「雉鳴(て梅に)乞食の世也けり」「茨の花爰をまたげと咲にけり」「通し給へ蚊蠅の如き僧一人」「夏の夜に風呂敷かぶる旅寐哉」「寒き夜や我身をわれが不寐番」「榾の火や糸取る窓の影ぼうし」「初夢に古郷を見て涙哉」「せゝなぎや氷を走る炊ぎ水」…。直情的で色気なしの口語調。旅修行のきびしい現実をリアルに切り取りデフォルメする才。モンタージュ手法とでも言おうか。ぼくは一茶の目のつけどころー句の実直な情意と表現方法に学びたい。
一茶は芭蕉が晩年めざした「軽み」の具現者ではないか。島崎藤村は「詩歌の上で極度にまで自己を打ち建てていった詩人」「私たちの時代に近い人」と評したが、「思想的」には津田左右吉の見方もそれに近い。ただ「詩想」・表現の面からは否定的な意見が少なくない。わが輩は粗野なたちなので高くて近づきがたい芭蕉や蕪村より一茶に親しみを覚える。日本の自我確立の夜明けは雪深い信州信濃の山奥から興ったのではないか。ふと思った。昼は、パスタ・ナポリタンとしめじ。買い物途中、千里南公園でマガモやホシハジロ、カルガモがケンカせず泳いでいる姿をデジカメで撮る(写真上)、下は、いいお天気の牛ヶ首池。
漂鳥の羽色隔てぬ一茶の忌 昇龍子
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ノーやん

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