日々感ずることを、徒然に書いています。ご笑覧あれかし。

言葉というもの、非常に興味があります。

女王のお葬式

2022-09-21 01:59:12 | 日記

昨日、英国では臨時休日。

 
故エリザベス女王のお葬式があったからである。
 
女王は8日(木)に亡くなった。それから、TV番組は、ほとんど女王関連のものばかり。
 
まあ、政府の要人とか、報道関係者には、女王の死期が近いということはわかっていた筈であるから、内々裏に、その一大事に対する準備は万端であったのだと思う。
 
それにしても、何という手際の良さか。
 
亡くなる2日前の6日(火)、女王は、英国の新首相、リズ トラス氏(女性)に謁見しておられる。
 
その様子をTVで観たが、杖をついておられるとはいうものの、女王、笑顔で新首相と握手を交わしておられたので、その2日後に亡くなるとは夢にも思わなかった。
 
しかし、実のところは、この新首相になろうというトラス氏でさえ、女王の余命幾許もないと、分っておられたのではなかろうか。
 
そして、そのご臨終の日時が、おそらく8日(木)の午後5時半ごろであろうことも。
 
そうとわかれば、BBCTVの様子が5時ごろから、何だか異様になってきたのも理解できる。
 
ただ、女王が亡くなったのは、ロンドンではない。スコットランドのバルモラルという別邸での話である。
 
女王は、この別邸で永らく静養されていた。
 
ご体調がすぐれないからというのが表向きの理由であった。
 
しかし、その実、バルモラルが、女王の終の棲家になるであろうというのは、近親者、および政府の要人全員が知っていた、というのが、今から思えば、本当の筋書きであったということか。
 
それはともかく。
 
女王のご遺体は、美しい棺に収められ、それからというもの、一般市民の静かな弔問を受けた。まずスコットランドの首都エジンバラで、丸一昼夜。
 
それから、空軍の飛行機でロンドンに移され、議事堂に隣接した特別室に安置された。もちろん、そこでも、国民の弔問を受ける。絶え間なく4日間。昼も夜も、絶え間なく、である。
 
弔問は誰でもできるが、それには、長蛇の列に加わらなくてはならない。TVでその様子を何度も見たが、実に整然としたもの。感心した。
 
待ち時間は、最長で20時間くらい。それでいて誰も文句を言う人はいない。女王が、皆から好かれていたと言うことの証といえるであろうか。
 
その行列の中に、著名人もおられる。私はTVで知っただけであるが、例えば、デイビッド ベッカム。10時間ばかり、待ったと言う。
 
そして、元首相のテレーサ メイ。彼女は、現職の国会議員であるから、例外的に、並ばなくてもいいはずであるが、ただご主人とご一緒であったから、あえて、お二人で行列されたのだと思う。
 
わたしは英国のこう言うところが、非常に好きである。規則は規則、有名人といえども、特別扱いしない。
 
皆さま、葬儀の模様は、ご覧になったと思うので、詳説しないが、英国人は、ああ言うことをやらせば、実にうまい。華麗で荘重。
 
エリザベス女王は、96歳でお亡くなりになるまで、曲がりなりにも、公務を滞りなく務められ、そして、その後、すっと逝かれた。
 
ああ言うのをこそ、まさに「大往生」と言うのであろうか。全てのことは、精一杯やったし、思い残すことなし、。後のことは、子供や他の人に任しておけばいいんだから、。
 
私も、あんな風に逝きたいとは思うが、まだだめ。今だと、思い残すことがある。少しだけだけれど、。
 
日本でも、近々「国葬」があるそうで、楽しみにしているが、おそらく観られないであろう、私。
 
ただ、その前に、この場合の国葬の「是非」が喧しく論じられているとのことである。
 
何でも、親分の麻生副総理が、岸田首相にこう言ったんだとか。「岸田くん、いいかい、理屈をこねている場合じゃねえんだよ。ここは、絶対、国葬でなければ、国葬で、」
 
岸田首相は、安倍前総理大臣国葬反対派である。(私、政治って「理屈と規則」に基づく討論だと思うんですが、。)
 
ちなみに、英国では、こう言う問題、起り得ません。
 
法律があって、国葬(State Funeral)は、王室の人にのみ、適用される、。
 
実に単純明快。

エリザベス女王、亡くなる

2022-09-11 08:40:12 | 日記

エリザベス女王が亡くなった。

 
こういう時、日本では、例えば「天皇陛下、御崩御」とかいうのかもしれないが、崩御というのは、何か立派で大きなものが、崩れ落ちる感じ。
 
冷たい感じがして、ここでは当てはまらない。また「お亡くなりになった」というのも、なんだかよそよそしくて、。
 
それほど、この女王は国民に親しまれていた。愛されていた。だから一般庶民と同じ扱いで「亡くなった」。
 
もちろん英国での話であるが、この女王の名は、世界中の人に知れ渡っていたので、なんだか英国だけに閉じ込めておけないというところがある。
 
ご臨終は、この2022年9月8日(木)午後5時半ごろ。享年96歳。
 
その2日前の6日(火)に一つ大きな仕事があった。その前の日だかに選ばれた保守党の新党首リズ トラス氏を謁見しておられる。新進気鋭の46歳女性。保守党は、目下英国の与党であるから、彼女、即、新首相ということになる。首相になるべき人が選ばれた場合、その人は、即刻元首(この場合は女王)に謁見しなければならない。
 
