(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

外押受突

2024年10月20日 | 剛法

備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

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外押受突は旧・科目表では、3級科目の9番目の法形として登場していました。外押受突の基本を理解するには、2つの大きな要点があります。

一つ目は既に学んだ上受突(表)(6級科目)と似た体捌きであるという事。もう一つは、しかし上受突とは攻者の攻撃方法が全く異なる、という事です。子供に教えるのであれば「ホラっ前にやった上受突と同じだよ!」と言えば良い訳です。

SKの剛法修練は流水蹴(後)から始まり、攻者の攻撃線上から逃れ(外れ)つつ反撃するというのが基本思想です。他流なので間違っていたら済みませんが、空手などは弾き受けたり、攻撃に堪える受けをベースにしている気がします。SKはそれだけ「弱者の護身術」という意味合いが強いのだと思っています。

上受突(表)も初歩の稽古では、我の正中線を真上から打ってくる攻撃に対し、攻者の表側へ体を躱して入り、差替え足を用いて順中段突を入れます。いわゆる「ナンバの動き」を用いた足を入れながらの突きなので、SKとしてはかなり特殊な動きになります。それを比較的初級からやらせる事には少々驚きますが、そこにも意味があるのでしょう。

外押受突も差替え足を用いて(元々の後ろ手で)順中段突を入れる点は全く同じな訳です。見た目の動きも非常に似ています。しかしその差替えの体捌きが、攻撃(線)をよける為のものではない、という点が異なっています。

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外押受突の攻撃法は、上段振り突です。基本的には横方向から薙ぎ払うように上段(頭部)に打ちつけてくる強力な攻撃です。振突のやり方は、とにかく初心者にはまず「肘は曲げない」ように指導します。実際に的に当たった時に自分の肘を傷めるからですが、実は多少曲げていても当たれば結構肘にきます。なので最初にミット打ちで、(フォームの修正と)肘を守る事の大切さを教えた方がいいでしょう。

攻者の直突に対しては、その攻撃線の「表によける」と「裏によける」という方法があった訳です。振り突に対してはどうなるでしょうか。

振り突は横に薙ぎ払ってくる攻撃なので、それを躱す(攻撃線を外す)となると「下によける」か「上によける」という事になります。下によける法形は屈身突です。しかし上によけるには飛び上がって飛龍拳を用いなければなりません(汗)。まぁ出来ませんよね。なので「上によける」の代わりに、「受け止める」のが外押受なのです。SKの中では珍しい受け止める受け、という認識が重要です。そして先述のナンバの動きは、その「受け止める為の体捌き」になっていなければなりません。

*直突に対して「表によける」か「裏によける」かは、同じ法形の内受突(表)か内受突(裏)か、或いは外受突(表)か(裏)か、という事になりますが、攻撃が振り突になると屈身突(=下によける)か外押受突(=受け止める)かという事になり「法形自体が変わる」というのは、少し面白いと思います。

外押受を行なう具体的な体の用い方に関しては、大きく2つのやり方があるようです。それは後日機会があれば考えるとして、初歩において大切なのは(1)差替え足を用いながら外押受、(2)流れを途切れさせずに順中段突、(3)更に追い突き(連攻)として押受をした手で熊手突、という動きを肩腰を大きく返して行なう修練をする事です。(1)-(2)-(3)に慣れたら(1-2)を一つの流れで行ない、(1-2)-(3)のリズムでできるようにします。<後の先>から<対の先>という事です。

これは既に上受突(表)でやっている事なので、振り突という強烈な攻撃を受け止めながらでも、それを冷静・正確に出来るように修練する訳です。

最後の熊手突が手だけの突きになったり、三日月をわざと外してアサッテの方向を突いたりする子が非常に沢山いますので、悪い癖がつかないようにそれを注意する事が重要です。差替え足が深くなり過ぎてお互いが非常に近くなってしまう組がよくいますが、上受突(表)の体捌きが実は上受投のベースになっているように、差替えの足は反対の足を少し越す程度でいいと思います(私は先輩や師匠達からはそう習いました)。最後の極めの熊手突の時、間合いが近いのを嫌う余り、反撃している筈の守者の肩が後ろに逃げるような事だけは、避けるべきだと思います。

攻者側に、最後の熊手を受ける時は体を反らせて後ろに逃れるように指示します。演武でもその方がカッコ良く見えます。


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