日々感ずることを、徒然に書いています。ご笑覧あれかし。

言葉というもの、非常に興味があります。

アルマンド デュプレンティス またまた大記録

2022-03-21 08:30:21 | 日記
ヨーロッパでは、この頃、スポーツの世界で、画期的なことが起る。
昨日、ラグビーの「6カ国対抗」で、新参のイタリアが、実に劇的な勝利を収めた。
相手は、昨年の覇者ウエールズ。最後の1分で、6点差をひっくり返す大勝利。22:21。イタリアにとっては、7年前加盟後の初勝利。それがまた、絵に描いたようなトライで。 本当に嬉しかった。これを機会に自信をつけて、イタリアには、他の5カ国に肩を並べるラグビー国になってほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=hRR8oSPpGO0
 
その興奮が覚める間もなく、今日は、「世界室内陸上」で、大記録が出た。
私が心待ちにしていた男子棒高跳び。
絶対的本命のDuplantis(デュプランティス)が、又しても、自分の持つ世界記録(6m19)を更新したのである。
 
この大会の優勝は、もう既に6m05で確定していたから、彼が挑んだ6m20は、いわば余興。3回目にクリアし、私も本当に嬉しかった。
https://www.youtube.com/watch?v=EduAtchVbFk
 
この男前のアルマンドくん、まだ22歳。 アメリカのルイジアナで生まれているが、両親とも陸上の選手で、優秀な血を十二分に引いている。ただ、お母さんがスエーデン人で、その関係からか、彼は、スエーデンに籍を置いている。 さて、どこまで記録を伸ばせるか。
 
彼の前に、棒高跳びでは、やはりすごいのがいた。セルゲイブブカ(ウクライナ)。
 
彼は、6mの壁を最初に破った人。その後、記録を1cmずつ更新して、その都度、大金を手にしていたのは有名な話である。 結局、ブブカ、最終的に6m14まで記録を伸ばし引退した。
 
その彼の記録を破ったのが、フランス人のRenaud Lavillenie。6m16。この記録、6年間続いたが、それを破ったのがデユプランテイスという次第。 ブブカによると、棒高跳びというのは、非常に技術的な競技であるから、男子の場合、6m50くらいまでは、記録が伸びる可能性があるという。
 
さて、アルマンドくん、どこまでいけますか。
 
こういうこと、イギリスあたりに住んでいますと、すぐに耳に入ってきますから、「すごいなあ」ということになりますが、日本におられる方々には、あまり関係のないことになってしまうのではありませんか。
 
要するに、そこに日本人が、何らかの形で絡んでいないとダメなんです。 そうではありませんか。

ああ、胸のすく思い

2022-03-20 04:57:11 | 日記

私、こう見えてもスポーツ好き。

でも、運動神経はないに等しく、情けないくらい、なにもできません。

従って、そういうのをふんだんに持っておられる格好いい人たちが、飛んだり跳ねたり、走ったりしてしておられるのを観て楽しんでいるという次第。

幸い、スポーツの盛んな英国に住んでおりますので、大抵のスポーツはTVで観られます。

そして、この国で盛んなスポーツって、実に広範で、非常にバランスが取れています。

目下、ベルグレード(セルビア)で、世界室内陸上。男子の棒高跳びが、いちばんのお目当てなんですが、まだ出てきていません。それと男子の高跳びも。

いろんな球技も好きですが、私が本当に好きなのはやはり野球ですね。でも、この国には、それがありません。

残念ですが、しかし、それを補って余りある、他の球技が、いっぱいあります。そしてそれらは、世界でも有数のもの。フットボールとか。

クリケットもありますが、これだけは、観ません、私。一体どこが面白いのかわからない為です。まあ、わかろうとしない、ということでしょうかね。

ところで、フットボールと並んで、英国で人気のある球技といえば、やはりラグビーですね。ご存知かと思いますが、双方とも、発祥地は、この英国です。

私、正直に言いますと、どちらかといえば、ラグビーの方が好きなんです。

日本も、このラグビー、この頃、だいぶ強くなってきましたね。来年、フランスで、ラグビーワールドカップ。楽しみにしています。

ラグビーといえば、毎年2月から3月にかけて、この英国を中心にして、ワグビー「6カ国対抗」というのがあり、ほぼ全試合観ます。

6カ国(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウエールズ、フランス、そしてイタリア)の総当たり戦で、計15試合。

