふれた日本の狭き庭の菊 昇龍子
