(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

片手巻抜

2024年11月26日 | 柔法
備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。
末端の人間の認識なんてまぁこの程度だとお思い下さい。

     ◆     ◆     ◆

片手巻抜は、旧・科目表では片手寄抜に続いて5級科目で習う、3つ目の龍王拳(抜き技)でした。巻抜は寄抜の変化技ですから、寄抜のすぐ次に早速「変化技」というものを学ぶ構成になっています。

まず名称ですが、新旧科目表では片手の巻抜は「巻抜(片手)」と記載されています。「片手巻抜」ではないのです。どうしてそう書くかと考えますと、教範では巻抜は「巻抜」の項に説明されておりまして、片手/両手の別については触れていません。諸手については次の項で「諸手巻抜」として掲載されています。つまり開祖の意識の中で「諸手巻抜」は攻撃法を含め独立して解説すべきと考えたのですが、「片手巻抜」と「両手巻抜」については核心だけ述べて同一項目とした、という事なのだと思います。突抜・切抜・十字抜もその様な扱いになっています。
私は片手の巻抜について一般に表記する時は、「片手巻抜」で良いのではないのかと思うのですが。。一般にも広く使われている表現です(ex.図解コーチ)。
真面目な本部の方が科目表を、教範に準じて記載してしまった為に、片手巻抜は正式には「巻抜(片手)」となったようです。。。(他に理由がある事をご存知の方が居たら、是非教えて下さい!)

     ◆     ◆     ◆

順の握りで外手首を握られた時の基本の抜き技は、片手寄抜です。基本技という事は、可能であれば優先してそれを行なう、という事です。攻者が片手寄抜を封じてきた時に、初めて変化するのです。
基本法形としては、巻抜は攻者が掴んだ腕を外に捻るように振ってきた場合に行なう、と教えます。既に述べました通り、寄抜は我の肘を相手のそれにぶつける様に打ち出して抜く技なので、攻者の腕の内側から肘をぶつける事が出来ないと、寄抜は出来ないという事になります。そこで守者は直ちに攻者の掴みに寄るように転位(移動)しつつ、手首を下から巻き返して巻抜の鉤手守法になります。
巻抜の基本の抜き方は、既に学んだ小手抜の方法です。肘を出すのを省略してしまう方が多いのですが、まずは教範の開祖の様に、しっかり肘を出して抜く巻抜から始めて欲しいものです。小手抜→片手寄抜→片手巻抜、とまさに習った事を土台に次の技法を積み上げてゆく漸々修学(step-by-step)が、SKの修練の面白いところです。

…と言ってますが、一方で敵を欺き翻弄する為に、必要も無いのに敢えて変化技を行なう事も可能です。その場合、自分から積極的に巻抜の鉤手守法に移行する訳です(それは普段の修練では「振られてもないのに巻抜しないだろ」と注意する所です)。寄抜の鉤手守法から、一歩外へ運歩しつつ止まらずに一気に巻抜く事も可能です。
以前に述べた通り、片手送小手の母技は片手巻抜では有りますが、片手寄抜の状況からでも送小手を施す場合があります。基本法形とは別に、そういった柔軟な思考をする事が、SKを真の護身の技術とする為には必要になります。

【宗門の行としての少林寺拳法】龍王拳 巻抜(片手) 金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより

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