
小さなマンションの一角、外壁をピンクのバラが埋め尽くしていました。
眺めているうちに思い出したのが、「薔薇の名前」。
といっても、咲いていたそのバラの名前ではなく、本の題名です。
バラ園に行くと、バラの名前の多さに驚きます。
多すぎて何一つ覚えていないというのも情けないのですが・・・・。
ずいぶん昔に読んだ本とはいえ、「薔薇の名前」も中身はまるで覚えていなくて題名だけ。
タイトル情報辞典なるもので調べてみました。
「Il nome della rosa 《ミステリー》 「薔薇の名前」 イタリアの記号学者ウンベルト・エーコが書いたミステリー(1980)。」
たしか、翻訳物のミステリーにはまっていた頃です。
毎日、文庫本のミステリーを1冊だけ持って、日本橋の職場に通っていました。
3年ほど前、そのあたりに行く機会がありましたが、再開発でまったく様変わりしていました。
辞典の続きから。
「中世北イタリアの僧院で,ヨハネの黙示録になぞらえた不可解な連続殺人事件が起こる;探偵役は英国人の修道士バスカヴィルのウィリアム;複雑怪奇なミステリーであると同時に,西洋の「知」の伝統をラディカルに問い直す哲学小説でもある;衒学的なメタフィクション;1980年ストレーガ賞受賞.」
哲学とか衒学的とか・・・・どうやら難しすぎて記憶に残らなかったようです。
ついでに薔薇の品種一覧をネットで見てみましたが、こちらは数が多すぎます。
バラはやめて犬の名前・・・・タロー、ジロー、ハチ、シロ、ハナ・・・・レトロな名ばかりです。
それぞれ名前をつけられた犬のほかに、普遍的な犬という観念が実在するのかどうか?
西洋の「知」の伝統というのは、たぶん、そういうことを指すのでしょう。
タローという名の個別のイヌを見て、なぜ、それがイヌだとわかるのか?
こういう論議を続けていると、わかることもだんだんわからなくなってきます。
イヌがネコだっていうのか、イヌだからイヌなんだよ、文句あるか。
いえね、そういう話ではないみたいですけど・・・・。
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