備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、
※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。
SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。
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屈身突は旧・科目表では、2級科目の5番目の法形として登場した仁王拳(上段単撃に対する技法)の法形です。屈身突で重要なのは、攻撃が振突であるという事です。上段振突に対する法形には、押受突(内/外)・押受蹴(内/外)と屈身突・屈身蹴があります。押受系統の内/外は理法が全く異なりますので、6法形あると考えればいいでしょう。
直突に対しては、その攻撃線の「表によける」と「裏によける」という方法があった訳ですが、振突は横に薙ぎ払ってくる攻撃なので、それを躱す(攻撃線を外す)となると「下によける」か「上によける」という事になります。下によける法形が屈身突/蹴です。飛び上がる訳には行かないので、「上によける」代わりに「受け止める」のが押受なのです。
この6法形に於ける「屈身を選ぶか、押受を選ぶか」というのは虚実や彼我の体勢の問題もありますが、その前段階として体格差が非常に重要になってきます。
大柄の攻者に対して小柄な守者なら、当然押受より屈身の方が有利になります。逆だと守者の屈身はどうにも窮屈になります。
この様にSKの修練には、実際には体格的にやりにくい法形も含まれてきます。
他の格闘技やスポーツを見ますと、試合・大会に向けて「得意技」の会得が重要となる場合が多いと思うのですが、SKでは満遍なく修練する事を非常に重視します。それはやはり、ただのスポーツではなく修行だからです。
体格差の問題はどの技にだってあるのだから、私はよく説明した上で、楽しんで修練してもらう事を心掛けています。(得意技があるのが護身上は良い事なのは、言うまでもありません)
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振突に対する屈身は「脇の下に潜り込むようにすると良い」と、私はよく指導します。どうしても怖くて距離を取りがちなのですが、攻者から見えた方が状況は良くないし、攻撃容器(拳)は腕の先端についているのだから、潜り込んだ方が当たっても衝撃が少ないのです。ただお迎えの膝蹴りを喰らうリスクはあります。
屈身のコツは、膝(と股関節)を「糸が切れた様に脱力(off)」して落下する事です。身体を沈めようとすると却って時間が掛かるので、膝が崩れるように落下した方が速いです。ただ真下ではなく、突き反撃の為に落下しながらでも左右の振り子を行なう必要があります。
上体を前傾させないように、と指導する先生は多いのですが、私は多少は前傾すると思っています(ボクシングのウィービングですので)。猫背になってはいけません。蹴りは警戒しつつも、目線が完全に下に落ちるのもNGです。
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振突に対して屈身・振り身を行なうとなると、攻撃に向かう方向とも言えます。その為、どうやって攻者の懐に潜り込むかに関して、先生毎に色々な工夫があります。これは内受蹴でも似たような議論があります。内受蹴も、上受蹴や流水蹴と比較すると、攻撃線に対する避け方が難しい話は、同項でも少し述べました。
また現行の屈身突・屈身蹴では、受け方は打上受だと思うのですが、私の所属では皆さん「先生(先代道院長)はそうは仰らなかった」と事で、「打上受ではない」と教えております。私は転籍組ですので、非常に驚きました。
しかし私自身、屈身突/蹴の打上受と、打上突/蹴のそれではかなり異なる、とは以前から思っておりましたので、さもありなん、という所もありました。
飛んでくる攻撃が全く異なりますし、前手受と後ろ手受けという違いもあります。用法が同じ筈もないでしょう。皆さんの道院では、屈身突の受けはどのように指導されているでしょうか。。
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