limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
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消耗戦の現場

2017年02月04日 00時18分17秒 | 日記
「電通」での社長交代で「2年間で改革をする」とした社長宣言。亡くなった社員のご家族に「誓紙」を提出しての背水の陣だが、果たして「電通」は生まれ変われるのか?これからの同社の「改革の行方」には、注目と言うか監視の目を光らせていく必要がある。何しろ「3度目の正直」なのだから。社員を「2度も死に追いやった」と言う社会的にも法的にも制裁と言うか「会社解体と言う鉄槌」を下されても何も言い訳できない会社なのだから、その本気が「どれほどのモノか?」しかと見届けたい。

ファミレスチェーン「ガスト」の営業時間短縮。パナソニックでの全社で「午後8時までに退社する」時短徹底命令。各企業が、ようやく重い腰を挙げ始めた「働き方改革」だが、これらはまだ各企業の生産現場にまでは踏み込んでいない。「事務方」や「営業」や「開発」などの、比較的リスクの少ない部署に留まっている事がどうにも気になる。まあ、「製造業の現場に措ける働き方改革」は、容易には手が付けられない事情は、ある程度は推察が付く。製造現場では、基本的に「交替勤務」で24時間操業をしなくては、生産高が確保できないし、摩訶不思議な事に「工場の稼働日20日の確保」と言う不文律がまかり通っているからだ。しかも生産工程に遅延が生じたり、顧客が急に発注数量を上乗せしてきたりすると、休日出勤や夜勤明けでも残業が生じる。製造現場は、あらゆる「無理難題」に対して「100%答えなくてはならない」と言う使命を負わされているのだから、一種の「聖域」のような場所である。ここにメスを入れるとなると「現在の製造業の根幹が揺らぐ事態」に発展しかねない。3交替勤務や4直3交替勤務(365日ノンストップ生産)が当たり前の世界に「時短・残業ゼロ」を持ち込む事はある種の「タブー」であると考えるトップが大半であろう。また「工場の稼働日20日の確保と言う摩訶不思議な不文律」に縛られている企業が大半だ。5月・8月・1月・2月に連休の「見返り」として土曜日出勤が、ごく当たり前に行われている現状を変えるのは、少なからずリスクを伴う。中小企業に至っては、完全週休2日制すらまだ導入していないところだってあるのだ。モノ造りの現場の「働き方改革」は、日本の産業構造そのものを根底から変革しなくては達成すら覚束ないのだ。こうした事は物流現場や販売現場にも共通する「頭の痛い」話である。

かつて、私も製造現場で3交替勤務や4直3交替勤務をバリバリにこなしてきた人間ではあるが、慢性的な過労や体調不良に悩まされてきた。特に「体内時計に逆らって働く」夜勤は、歳を取ると骨身に染みる辛さが付きまとった。手当が付くので賃金的には事務系の職場の同期よりは恵まれたが、人間本来の「朝起きて夕方には帰宅する」と言う生活リズムからは、かけ離れた生活を送らざるを得なかったため、心を病み1年の大半を病院での入院生活に費やすハメになってしまった。その後、休養期間を経て会社に復帰したのだが、精神障害者として認定を受け、障害者手帳を取得しているのにも関わらず、3交替勤務を命ぜられた時は絶句するしかなかった。「夜勤は出来ません」と口にした途端、上司から恫喝され「辞表を持ってこい!」と言われた事は、今でも忘れられない。そう言えば、恫喝した上司は、通院加療も認めようとしなかった。「穴をあけるようなマネは許さんぞ!」と言い放った挙句、夜勤専従に勤務体制を変更された記憶もある。睡眠時間を削っての通院は過酷そのもので、1年半で再び「休職」に追い込まれたものだ。

今、製造現場は、どこに行っても「限りのない消耗戦」を強いられている。人手を増やせば経費が嵩み採算が合わなくなるし、現状維持で切り抜けようとすれば、残業か休出が付きまとう。インフルエンザにでも感染しない限りは、簡単には休めない「宿命」を背負ってしまっている。こうした現場にも「働き方改革」は及ぶのか否か?多くの労働者は、期待2割・諦め8割と言う気持ちだろう。しかし、ここにメスを振るわなくては「過労死」も「自殺」もくい止めることは不可能だ。関係各位が現場の実態調査を早期に実現して「人が人としてあるべき生活」を送れるように、有意義かつ実行力のある法案を提出して欲しい。企業の規模などは関係ない。「残業は悪の労働」「過労死と自殺を防ぐのは残業を根絶する事」この2点を心に刻み込んで貰いたい。

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