今日が、今年の最終日でした。 

午後に観たのは「ウエールズ:イタリア」戦。

イタリアは、このリーグに加盟するのが遅く、たった7年前。そして、これまで、1勝もしていません。0勝34敗。

誰もが、まず、ウエールズの楽勝を予想したことでしょう。勿論、私もその一人でした。

ウエールズは昨年の覇者。しかも、ウエールズホームグラウンドでの試合でしたからね。

後半、1分を残し、21:15でウエールズ、リード。誰もが、ウエールズの勝利を確信したと思いますが、その時、奇跡的なことが起ったのです。

球を手にしたイタリアの小さな選手が、ウエールズの防御陣を、かいくぐって、最後は、左に来ていた同僚に、綺麗なパス。彼がほぼ真ん中にタッチダウンして21:20。

勿論、コンバーションも簡単に決まり、ゲームセット。21:22。イタリアの選手は、皆泣いていましたよ。

このような、絵に描いたようなトライは、なかなか観られませんが、この時ばかりは、本当に胸のすく思いがしましたね。私もやんやの喝采を惜しむことなく送りましたよ。

野球で言えば、3点リードされているチームが、9回の裏2死フルカウントで、満塁ホームランのサヨナラ。そんな感じです。

久々に、ラグビーの醍醐味を味わいました。

ウエールズは、今季の優勝戦線から脱落していますが、イタリアがこれで自信をつけて、来季からは、他の5カ国に伍する勢力になってほしい。

今晩、イングランド:フランス戦がありますが、フランスは、アイルランドとともに、優勝戦線に残っていると思います。

ああ、胸のすく思い。


マイクさんと大型洗濯機

2022-03-11 08:58:15 | 日記

またまた、マイクさんのご登場である。

北アイルランド出身の直言居士。73歳。

子供みたいな人であるが、私とは不思議にウマが合い、話していると楽しい。

ロンドン南部在住。

チャリティ団体が運営する集合住宅に住んでおられる。まあ、区営住宅みたいなもの。

彼の住んでおられる所に、なんどかお邪魔したことがあるが、一人住まいとはいえ、小さい。

だから、そこには洗濯機などなく、一階に、大きな共同の一機があるだけ。

その大型共同洗濯機が、最近ウンともスンとも言わなくなってしまったのだそうだ。

困る。大変困る。

もちろん、事務所に報告したが、一向に埒があかない。

でも、洗濯物をためておくわけにいかないから、仕方なく、近所のコインローンドリーに行く。

そこで、マイクさん、一計を講じた。

何と、その地域の「国会議員」に手紙を書いて、窮状を訴えられたのである。

彼の住んでおられる所は、公的な(営利目的ではない)ものであるから、選挙民のこういう問題に耳を貸すことも、国会議員の仕事なのだそうである。

私、マイクさんから、まだ、その結末を聞いていないが、これには驚いた。

そして、英国のこういうところがとても好きである。全ての職能が、(少なくとも表面的には)「正常に」機能している。

国会議員は、「代議士」とも呼ばれるほどであるから、選挙区民の「代弁者」。彼らの苦情に耳を傾ける人。そして、その苦情には、何と「区営住宅」の故障した洗濯機のことまで含まれる、という。

日本では、こういう時、どこに「尻を持ち込む」のであろうか。まあ、いいところ、区役所の苦情受付窓口あたりか。

ことほど左様に、英国では、国会議員とその選挙区民との結びつきは非常に強い。これは、実に嬉しい。

国会で、何かの議案が持ち上がった時、国会議員は、即座に選挙区に帰り、選挙区民の声を聴くことがよくある。これなんぞ、まさに代議士の面目躍如といったところか。

ただ、これには、困った一面もあって、もし、ある国会議員が、その選挙区民の誰かから反感を買うとすると、極端な場合、殺されてしまうことさえあるというから、怖い。

比較的最近、そういう事例が2件あった。男性と女性。二人とも、理想を貫こうとし、選挙区民からは非常に人気があった。

英国の政治は、素人が見ていても、面白い。そして、英国民の政治に関する認識は、これまた非常に高い。

日本の国は、明治に入り、一足飛びに近代国家になろうとした時、英国の議会制度などをお手本にしたと思う。

でも、日本では、何かにつけて、本来の理想が、日本独特の変容を遂げてしまうところがあると、私は思う。

日本の国会議員って、非常な高給取りであるというのは知っていますが、一体、どういうことをしておられるんですか。

その辺りがどうしてもわからず、日本を出たという節が、私にはあります。


突っ込まないで!