この謁見の場面を見たが、女王、杖こそついておられたけれど、笑顔を浮かべておられたし、別段、弱っておられるようには見えなかった。
 
それが、なんとなんと、その2日後の8日(木)午後5時半ごろ、静かに亡くなったのである。
 
ただし、スコットランドのバルモラルという別邸での話。
女王は、最近、お身体の具合がお悪いとかで、そこで永らく静養されていたという。
 
女王、笑顔こそ浮かべておられたが、その実、極めて衰弱されていたのではないであろうか。
 
そして、彼女の亡くなる日時も、大体予測がついていた、。
 
そういうことを、政府の要人、また報道関係者、また、新首相になるべきトラス氏も実は知っていた、。でも、厳しい「箝口令」が敷かれていたので、一般国民は誰も知らなかった、。
それが証拠に、BBCのTVなんか、5時過ぎから、なんだかそわそわし始め、異様な雰囲気でしたもの、。
 
もし、それが本当であれば、女王さまは実に立派である。
 
こういうのこそ、まさに「大往生」というのであろう。天寿を全うする。
 
何しろ96歳である。運命のいたずらから、図らずも26歳で王位に就かれ、爾後、在位年数実に70年。
 
最後の最後まで、仕事を続けられ、最後に、一つ大きな仕事を成し遂げられると、すーっと静かに逝かれた。
 
こういう召されかたであるから、国民は、悲しくもない。ただ「ご立派」と叫ぶばかり。
 
しかも、そのタイミングがほぼ完璧。
 
大して大きな行事があるわけではないし、気候の面からも申し分がない。
 
あと、一週間ほどで、故エリザベス女王のお葬式。特別休日である。
 
もう、息子のチャールズ3世が次期元首になられることは決まっている。彼、お母様ほどには人気がないが、玉座に座られることが永くなるほど、風格というもの出てくるのではと期待している。
 
翻って、。
 
日本ではどうであろうか、。
 
私、昭和天皇御崩御の折は、もう英国に来ていたので、よくは知らないが、まあ、天皇崩御に際しても、国民が、それほど心を動揺させることはないのではなかろうか。
 
だって、皇室の人というのは全て、とかく、御簾の中。どういう人たちなのか、丸でわからない。
 
天皇が亡くなるというのは、年号が変わるということ。その程度に思っている国民も多いかもしれない。

エリザベス vs エリザベス

2022-09-09 08:51:02 | 日記

皆さん、もうご存知だと思いますが、ここ英国では、ごく最近、大きな出来事が起こりました。2つも。

いずれも、女性が絡んでいます。それも同名の、エリザベス。

まず、この9月5日(月)、与党保守党員による最終投票で, リズ トラス(Liz Truss)氏が、男性の元財務大臣Rishi Sunak氏 を抑えて、保守党主に選ばれました。保守党は、現在、与党ですから、即新首相というわけです。

まだ若い女性で、46歳。

先のボリスジョンソン首相が、党内、多くの党員からの不信任案で、退陣に追い込まれたからです。
彼は、ハッタリが多く、嘘ばかりつくので、多くの保守党員の反感を買ってしまったのですね。

英国では、新首相が決まると、元首である女王に、まず謁見しなければなりません。それが済んで、初めて首相。

ただ、昨今、エリザベス女王は、96歳というご高齢の為、スコットランドのバルモラルという御用邸におられます。

普段なら、ロンドンのバッキンガム宮殿におられるはずなんですが。

そこで、トラスさん、6日(火)特別機で、スコットランドに飛び、女王謁見直後、ロンドンにトンボ帰り。到着後、すぐに首相官邸前で就任挨拶です。

新閣僚を急いで決め、その翌日7日(水)の昨日は、国会で、野党の労働党と、丁々発止の鍔迫り合い。

トラス新首相、早速労働党の「吊し上げ」にあっておられましたよ。

この様に、英国の国会風景は、見ていて、非常に面白いです。

さて、今日、8日(木)。

まさかと、思うようなことが起こってしまったのです。

ただし、事故ではありません。

と言いますのは、エリザベス女王、本当のところ、非常に衰弱しておられたのでしょうね。

2日前に、新首相にお会いしておられますし、しっかりしておられる様に見えたのですが、。

驚くなかれ、午後5時ごろ、家族に見守られて、静かにお亡くなりになったのです。

まあ、新首相になるべきトラスさんに謁見するのを、「最後の仕事」と思っておられたのかもしれませんね。

在位すること、実に70年、エリザベス女王は、国民の大多数から愛された君主であったと思います。

明日から、英国元首は、チャールズ王です。国民の大多数が、君主といえばエリザベス女王しか知りませんので、何か、変な気持ちです。チャールズ3世、。

それにしましても、これらの国会議員は、実にタフな人たちですね。本当に感心します(全てではないと思いますが)。

そして、王室の人たちも(全てではないと思いますが)。