2022-03-01 03:02:09 | 日記

その時、日本に帰っていた。

ある日、どこかで知り合いの数人が集まり、おしゃべり。

男女数人。他愛もない話に花が咲く。まあまあ楽しい。

私が、男性の一人に何かを言った時、誰かから声がかかった。
「突っ込まないで! あなただって突っ込まれたらいやでしょ」

これにはびっくりした。

私、その男性に、そんなに「突っ込んだ」質問をしたつもりはない。個人的であまりにも不躾な質問を、。その程度の弁えはある。

これで分りました。じゃ、日本人のおしゃべりというのは、「突っ込まない」で、当たり障りのないものということになるのですか。

(まあ、それは、そのおしゃべり集団の性質にもよりますよね。よく知った連中か、それともそれほど知らない人ばかりとか。それと、その集団の人数も関係します)

私は、逆に、どちらかというと「少し、突っ込んだ」質問をしてほしい方である。他愛もないおしゃべりには退屈を感じてしまう。

思い返せば、昔、日本にいた20代後半の時に、そういうことを強く感じた。

その頃、私、いろんな事情から、悶々とした生活を送っていた。酒ばかりくらい、。挙句、多くの人の信用を失った。

私が、そこで本当に欲しかったのは、誰かからの「何かあるのと違うのん?」の一言であった。しかし誰からも、何も、。

両親はすでに亡く、兄姉も誰も、私から遠ざかっていった。腫れ物を触るように。「四面楚歌」とはまさにこのことである

英国に来て、さすがにそういう意味での問題はなくなったが、今度は、生活に不安があったからであろう、話をしている相手の人を質問ぜめ。これも勿論いけない。(私、喋り続けに喋っている人には、精神的な問題があると思う。静かにしていると、不安に駆られる、。)

それから、数十年の年月を経て、今は、お陰様で、生活面での不安もなくなり、もう少し、ゆったりとした毎日が送れるようになった。人のことに思いを馳せることもできる。会話の仕方も、少しは大人っぽくなったのではないであろうか。

でも、この状態に達するのに、今の歳の77年。

人間、生きている限り、どんな人にも不安はつきものであろうから、現状で、ひとまず良しとするか。


山のあなた

2022-03-01 00:27:13 | 日記

山のあなたの空遠く

「幸い」住むと人の言ふ

噫 われ人と尋めゆきて

涙さしぐみかへり来ぬ

山のあなたになほ遠く

「幸い」住むと人の言ふ


ドイツ人、カールブッセ(Carl Busse) の詩、「山のあなた(Über den Bergen)」です。

短いですが、日本では、この上田 敏の訳文によって、広く知られるところとなりました。七五調の名訳です。

因みに、これは、上田の西欧訳詩集「海潮音」の中の一編。知りませんでした。

じゃ、英国では?と思って、ちょっと調べてみましたところ、知られている様子がまるでないんです。詩と言うものが、よく親しまれている英国にしてです。

ブッセのドイツでどうだったかは、知りません。

詩作の盛んな英国で、この「山のあなた」がそんなに知られていないと思われるのは、こう言うことではないでしょうか。

英国には、山がない。しかし、ドイツにも日本にも、山はある。

だから、英国人、この詩を読んでも、胸に訴えるものがないんです。

なるほど、そう言われてみれば、英国には山がありませんね(あるとすれば、スコットランド、または、ウェールズに)。

ところで、このブッセの詩と、言っていることが、ほぼ同じと言うものがあるんです。

メーテルリンク(Maurice Maeterlinck) の「青い鳥( L’oiseau bleu)」です。

これは、子供向きに書かれた童話で、日本の皆さんもご存知かと思います。例のチルチル、ミチルの話ですよ。

作者はフランス語圏のベルギー人です。これも、知りませんでした。

この4月、アイルランドに行って来ます。アイルランドにも、山はありません。